17日のドラフト会議で日本ハムから1巡目指名を受けた東北高・ダルビッシュ有投手(18)が18日、仙台市内の同校で高田繁GM(59)らから指名あいさつを受けた。同GMは「完成された投手だし、体さえできれば開幕一軍もある」と明言。投球回を限定したストッパーとして、実戦育成する方針を示した。この日は入団意思を示さなかったダルビッシュだが、両親と協議した後、週明けにも日本ハム入団が決まる。〔写真:ヒルマン監督、新庄の顔写真と並んだ東北高・ダルビッシュ。あいさつに訪れた高田GM(左)は開幕一軍ストッパー構想を明かした=撮影・財満朝則〕
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日本ハムが最高のもてなしで、ダルビッシュを迎え入れる。実戦育成。ズバリ、開幕一軍ストッパー構想だ。
「ウチの投手陣を考えれば、開幕一軍のチャンスはある。球速に加え、変化球もある。大舞台での経験も積んでいる。タイプ的には先発型だけど、1年目から長いイニングを投げられるかどうか。他の使い方(中継ぎや抑え)もあるだろう」
高田GMが、目を輝かせてダルビッシュへの高い期待を口にした。昨年の2巡目指名・須永(埼玉・浦和学院高出)を含め、高卒ルーキーは1、2年、ファームでじっくり育成させる方針を貫いてきた日本ハム。だが、ダルビッシュは違う。イニング限定で、守護神・横山とのダブルストッパー構想をぶちあげた。
ドラフト会議翌日のこの日、ただちに指名あいさつに出向いたのも誠意の表れだ。高田GM、山田ディレクター、今成担当スカウトの3人が仙台に出向き、ダルビッシュ本人、学校関係者と約30分間、会談。高田GMとダルビッシュがガッチリ握手を交わすなど、終始和やかなムード。高田GMが「早く一軍で投げてほしい」と問いかけ、ダルビッシュが「ハイ」と答える場面もあった。
ただ、ダルビッシュは入団の意思表明は先送りした。「(契約は)両親とも話してないし、まだわかりません」。これに対して、球団側では週明けの22日にも、山田ディレクターらが大阪府内の実家を訪ね、両親と協議することになった。
この際、条件提示も行われるが、高卒ルーキーでは球団史上最高となる上限の契約金1億円プラス出来高5000万円、年俸1500万円を提示する予定だ。「評価も最大限なら、金額も当然そうなる」と高田GM。過去の松坂(西武)、寺原(ダイエー)らと同様に、高卒1年目から出来高を設定したのは、ルーキーイヤーからの活躍を期待しているからに他ならない。
「チームのことをいろいろ話してくれた。感触はいいです。1日も早く結論を出したい」
あとは自ら決断するだけ。ダルビッシュが炎のストッパーとなって、新庄と並ぶ『札幌の顔』となる。
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★東北高・若生前監督がストッパー構想に大賛成
東北高の若生前監督(現野球部顧問)も、「抑えで使ったら、1年間投げられるだろう」とストッパー構想に大賛成した。「あいつはとにかく野球が好き。常に投げたいと思っているし、あの球を見せられたら、使いたくなるでしょう」と1年目からのフル回転に太鼓判を押していた。
★注目の背番号は『11』か『18』
ダルビッシュの注目の背番号は、『11』か『18』が有力となった。18番は移籍志願している岩本がつけているため、移籍が実現した場合の条件付き。三沢チーム統括本部長は「空いている番号から選んでもらうことになる。11番はスラリとした体形にも合うし、川上(中日)もつけているし、いいかな」と話した。『11』となって1番の新庄と並べば、1・1・1の大フィーバー。北海道のファンも、もろ手を挙げて喜ぶかも。
松坂以来の高卒スーパールーキーだ−。17日のドラフト会議で日本ハムに1巡目指名されたダルビッシュ有投手(18=東北)が一夜明けた18日、仙台市内の東北高で高田繁GM(59)から指名あいさつを受けた。高田GMは本人を前に「開幕1軍」への太鼓判を押した。背番号も「11」を用意しているという。球団関係者によると契約金も1億円プラス出来高5000万円という高卒ルーキーでは破格の提示が行われるもよう。未来のエースに最大限の誠意を表した。
ダルビッシュを高卒ルーキーとして見ていなかった。投手力に不安のあるチーム状況だけに最大の誠意を示した。高田GMは異例の「開幕1軍」についても明言した。「故障の心配さえなければ、開幕1軍もあります。150キロの直球と多彩な変化球がある。誰だって1軍で通用すると思ってますよ」と太鼓判を押した。高田GMの要望にダルビッシュもためらいながら「はい」と応えた。
これまで日本ハムは育成のため高卒ルーキーは2軍からという伝統があった。昨年のドラフトで注目された須永も貴重な左腕でありながら2軍で鍛えた。しかし、ダルビッシュについては伝統も覆りそうだ。
日本ハムファンならずとも鮮烈に覚えているだろう。いまや日本のエースとなった西武松坂は横浜高を卒業した99年4月7日、開幕5日目の日本ハム戦でプロ初先発、初勝利を飾った。開幕日は、同戦登板のため1軍登録されていなかったが、実質の“開幕1軍”とも言える。ダルビッシュの開幕1軍が実現すれば、この松坂以来のスーパー高卒ルーキーの誕生となる。
来年1月の新人合同自主トレの状況などを見て、ヒルマン監督と相談をしながら2月の1軍キャンプ参加などが検討される。三沢チーム統轄本部長は2軍スタートした場合でも途中から1軍に合流できるよう弾力的な制度を設けることを検討。三沢統轄本部長は背番号「11」など複数の背番号を用意し、本人の希望も聞き入れることも明らかにした。
金銭面でも誠意を見せる。会談の席で具体的な条件提示はなかった。ただし、高田GMは「提示額は最大限の金額」と話した。また、球団関係者によると契約金1億円にプラスして出来高5000万円、年俸1500万円という高卒ルーキーでは異例の提示を用意しているという。来週にも大阪の両親にあいさつし、その場で契約の条件を提示する。
日本ハム側の熱意はダルビッシュにも伝わったようだ。前日の会見ではポーカーフェースを貫いたが、この日の会見では表情が崩れた。入団についてはこの日も明言は避けたが、巨人の黄金期を支えたV9戦士の高田GMはすぐさま切り返す。「ユニホームを着て、札幌ドームで投げる姿しか見えないなぁ、ガハハ」。「入ってくれると確信してますよ、ガハハハハ」。次々と高田GMが投げる「直球」に表情が緩んだ。
明るく攻める高田GMの「ガハハ外交」が続く。施設面や日本ハムの雰囲気、即戦力としての期待をぶつけた。前日の会見で「(決断時期は)分からない」とダルビッシュは冷静に話していたが、和やかなムードで一転した。「住めるところであればどこでもいいです。(入団するかどうかは)できれば早く決めたい」と話は前進、大きな期待を受け止めていた。【上野耕太郎】
[2004/11/19/08:50 紙面から]
写真=ドラフトから一夜明け、日本ハム高田GM(左)の訪問を受けたダルビッシュは、ヒルマン監督、新庄の写真を前に笑顔を見せる
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