友達と夜ブラブラすると書いたが、全く目的地がないというわけではない。その頃私達のクラスで絶大な人気を集めていた人気スポットに行くのだった。その人気スポットとは・・・
 銭湯である。多種類の風呂があり、体を気持ちよく洗い流し、水風呂などで拷問をし、風呂を出たあとはコーヒー牛乳を一気飲みするというあれである。なにかの打ち上げで一度行ったところ、みんな銭湯に酔いしれてしまいそれ以来通いつめているのだ。
 メンバーも毎回決まっていた。生徒会長の藤森君、高橋君の前の席の白石君、いじられキャラの柴田君である。このメンバーで毎回銭湯めぐりをしていた。だが、何度もめぐっている間にだんだん行く銭湯も定着され、結局最後は「さくらゆ」という所に毎回通うようになった。
  さて、風呂場に着くとやることがある。柴田君をいじめる、という行為である。中立的で平和を求める私は藤森君や白石君の行動を見て楽しんでいるだけだったが、彼のやられっぷりは並大抵のものではなかった。どんな感じかというと、ドリフの「威勢のいい風呂屋」というコントを見れば「あぁ〜、こんなやつか」とわかっていただけると思う。書いて説明することは不可能である。
 さて多少脱線したが、なぜ銭湯に行っただけで私の進路が大きく変わっていったのか。それは一人の先輩に会ったからである。
 彼とは同じ中学校で、一つ上のメガネ君だった。また、彼の家には風呂がなく、毎日銭湯に通っているのである。性格はどうかというと、どんな人にも喧嘩を売られそうな感じである。たまったもんじゃない。そんな彼なので当然私達も彼に対してはタメ口であった。
「おー、またお前いんのかー」
「うっせぇな!いいだろ、別に」
「お前ホント腹でてんなぁ」
「ほっといてよ!」
この会話を聞く限りではどっちが先輩かわからない。念の為言っておくが、いじられてるのが先輩である。そんな人だが一応先輩なので、受験のしくみなど、かなり詳しい所まで聞くことができた。いじめられてても先輩は先輩である。さて、こんな彼がどのようにして私の進路に関わってきたのか?それは高校の部活動の話で盛り上がっていたときに明らかとなる。
                                      6へ続く

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