11月
GARLIC BOYS/ナルシスト宣言

スラッシュメタルとファンクのミクスチャーだそうで前半はスラッシュ・ナンバーが続く。
切り裂くようなギターサウンドに独特なボーカルが乗せられ、独特のアジを持たせている。
とにかくベースが上手いし、センスを感じた、そこをもう少し活かしてくれればなぁ。
個人的に縦ノリのスラッシュが続くと飽きてしまうし、一曲一曲の印象が薄れるので
好きではないので、もうちょっとグルーヴィさを前面に出して欲しいところ。
ベースが前に出てるところが聴き所で、6曲目で聴けるフレットレスベースはいいアクセントに
なっている。
後半はグルーヴィな感じでこちらのノリの方が好き。
8曲目は変態的なエフェク、ファンクのベースプレイが飛び出すヘヴィ曲で面白い。
続く9曲目はイントロがクラシックで途中に演歌が飛び出す変態っぷりが堪らない。
スラッシャー以外にも主張できるのが強みだと思う。
暴力的な部分と変態的な部分がウリ。

der zibet/GARDEN

物凄く上手いバンドだと思う、どのパートも素晴らしいし、音楽性も深い
それでいてISSAYの歌は歌謡曲のようにポップに聴かせ心に突き刺さってくる
時には優しく、そしてナイフのように攻撃的に、毒々しくも華やかに。
80年代の音源らしく当時のHR/HMのようにドラムにリバーブがかかっているのが印象的
HALのうねりながら曲に躍動し主張するベース、HIKARUのギターも幅広く聴かせる。
楽器隊が強力だからこそ歌が活きているという典型である。
当時のシーンにおいてどの位置付けにあったかはわからないが、ヴィジュアル系のような
華やかさをもっていて、ストレートであるようでストレートでは無いと言うか
ポップに聴きやすいようでいて、やたらと懐が深いしマニアックな要素があるように思う。
ロックの範疇にあるがカテゴリ付けが難しいバンドだと思う。
連れが言うには後のシーンに大きく影響を与えたバンドらしい。
既に解散したバンドであるがISSAYは現在ハムレット・マシーンで
HIKARUはPUGSで活動しているはずである。

der zibet/CARNIVAL

GARDENとは対照的な作品だと感じる。
GARDENは暗く重い雰囲気だったのに対し、こちらは開放的でフリーキーでポップである。
あっちが作りこまれた作品だとすれば、こちらは好き勝手やっている、と言った感じ。
はるかに聴きやすい作品でオススメできる。
ギターソロも暴れたいように暴れ自由に飛び交っているようなイメージ。
好き勝手やっているようでいて物凄く纏まっていて、さすがにその辺はきっちり押さえられている。
この作品にも参加しているが、キーボードとして参加しているDAIJIROHARADAは後にD.I.E.と
名乗りhideやGLAYのサポートキーボーディストとして活動することになる、あの男である。
ライナーノーツによるとドラムのMINORUは聖飢魔IIからも誘われていたとか・・・。
der zibet/思春期 I ・思春期 II

元々は別々に発売されていたアルバムである思春期と題された連作を2枚組みとして
発売したものらしい。
一作目はUPPER SIDEと二作目はDOWNER SIDEと銘打たれており作風が別れている。
思春期を回想し青臭さを前面に押し出しシンプルで荒々しく作られている一作目。
対照的にミッドテンポなナンバーで構成され違う視点で思春期を表現している
どちらも表現方法は違えど思春期の痛みを生々しく表現している
色々な思いが交錯し溢れ、しかしそれを受け止める器が不十分で軋む思春期を。
IIにはBUCK-TICKの櫻井敦司、今井寿がゲスト参加し華を添えている。
ISSAY、櫻井敦司のツインボーカルが聴けるが声がよく似ているため、普通に聴いたら
解らないような気がする。

SUGIZO/TRUTH?

