september.2004


joan of arc_joan of arc, dick cheney, mark twain... / polyvinyl / cd
『the gap』以降、グッとくることのなかった彼らの作品ですが、新作はかなりのへヴィーローテ。何でもありのジャンクでコラージュな音作りと、ときにへろヘロにときにしっとりな歌心がいい塩梅に溶け合っています。


six parts seven_[everywhere] [and right now] / suicide squeeze / cd
オハイオ州クリーヴランドの7ピース・ポストロック・バンドの3rd、ジャケはアレですけど内容はかなり素晴らしいです。のどかな原風景がどこまでも広がっていくような清涼としてサウンドスケープが心地よし。


landing_sphere / k / lp
実は初聴きとなるlanding。サイケデリック、スペースロック、スロウコアをナチュラルに消化した奥行きある音が浮遊していて、これは!すんごく気持ちいい。自分の中のkのレーベル・イメージと随分とズレがあったみたいで。そういえば、yume bitsuもkだったっけ。


the earlies_these were the earlies / wea / cd
形容詞を並べるならドリーミーでサイケデリック、オーガニック。無重力に螺旋を描くグルーヴがすごく心地よくて、交歓されるメロディーをついついハモッてみたり。we love youやmelodicといった素敵なレーベルのコンピに提供した曲が大好きで、発売は随分と前だったけど、ようやくアルバムを入手。それらの曲はもちろん収録。USとの近似性を感じさせるUKのバンドって久しくいなかった気がする。


unwed sailor_the marionette and the music box / burnt toast vinyl / book+cd

peleやdianogahを素朴にした感じのインストで熱心なファンも多いポストロック・バンド、unwed sailorの新作は、ひとつの絵本のサウンドトラックという内容。静かにゆっくり進んでいく物語を音にのせた情景はやっぱり素朴ですが、かなり素敵。


zack hill&holy smokes_masculine drugs / suicide squeeze / book+cd

hellaのドラマーによるソロ・プロジェクトで、holy smokesにはpinbackのrob crowなどを迎えての作品。超絶ドラミングにギターやエレクトロニクス、そして歌まで飛び交って、何だか凄いことになってます。個人的にはhellaより断然聴きやすくて好きかも。zack自身によるイラスト入りの小説付き。


dosh_naoise ep / 12" / anticon

fogのドラマー、martin doshの2ndアルバムに向けての先行シングル。naoiseは彼の赤ちゃんの名前でジャケットは奥さんによるもの(たぶん)。そういった経緯からも分かるように、私生活で幸せを育んでいる彼の様子が表れた充実の内容で、愛にあふれたインスト・トラック。pedroやfour tetにも通じる、軽やかに刻まれるビートが気持ちいい。


tiki obmar_seasons / merck / cd

3曲のオリジナル+11曲のリミックスで構成されるtiki obmar。新曲は前作に比べポストロック色の濃いトラックで、mercury programあたりに限りなく近い印象。heliosやcepia、machine drum、proem、tim kochなどが新たな生命を吹き込んだリミックスは、それぞれに個性を出しつつも原曲に忠実なトラックが目立つ出来。


radian_juxtaposition / thrill jockey / lp

オーストリアの電子音楽シーンを代表するradianの新作は、前作と同じくsomaスタジオでjohn mcentireによる録音。音の響きのみに特化したスリリングな音像は微細な空気の揺れまでも聴こえてきそうな雰囲気で、ドラム、ベース、シンセ、ヴィブラフォン、ギター、そしてエレクトロニクスが終始緊迫した絡みを続けていく。 前作はいまいちピンとこなかったのだが、ドラマーのサイド・ユニット、trapist(素晴らしい!)を経て、聴いた今では印象がだいぶ違う。


omar a. rodriguez-lopez_a manual dexterity soundtrack volume1 / gsl / 2lp

ご存知mars voltaのギタリスト、omarの初ソロ作は、友人が製作した映画のサウンドトラック。彼の才能を遺憾なく発揮した怪音の連なりが尋常じゃなく、フリーキーでサイケデリック、プログレッシヴでダヴ。john fruscianteやcedric、故jeremyなどがゲスト参加。


redressers_to each according / free porcupine society / cd

xiu xiu周辺の ベイエリア・コミュニティのメンバーによるインスト・バンド。ダブル・ベースとドラムによるタイトなリズム感に、ヴァイオリンやチェロが絡むスタイルで、constellationのhanged upを思わせますが、もう少し軽快な感じ。


youthmovie soundtrack strategies_hurrah! another year, surely this one will be better than the last; the inexorable march of progress will lead us all to happiness / fierce panda / cd
ロンドンの4ピース・バンドのやたらと長いタイトルの4曲入りミニ・アルバム。尺の長い1曲のなかで展開がコロコロ変わる。変わる。mogwaiのような美しい静寂を奏でたかと思えば、突如変拍子を織り交ぜ、fugaziばりのポスト・コアに至っていたりして、ちょっと謎。それはどうなんだろうとか思ったりもしたのだけど、単純に熱くなれるのでこれはこれで良し。粗さが目立つものの、器の大きさは今後にも注目したい。


oxford collapse_some wilderness / kanine / cd
出尽くした感のあるポスト・パンク勢において、ブルックリンの新人oxford collapseはかなり新鮮。尖がったギターサウンドはシーンの美味しいところを凝縮したものとはいえ、曲のよさで1歩も2歩も抜きん出ています。ポスト・パンクというよりUSインディに近いライトなメロディーを書けるのが強み。今夏、UKのフェスでも好評だった模様。


faint_wet from birth / saddle creek / lp
すっかり人気者となったfaintの4thアルバム。ダークなニューウェイヴ・サウンドはさらにビルドアップされ、貫禄すら漂う仕上がり。前作と同様、やりすぎってくらいの突き抜け具合が逆に楽しめます。それにしてもヴォーカルはblurのdamonにそっくりだよなあ。


v.a_je l'ai fait pour toi / where are my / cd
カナダの優良なポストロック/スロウコア・レーベルの最新コンピ。epic45やbelow the sea、yellow6といったおなじみのバンドをはじめ、UK、US、カナダ、フランスから、今後大きく羽ばたくであろう無名のバンドまでを収録。