夏季講習は色々な意味で終わった。なぜ高い金を払ってまで意味不明の授業を受けなければならなかったのか?という疑問で頭がいっぱいだった。また、私はあまりやる気のなかった阿世知君を講習に誘ったのだ。彼にはこれ以降頭が上がらなかった。
さて、話は多少前後するが、私と阿世知君は夏休みに入ってすぐ「Vもぎ」という模擬試験を受けていた。受けた方はわかると思うが、高校の名前を三つ書き、試験の結果でA・B・C・D・E・F(当然Aが一番よい)の評価がもらえるのだ。(都立高の模擬試験の場合)
ちょうど夏季講習が終わった頃、第一回のVもぎの結果が返ってきた。私が書いた高校は、第一志望のJ高校、阿世知君が受けるR高校、最後は忘れた。
そして恐る恐る封筒の中身に手をつっこんだ・・・
J高校 「A」
「よおおおおおおし!!!」
とりあえず喜ばしいことである。ちなみにR高校はDランクであった。阿世知君はR高校Aランクである。 彼の凄さを改めて認識した。
さて、志望校Aランクとなると、安心すると同時にもう十分じゃん、と油断の気持ちが表れるので注意するように、と先生から聞いたことがある。私はまさにそれであった。Aランクが出てからの夏休み、私はとりあえず宿題を終わらせ、それはもう遊びまくっていた。
そして早くも二学期。金八先生を見てもわかるように、受験生にとってこの二学期というのは非常に重要なのである。だが私は夏休みのくせがまだ残っており、友達と夜フラフラすることが多くなっていた。だが、この受験生にあるまじき行動が私の進路を大きく左右させることとなる。
5へ続く
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