私は大事なことを忘れていた。
よく、このランキングの頁で、
「青いお目目の金髪野郎は今時流行らない」
などと書いていた…悪かったな。KID。君のことを忘れてたよ。
と言うのも、東京来てから、周りであまり君のことを好きだという人がいなかったからさ。
ミーやんの田舎では大変な人気である。KIDROCK。
エネミムよりもウケがよろしかったりする。
とにかく、金と女が大好きで、病気なんて、交通事故ぐらいしかしたことがなさそうな、そんなイメージがあるし、自分でも
「売れてよかったことは…金と、女さ」
と鼻の下を伸ばしていたようである。(←COKEYのレビューにて)

この人を始めてみたのは世紀末の1999年の秋のことだ。
白い毛皮にラッパー顔負けの装飾品をつけたKIDに、脅威を感じた。
まだまだ、オルタナ人間であったミーやんからしてみれば、
「久しぶりにメインストリームからでてきた”超新星”」
というあまりありがたくない印象を覚えたからだ。バックチェリーと並ぶような形で
名古屋のHMVではプッシュされていたが、メインストリーム系には胡散臭さを感じるように
洗脳されていた当時の私には、手が出なかった。
しかし、年に1度、海の向こうのアメリカではグラミー賞と言う大きなイベントがあって、(みんな知ってる。)そのイベントのためのCDが発売されている。(それもみんな知ってる)必ず買うことにしているけれども、1999年のそのCDの中にKIDの”バウィトダバ”が入っていたのだ。
その着眼点の新しさと言うか、なんでもあり〜の精神にかなりグッと来たのは事実だ。
その時思った。
B’zと言うバンドが日本にあるのは皆さん、当然のようにご存知だろう。
ミーやんの家にホームスティに来たアメリカ人たちが結局一番熱狂したのが彼らB’zだった。
「(アメリカには)あるようで無い音だよね。」
口をそろえてそう言っていたことを覚えている。
”バウィトダバ”には、そのB’z的な音が入っていたのが新鮮だった。パンクでもなく、ベビーロックでもなく、ラップでもなく、そこにあるのはまさに日本で言えばB’zであり、アメリカで言えばKIDROCKな音。どちらも、その国においてはかなり個性的な音である。
あるようで、無い音。
その上カッコイイとなれば売れないわけが無い。
(もちろん、稲葉がラップをKIDのように上手く出きるわけではないし、詩の内容に対してはこの二つのバンド、比べようが無い。全く違った世界を持っている。)
が、音に対してのアプローチと言うか、きっと、ファイバリットな音が似ているのだろうと考える。

今度のアルバムでもそのアプローチは変えていない。
非常に悪ぶった、COKEYな音は非常に出勤時の満員電車の中では手放せないだろうし、、
落ち込んだ時の起爆剤になるだろう。

しかし…結局、こんな成り上がり気味の音は田舎者の音になるんでしょうかね。
名古屋時代、イベント関係の仕事をしてて、音楽業界の人間とよく飲んだ経験があるのですが、やはり、都会と、田舎の人間の音の趣向の違いについて感じることが多々あったことが事実。
住んでる環境が違うのだから、それも仕方が無いか、とか思うんですけども。
都会の人が好きな音は病んでる。”癒されたい、”という願望が田舎の人間よりも大きいのだと思う。それに対して、田舎の人間の好きな音は挑発的な音が多い。この違いはどうしてもし方が無いことだろうと思うが、都会の人間の好む音のみがイイ音、となりやすいことにたいして、どうしても違和感は拭い切れないミーやんである。

KIDROCKは、健康である。仕事は順調だし、
パメラアンダーソンをGETして、私生活でもあまりにも上手くいっている。
性格もよくて、悪い噂を聞かない。
彼には、この精神的にも肉体的にも健康と言うイメージをずっと持ちつづけて欲しい。できれば、ZZTOPのようにジジイになってもカッコイイ現役で生きていって欲しい。
その上、どっか、垢抜けない田舎者の精神を忘れないで欲しい。
昨日、始めてこのCOKEYと言うアルバムを聴いて思ったことだが、
都会になじみすぎると、人は病んでしまうからだ。