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目を覚ましたコスモスは寝そべりつつ 飛べないカモメが飛んでいる風景をぼんやり凝視していた。 その先には地球が見える。 どうやら自分自身の大気圏を突破したらしい。我何処へ。 「僕はいったい何処から来て何処に辿り着いたんだろう」 コスモスは意味無く笑う自分を失笑した。 「ザァーザァッヴッンー」 波の音がする。どうやらここは海らしい。 海は紫色に染められ空。陸。海。 全ての生き物が乱雑していた。 波打ち花壇に咲くチューリップほどうれきモノはなし。 彼等が妙に鮮やかに見えた。 コスモスは果てしなく続く海岸をイッポイッポ歩き出した。 少し歩くと十字架が立っていた。 十字架には自分の名前が刻まれていた。 「やっぱり僕は死んだのか」 コスモスは自分の首を思いっきり絞めてみた。 ・・・・苦しい。死んではいないようだ。 コスモスはその場で立ちすくむと 自分の十字架を抜いて背中に背負った。 それはコスモスが十字架を背負って生きていく 決心をした瞬間でもあった。 コスモスの額には見えない十字架が刻まれた。 帰りたい コスモスは素直にそう感じた。 つづく |
直立不動で立ちすくむコスモスの頭上では 翼のはえたゾウが天高く舞い上がっていた。 そのゾウは円を描くようにぐるぐると上空を駆け回り なぜかライオンの様なドスの効いた雄叫びをあげていた。 「ぱっお〜ん。」 コスモスはゾウの鳴きマネをしてみた。 反応がない。どうやらゾウではないらしい。 「ゾーさん。こっち向いて」 ソー言うとゾウはその巨体を揺らしながらが ゆっくり降りてきた。 どうやら脳みそは人間らしい。 ゾウは翼を折りたたみ着地すると急に喋りだした。 「お兄ちゃん助けてよー。あたし。アスカだよ」 コスモスは言葉を失った。 その声は紛れもなく妹のアスカの声だった。 「アタシ友達の家の温泉に行って みんなで泳いでいたら急に地震みたいな揺れが 起きて気づいたらココにいたのよ」 「それでナンでゾウになってるんだ」 その質問はあまりにも意味を持たない質問だった。 「知るワケないッしょっ」 アスカが少しヒステリック気味に答えると 突然のつなみがふたりを襲い コスモスとアスカは紫色の海に呑まれていった。 つづく |
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名前 | 朝霧コスモス | 性別 | 不明 | この小説はフィクションです。この小説に出てくる個人名、団体名、企業名などはすべて架空のモノです。同じような名前が実在したとしても一切関係ありません。 |
年齢 | 13才 | 職業 | 中学2年生 | |
星座 | 水瓶座 | 血液型 | 不明 |