リアルタイムで買った作品だったが当時あまり聴いていなかったので購入。
(当時は金が無くCDの出入りが激しかった)
当時、シングルでリリースされたLUCIFERをTVで演奏していて衝撃を受けた。
当時は色々なアーティストがドラムンベース的なドラムループや打ち込みを取り入れ
デジタルロック的な音が流行っていた。
ロック系の音楽雑誌にもドラムンベースやアンビエントミュージックという言葉が当たり前のように
躍っていたくらいであった。
SUGIZOがそんな次期の走りであったというか頭一つ抜きん出ていたように思う。
元々からテクノなどの音楽に精通していのもあり無理なくセンスよくその時代の先端にあった
アンビエントを取り入れていた。
彼の得意分野でありLUNASEAの個性のひとつであるヴァイオリンも勿論、登場する。
THE CAGEという曲ではLUNASEAの楽曲であるProvidenceのフレーズが飛び出すなんて遊びもある。
参加しているアーティストも豪華でうまくその個性を活かしている点にも注目して欲しい。
ミック・カーンの個性的なベースが印象的だ。
多種多様なジャンルの音楽がうまく映画のように詰まっていて心地がよい作品である。
MEAT LOAF/BUT OUT OF HELL II

ある雑誌で名盤として紹介されていて気になっていた作品。
邦題は「地獄のロック・ライダーII〜地獄への帰還〜」であったし、ジャケットの絵もそれっぽいので
てっきりHR/HM系のバンドだと思っていたが、その期待とは全然違う音楽である。
ロックオペラと言った作品で、どうやら所謂コンセプトアルバムであるらしい。
一曲目は12分近くの大曲である、ピアノが楽曲の主導権を握り荘厳にこのアルバムの世界への扉を開く。
ミートローフの歌もオペラ歌手そのものというわけではないが荘厳である。
ミートローフ本人はロックオペラの舞台俳優であり、独特の歌いまわしで見事に世界観を表現している。
まぁすばらしい作品なんだが、仰々し過ぎると言うかどうも好きになれないタイプの作品だなぁと思った。
う〜ん、クサ過ぎるというのか・・・。
THE WiLDHEARTS/DON'T BE HAPPY...JUST WORRY

ワイルドハーツの1stミニアルバムと言っていいのだろうか?
この頃から予想できない曲展開を見せパンキッシュでヘヴィなWH節は出来上がっていたようだ。
イギリスのシーンを裏切ってアメリカのシーンに逃げたアーティスト達を皮肉り、ツバを吐き
強烈に凶弾し、イギリス人としてのプライド、UKロックシーン失墜の悲しみを訴える曲である
「TURNING AMERICAN」は本当に強烈だ。
ワイルドハーツらしい突き抜けるようなPOPさも「NOTHING EVER CHANGES BUT THE SHOSES」
で発揮されている。
荒削りでまだまだ完成されていない感はあるがワイルドハーツの原点がここにある。
ヘヴィメタルのテイストがかなり感じられ、なんでBURRN!なんて雑誌に載るのかがよくわかった。
ジャケットのアートワークもヘヴィメタルバンドのものっぽいし。
しかし髪型もみんなウェーブかけた長髪だったとは・・・。
SILVER GINGER 5/Black Leater Mojo

ワイルドハーツが解散している間にVo&Gtであるジンジャーがソロとして起こしたプロジェクト。
作風は「これ、ジンジャー?」と耳を疑ってしまうほどポップである。
個人的な感想を言わせて貰えばつまらない作品だと感じた。
ソロにまでワイルドハーツを期待するのはおかしいことだとは思うが
ワイルドハーツのような攻撃性も刺激もないように感じた。
印象に残るようなメロディもリフも無い、薄口ロックといった感じがした。
ワイルドハーツを彷彿とするようなハードな曲もあることはあるがいまいち面白みは感じない。
Baを担当しているのはジョン・プール、現在ワイルドハーツでダニー・マコーマックの後任である。
このアルバムで聴く限りワイルドハーツに合うベーシストだとは思えない。
ダニーとは逆のタイプのベーシストって感じがした。
THE YO-YO's/UPPERS☆AND☆DOWNWERS

