october.2004


q and not u_power / dischord / lp

ワシントンDCのトリオが放つ劇的な変化作の3rdアルバム。従来のポスト・ハードコア・スタイルにnew waveのエッセンスを巧みに取り入れていて、曲によってはファルセットまで披露しちゃってる。いろいろなジャンルのごった煮なんだけど、センスいいから上手くまとまってます。かっこええわ。


thalia zedek_trust not those in whom without some touch of madness / thrill jockey / lp

ベテラン女性SSW。スロウコアな雰囲気で音はけっこう切迫感があってヒリヒリ。


the delgados_universal audio / chemikal underground / cd

グラスゴーの裏番長の新作5th。1stを思わせる原点回帰のギターポップな作風で、前作までで培ったオーケストラルでサイケデリックなサウンドはほんのり漂う程度。2ndから4thへの流れが好きだった自分としては本作はあまりにも響いてこない...。


lateduster_easy pieces / merck / cd

現在はfog、dosh、hymie's basement、neotropicで活動しているメンバーが在籍していたミネアポリスのポストロック・バンドの音源をmerckが再発。ターンテーブルやサンプリングを使用しつつも、バンドのダイナミズムが前面に押し出ているスケールの大きいインスト中心で、ヒップホップ、エレクトロニカの流れをほんの少しだけ感じさせるけど、それこそdo make say thinkにも通じる感動的なトラックばかり。素晴らしい。


subtle_f.k.o. / lex / 12"

anticonクルーのdose one、 jelをメンバーに含む6人組のアヴァン・ポップ・バンドの新作に先駆けてのシングル。ナイトメアな雰囲気の奇妙に捩れた演奏にdoseのラップが自由気ままに踊るトラックで、彼の鼻にかかったチャイルディッシュな声と独特の歌いまわしに病みつき。b.fleischmannとconsoleのリミックスも面白い。


savath&savalas_manana / warp / mlp

精力的なペースで活動するscott herren、早くも新作ミニ。前作の延長上でオーガニックでオリエンタルな佇まい。evaの歌声とscottのサウンド・プロダクションの絡みはよりナチュラルで安心して聴ける内容。


I'm not a gun_our lives on wednesday / city center office / lp

sonarでの来日も控えている、john tejadaとtakeshi nishimotoによるポストロック・ユニットの2nd。エレクトロニクスに頼りすぎているのか、洗練され過ぎているのか、どうにも生の躍動感が決定的に欠如しているように感じられてしまった。さらっと聴き流せていいんですけどね。


fly pan am_n'ecoutez pas / constellation / lp

のっけからノーウェイヴでシューゲイザーな歪んだギターサウンドが流れてきて不覚にも笑ってしまった。とち狂ったヴォーカルの囁きといい、ジャケットのアートワークと同様、随分と以前の印象と変わってきたサウンドスケープだけど、この路線はかなり好き。


prop_cook out damage destroy / silent / cd

シドニーの5ピース・ポストロック・バンドが2001年にリリースしたデビュー作のリミックス盤。知っている参加リミキサーはstereolabやmice parade、burnt friedman、oren ambarchiくらいで、他はオーストラリアのアーティストによるもの。ポストロックとエレクトロニカが絶妙に溶け合ったトラック満載で素晴らしい。オリジナルもぜひ聴いてみたい。


dreamend_as it by ghosts... / graveface / cd

monster movie(ex.slowdive)とのスプリットを以前にリリースしていた、 詳細は不明ながら有望な新人のデビュー作。暗さの中に凛として力強く響く歌声が枯れ気味の轟音と相まって、とても切ない。粗さはあるものの、今後にも期待。


v.a_misplaced pets / misplaced music / cd
リーズの良質レーベルによるベネフィット・コンピ。hood、pedro、remote viewer、sufjan stevensなどが曲を提供していて、全体的にしっとりと枯れた歌モノが中心。