モドルススム
連続ネット小説 ポップの扉
第7話絶望の脱出
第8話ゾウの裏側

目を覚ましたコスモスは寝そべりつつ
飛べないカモメが飛んでいる風景をぼんやり凝視していた。
その先には地球が見える。
どうやら自分自身の大気圏を突破したらしい。我何処へ。
「僕はいったい何処から来て何処に辿り着いたんだろう」
コスモスは意味無く笑う自分を失笑した。
「ザァーザァッヴッンー」
波の音がする。どうやらここは海らしい。
海は紫色に染められ空。陸。海。
全ての生き物が乱雑していた。
波打ち花壇に咲くチューリップほどうれきモノはなし。
彼等が妙に鮮やかに見えた。
コスモスは果てしなく続く海岸をイッポイッポ歩き出した。
少し歩くと十字架が立っていた。
十字架には自分の名前が刻まれていた。
「やっぱり僕は死んだのか」
コスモスは自分の首を思いっきり絞めてみた。
・・・・苦しい。死んではいないようだ。
コスモスはその場で立ちすくむと
自分の十字架を抜いて背中に背負った。
それはコスモスが十字架を背負って生きていく
決心をした瞬間でもあった。
コスモスの額には見えない十字架が刻まれた。
帰りたい コスモスは素直にそう感じた。
つづく

直立不動で立ちすくむコスモスの頭上では
翼のはえたゾウが天高く舞い上がっていた。
そのゾウは円を描くようにぐるぐると上空を駆け回り
なぜかライオンの様なドスの効いた雄叫びをあげていた。
「ぱっお〜ん。」
コスモスはゾウの鳴きマネをしてみた。
反応がない。どうやらゾウではないらしい。
「ゾーさん。こっち向いて」
ソー言うとゾウはその巨体を揺らしながらが
ゆっくり降りてきた。
どうやら脳みそは人間らしい。
ゾウは翼を折りたたみ着地すると急に喋りだした。
「お兄ちゃん助けてよー。あたし。アスカだよ」
コスモスは言葉を失った。
その声は紛れもなく妹のアスカの声だった。
「アタシ友達の家の温泉に行って
みんなで泳いでいたら急に地震みたいな揺れが
起きて気づいたらココにいたのよ」
「それでナンでゾウになってるんだ」
その質問はあまりにも意味を持たない質問だった。
「知るワケないッしょっ」
アスカが少しヒステリック気味に答えると
突然のつなみがふたりを襲い
コスモスとアスカは紫色の海に呑まれていった。
つづく
この小説の主人公
お断り
名前 朝霧コスモス 性別 不明 この小説はフィクションです。この小説に出てくる個人名、団体名、企業名などはすべて架空のモノです。同じような名前が実在したとしても一切関係ありません。
年齢 13才 職業 中学2年生
星座 水瓶座 血液型 不明
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