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当時のあなたにとって、ワシントンD.C.のハードコア(特にディスコード周辺)、あるいはチャペル・ヒル周辺のインディー・ミュージックはどのような存在だったでしょうか? Tim:インディペンデントでレコードをリリースしていくための理想的な基準を作ったと思う。サドル・クリークは、彼らの先例に大きな恩恵を受けているよ。今度は僕らが、現在の若いバンドやレーベルに対して、その水準を維持していくという点で何らかの手助けになってくれていれば嬉しいね。 『THE DIFFERENCE BETWEEN HOUSES AND HOMES』には、あなたが書き下ろしたショート・ストーリーがつけられるそうですね。これはどのように思いついたアイディアなのでしょう? Tim:僕たちは今作のリリースに際して、何かユニークなものを加えたかったんだ。ただのB面コンピみたいな印象は避けたかった。みなしごたちのお話は、古い楽曲の再発作品に新しくて特別なものをもたらしていると思う。 さらに、そのお話に、吉野有里子さんのイラストが添えられてブックレットの形になるそうですね。彼女を起用することにした理由は? Tim:まず単純に、彼女の才能が並外れて素晴らしいから。次に『マイ・フェイバリット・ソングライターズ』(※ティムをはじめ、ケイヴ・インのスティーヴン・ブロッズキーやスパルタのジム・ワード、日本からはイースタンユースの吉野寿とM.A.G.O.のユニットなど豪華なメンツが顔を揃えたオムニバス・アルバム)のジャケットに使われた彼女の作品にインスパイアされたから。今作のアートワークでは、たくさんのかわいい子供たちが出てきて、遊んだり、音楽を聴いたりしているけど、こんなかわいい子供たちを(話の中で)雪嵐の中に投げ込んでしまったなんて……自分でもヒドいと思うよ。 この7インチ・コレクションと同時に、日本では『ドメスティカ』が初発売となります。再結成後初のアルバムであり、高い評価を得ましたが、同時にあなた個人の経験が赤裸々に刻み付けられた作品でもあります。現在のあなたにとってこの作品はどのような意味を持っていると思いますか? Tim:振り返ってみると、僕が書くのをやめられなかったアルバム、だね。これまでに関わった人間関係すべてを過剰に分析したがる絶え間ない欲求から、もうそろそろ自分を切り離さないといけないなって思ってる。すぐにでもやめないと、隠すものがなくなってしまうし、こんなイヤな男とは誰も付き合いたいと思わないでしょ、ははは。でも、世の中にはこんな男が好きな女性もいるんじゃない? ところで、ザ・グッド・ライフの方の活動はどんな感じでしょうか? そちらの新作はいつ頃には聴けるでしょう。どんな作品になりそうですか? Tim:ザ・グッド・ライフのメンバーはクビにして、カーシヴのメンバーに一緒にやろうと声をかけたんだ。バンド名は、ザ・グッド・ライフからカーシヴに変えることにした。新しいアルバムはカーシヴみたいな音になると思うよ。絶対カッコいい作品になるよ! ブライト・アイズ最新作のブレイクについて感想を聞かせてください。 Tim:ブライト・アイズ? あいつの兄貴と一緒に学校に行ったんだっけな? いや、知らないな。誰のこと? それって良いの? ハハ。 11月のカーシヴ再来日を心から楽しみにしています。基本的には活動休止中ということで、イレギュラーなツアーとなるわけですが、どんな内容のライヴにしたいと思っていますか? Tim:きっと僕らのライブで最高のものになると思う。でも、これは、毎回ライブが始まる前は思っていることだけど。実際にライブが半分くらいまで来ると、だいたい「比較的良い」か「平均以上」に落ち着いてしまうんだよね。(日本では)新しい曲もたくさんやる予定だから、楽しいと思うよ。 前回のグッドライフでの来日と一転して、数カ所を廻ることになりそうですが、日本に来た時にやりたいと考えていることを教えてください。 Tim:マットを酔っ払わせてカラオケを歌わせたい。2年前に日本に行った時には彼は歌ったんだけど、すごく良かったんだよ。それからまた髪を切りたいね。日本で髪を切ることは僕の儀式になっているんだ。あと、モスバーガーと100円ショップに行きたいかな、まぁ、それは冗談。でもパチンコはやってみたいね、これは冗談ではなく。
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