SLIPKNOT。
ここに、今年、ここ日本ですら、大成功を収めたバンドがいる。
パフォーマンスや見た目の派手さ、わかりやすい音。で、今年の風雲児となったslipknot。

去年から、ADF、アタリなど、今まででは、メジャーとして出てくることなどなかったに違いない、マイノリティの音楽が注目されるようになって来た。ROCKの世界でも、いまや、金髪の青いお目目の人なんて珍しい。といってイイくらいだ。
ラウドロックの世界では東洋人系の顔を見かけることも珍しくなくなってきたし、金髪碧眼ってのは今や、ダサイ?のである。
今年は、さらにその流れが加速し、ストロークス、リンキンパークやインキュバス、システムオブアダウンなど、チャート上でも十分勝負できるバンドのなかにもマイノリティ出身、がのしあがってきている。彼らの作り出す音は、恐らくその背景もあるだろう、複雑で、おもしろく、まさに今年がこの10年の音楽の転換期になったに違いない。と思わせるに十分だ。
それに、今年の流れは、その人達のヴィジュアルイメージがかなり注目された年でもある。
珍しい物が受けるのだ。
それはそうだろう、マイヴィトリオールのソムなどは、写真だけでも十分に絵になるし、
システムオブアダウンなどはメンバーの名前を聞くだけでもかなり個性的?に思えるし、ストロークスの連中も、あえて、セピア色の写真を多く取らせている。

さて、SLIPKNOTである。彼ら、なぜ、あんなお面をかぶるのか?
私自身は、彼らの素顔を見たことがないのではっきりとは明言できないが、全員がIOWA出身である、ということから、典型的なアングロサクソン系のお顔立ちなごくごく普通の気のいい兄ちゃんタイプのメンバーも多いのではないか?
と思うのだ。素顔は、珍しくないし、その人生も本当に普通だったに違いない、と思われる。
先ほど申し上げた通り、金髪碧眼のふつうのアングロサクソンでは、もはや、ダサイ。のである。ボンジョビ氏のようなきれいなお顔立ちの方がどんなにrockしようと、今の時代、誰も振り向いてはくれないのだ。
・・・だから、お面をかぶるというアイデアを出したのは誰だか知らないが、非常に私としてはいいアイデアであったと思う。
ファースト、今回のIOWAを聞いて、思ったことだが、no.9コリー氏の作り出す音楽は非常に平凡な・・・TOOLなどと比べると型で押したようなお約束のもとで作っている。
だから、私などからいわせると、CDだけ聴いているだけでは、今の人気はちょっと理解できないところがある。
マリリン・マンソンの持っている芸術性もないし、なにより、恐らく彼ら自身、自らの怒りをどこに向けたらイイのか・・・
大体彼らにそんな怒りはあるのか?
コリー氏の作り出す音からは、豪快で荒荒しくはあるが、暗さや怒りは感じ取れないのだ。いまどき、彼らが生きているハードロックの世界でそれがないというのは致命傷である。
それをカバーしたのがあの、お面であろう。
彼らの人気に火をつけたのがライブでのパフォーマンスだった、という話は記憶に新しい。
ショーンやクリスの”煽り”部隊(爆)←by zipperさん。達やとにかく、コリー氏のライブパフォーマンスの強力さは今年のサマソニで私も体験したが、あのパワーの源は案外あのお面のような気がする。お面を取ると、気のいい、もしかしたらビートルズとかも聞くような兄ちゃん。というのが彼らの実態ではないだろうか?
そして、これはお面をかぶることでどうしても必要になってきたことだと思うが、”おそろいのつなぎ”を着る事で彼らはさらに成功したと思う。だって、あんなお面つけて、下は普通のTシャツGパンではあまりにもカッコ悪い。何度も言うとおり、あのお面の下の彼らは気のいい普通のアングロサクソンの兄ちゃん、である。案外恥ずかしがりやさんなのではないだろうか。
すごいお面をつけて、同じ格好をした大人数で勝負する。
まさに田舎のヤ〇キーの発想ではないか!!!
そう思う人は少ないだろうが、物凄い虚勢を張ってるような気がするのは私だけ?
でも、その虚勢のなんと素晴らしいことか!
私がこのバンドを愛してやまないのはその虚勢の見事さに感服してのことだ。
本当に共感を覚える。
サマソニの彼らのライブを体験した人間は今度の来日ライブの際はつなぎを着て、マスクをつけ
行きたいなぁ。と思ったに違いない。
そう、彼らのライブの中にある物凄い連帯感。それを味わいたい人は必ず、そういう行動を取るだろう。何を隠そう私もそうだ。
誰の中にでもある変身願望。マジメな日常をチョット外れてみたい。自分をチョット怖く見せてみたい。恐らくメンバー自身が持っていたであろう願望は、私達自身にも当てはまる。
SLIPKNOTの人気はそれがあまりにも簡単に味わえるところにある。このバンドの人気は恐らく、ライブを辞めない限り、長持ちするだろう。
そう、このバンドのすごさを味わってみたければCDを買うより、メンバーと同じような格好をしてライブに行った方が手っ取り早い。そんなバンドは、世界広しといえども、このslipknot、
だけである。