全体の調と部分の調
まずは上図をぱっと見てください
解説しやすいようにハ長調でコード進行を作ってみました
ハ長調の曲であるということは「音階に基づいた旋律」というのは基本的にハ長調の音階にある音
で構成されることになるのは今更復習する必要もないですね
さて、ではここで長音階と短音階で出てきたものを思い出してみます
ハ長調とイ短調(自然的短音階)を比較してください
どちらも#や♭が一つも登場しない同じ音を使った音階です
じゃあ、ハ長調の曲=イ短調の曲なのか?
というと違いますよね
ハ長調の曲が明るい感じがするのに対して、イ短調の曲は暗い感じがします
実はこれがポイントです
この国語のお勉強でいう「同音異義語」のような両者の関係は
同じようでいて、実は全く別のものなのです
長調と短調の違いは既に理解されていると思いますので続いて考え方に入っていきます
管理人お得意の例え話をしてみましょう
毎年シーズンになるとテレビやラジオ、新聞などのメディアで情報が流れない日がないスポーツといえばプロ野球ですね
ひいきの球団があるわけでもなく、野球が大好きというわけでもない管理人にとっては
どこの球団が優勝しても「同じ日本プロ野球じゃないか」と思ってしまいます
しかし、ひいきの球団がある人は「1試合1試合駆け引き、運、実力のドラマがある」と言います
さて、全体を見ると同じルールで戦う野球というまとまりですが
1試合1試合見ていくと、そこには同じルールで同じ野球なのに毎回違ったドラマがある
では、このドラマを作り出してるのは?
やっぱり同じ野球なんですよね
これを音楽に当てはめてみましょう
同じハ長調の曲でハ長調の音階に基づくというルールなのに
1小節、あるいは半小節、あるいはもっと細かい部分で雰囲気が違う
つまり、ドラマがある
では、そのドラマを作り出してるのは?
やっぱり同じハ長調の音階なんですよね
さて、このコンテンツで解説したいスケールがどういうものかだんだん読めてきましたね
では、先ほどの上図に戻ってみましょう
これは間違いなく「ハ長調」の曲です
このコード進行に従って、何か曲を作ってみてください
そして1小節目と6小節目を比べてください
確かに同じハ長調の音階だけで作られているのに
1小節目だけをみると、明るい感じなのに、6小節目は暗い感じがします
もう、わかりましたね?
1小節目はハ長調なのに対して、6小節目はイ短調になっているんです
でも全体ではやっぱりハ長調の曲なんです
これで、野球の例え話をした意図も、このコンテンツの目的も完璧につかめてきましたね
曲全体(転調する場合を除く)の調、すなわち音階は
細かい調、音階の集まりによって形成されるもの
というわけです
え?たったそれだけ?
ごめんなさい、たったそれだけです
たったそれだけのことなんですが、難しく考えていた人も多いのでは?
いちいち細かく分解してここは長音階、ここは短音階なんて言わなくても
音階に基づいて、和音にあわせてやれば嫌でもこのコンテンツで説明するスケールになります
というわけで、そんなことか・・・っという人はこれ以上読むと混乱しかねませんからやめましょう
よし!やってやる!!って人は次に進んでください