時星の記憶 −少女のうた−
彼方に光る星
名もなき花々
数多の夢がまた
消えて行った
留まることもなく
朽ちてゆく命
届かぬ窓の外
何も残せず
水のせせらぎさえ
今は聞こえず
髪をなでる風は
古い硝子の色
止まりかけた針と
壊れた歯車
終わりかけの時と
同じ姿で
冷たい温もりを
今も忘れず
全てのはじまりを
君に託しあの願いのもとへ
心開いて
この歌を紡ぎ出す
砕け落ちた小さな手は
空高く響いて
彼方に光る星
名もなき花々
風と水の車
回り 続く