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海を見つめる少女がひとり。全身が震えている。 涙目の奥には失った舅心が張り詰まった怨念を 切り開くが如く真っ赤なチョコスティックを握っている。 彼女は自分自身の包囲網を打破した。 未来の扉は閉ざされたままコッチを向いている。 「おはよう」かすれた声は天地を揺れ動かす。 彼女は自分に似たぬいぐるみをまっぷたつに切り裂いた。 「おはよう」また彼女の声だ。 世の中余計なモノが多すぎる。切り裂きたい気分。 でもアンチテーゼは譲れない。 永久に続く永久がまた「おはよう」と言う。 浜風が鳴り響く22時。 彼女は自分自身の声さえも消したい気分になり 自分自身の母性本能に「ありがとう」心の嘆き3分前。 最終列車5分前。「チョコスティックくれないですか?」 コスモスは不意に彼女に問いかけてみた。 よく見ると彼女はテニス部主将のリカだった。 「ありがとう」「さようなら」彼女は泣いていた。 つづく |
普段は髪を束ねているリカが今日は髪を下ろしていた。 今日のリカはとってもセクスィー。 とりわけモってめちゃデジャヴー。 コスモスは胸の中でそう呟くと その場で自分の眉毛を全て剃り落とした。 これで気が済むならお前自身の大海原にダイヴしたい。 偶然のマゾヒストはそんなもんさ。 訳の分からない言動を繰り返すコスモスに 見切りをつけたに見えたリカは海にリボンを投げ捨てた。 「大きなジャングルさようなら」私は未来を信じて生きていく。 これがラストテイクよ。リカはお気にの歌を歌い出した。 その歌声は海の塩をカルシウムに変えた。 白く微睡みだした海水は生きてゆく希望に満ちていた。 ちっぽけな明日なんていらない。リカは再び歌い出した。 コスモスは耳を傾けその美しいハーモニーを聞いていた。 いつしかふたりは浜辺をバックに寄り添っていた。 それを見ていた愛はちょこっと照れながらも 槍の標準をふたりの心臓に確実にセットアップしていた。 つづく |
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名前 | コスモス | 性別 | 男子 | この小説はフィクションです。この小説に出てくる個人名、団体名、企業名などはすべて架空のモノです。同じような名前が実在したとしても一切関係ありません。 |
年齢 | 14才 | 職業 | 中学2年生 | |
星座 | 水瓶座 | 血液型 | O型 |