こちらはワイルドハーツ解散中にBaのダニー・マコーマックが結成したザ・ヨーヨーズである。
大して期待もせず買ったけど、無茶苦茶かっこいい。
ダニーらしいゴリゴリとした暴れるようなベースが本当に活きてる。
メンバー4人がそれぞれ自分の作った曲のリード・ボーカルを取るという形式なのだが
ワイルドでラフなロックンロール・ナンバーで、5〜60年代を思わせるノスタルジックなものがあったり楽しませてくれる。
誰が歌っても男らしい野太い声、ダニーも勿論歌ってるが
ワイルドハーツで「ANTHEM」で歌った経験が活きてるのか中々いい味が出ている。
これライヴ、無茶苦茶楽しいだろうなぁ。、
ジンジャーのSG5よりワイルドハーツっぽさを感じる、やっぱワイルドハーツにはダニーのベースだよな。
残念なのは当のダニー本人が極度のアルコール中毒にまたかかっていて、活動が望めそうに無い事である。
早く正気になって立ち直ってワイルドハーツに戻ってくるかヨーヨーズをまたやるかして欲しいものです。
なんにせよ、元気になって欲しいもんです。
MOTLEY CRUE/LAW TRACKS II

今更、改めて言う必要も無いですが、モトリークルー大好きです。
このロウトラックスというシリーズは来日記念盤のシリーズで2作目です。
今となっては1曲目のTEASERは他のCDでも聴けたりしますので貴重でもないです。
このアルバムでしか聴けないのはライヴバージョンの2曲。
アルバム「GIRLS GIRLS GIRLS」収録の「ALL IN THE NAME OFF・・・」と「GIRLS GIRLS GIRLS」の
ライヴバージョンが収録されています、無茶苦茶かっこいい。
トミー・リーのパワーある馬鹿デカイバスドラの音がたまらん、そこに乗ってくるやや後ノリのニッキーのベース
ザクザク刻まれるミックのギターリフ、今と違ってちゃんと声が出て歌えてるヴィンス。
全盛期は文句無しにかっこよかったというのが音だけでも十分伝わるだろう。
でも、ロウトラックスシリーズはややコレクター向けって感じがするし、単純に曲数少ないのでオススメしません。
あと、モトリーはやっぱこの4人じゃなきゃ駄目だよ。
ジョン・コラビが歌ってた時期や、今は亡きランディ・カスティロを否定するつもりではないけどね。
3 COLOURS  RED/PURE

元ワイルドハーツのダニー・マコーマックを兄に持つクリス・マコーマックのバンドのデビュー作。
ストレートで変化球無しの直球勝負、UKロックらしいメロディもあり聴きやすい。
惜しいのはまだまだ個性が足りないこと。
個人的には印象が薄い感じがしました。
先月紹介したINMEよりはかっこいいけどね。
セカンドも一緒に買ったけどまだ聴いてないや。
来月辺り紹介すると思います。

TOKYO YAMKEES/SANPLER CD

10月16日発売のニューアルバムに先駆けて配布されたサンプラー。
ニューアルバム収録曲から「Serial Killer」、「Bastard」の各約2分のダイジェスト版
そしてモーターヘッドのカヴァー「Ace Of  Spades」が収録。
暴力的でノイジーなロックンロールは健在、より強力になっている。
結成14年(だよね?)、やっている事は変わらないどころかより狂暴になっている。
カヴァーもモーターヘッドの原曲をよりアグッレシブに表現しているし、完璧に自分のモノにしている。
残念ながらこちらはこのサンプラーのみ収録になっておりますが、必聴です。
ニューアルバム、まだ買ってませんが期待できますよ。