ワーシップリーダーとは・・・

  四、賛美の選曲について

 礼拝などの集会において賛美をする際、その選曲というのは極め

て重要なものです。賛美の選曲はその集会において、会衆の心が

向く方向を左右します。礼拝であれば、牧師先生が語られる説教の

箇所から、メッセージのテーマが決まっており、そのテーマにそって

礼拝のプログラムを組んでいくことで、全体の流れがスムーズにな

ります。テーマにそった配慮ある選曲により、会衆もよりメッセージに

心を備えることができます。ここでは私の教会の礼拝における賛美

の時間(メッセージ前の約15分間)に私がそのリードする際、私がと

っている選曲の段取りをお分かちしたいと思います。あくまで参考程

度としてご覧いただければと思います。

 何よりもまず祈ります。自分のなす選曲に主が完全に働いてくださ

るように、礼拝が主の臨在溢れるものになるように祈ります。そして

最初に与えられている時間から曲数を決めます。私達の教会では

通常メッセージ直前の約十五分ほどのまとまった時間を賛美の時間

としていただくので、三〜四曲が目安となります。

 そして、そのワーシップタイムのメインとなる曲を決めます。メインと

は、その賛美の時間の最後に歌う、メッセージへのつなぎとなる賛

美を指し、その日の礼拝の中心テーマを含むものです。メインの曲

を選ぶときは、礼拝プログラムにある全てのみことば、すべての賛

美、すべての交読文、すべての聖書箇所に目を通し、メッセージ箇

所や題、応答賛美、献金賛美などの箇所を大いに参考にしながら

て、メッセージのテーマに沿いながら選曲します。霊的に盛り上がる

曲を選びましょう。

 次に礼拝のテーマに合う曲を数曲ピックアップします。とは言って

も、必ずしも採用する曲ではありません。礼拝テーマに合う曲を考え

ていくことで、さらに礼拝のイメージやワーシップタイムのイメージと

流れを深く考えることができます。そして最初の導入として何を賛美

するのかを決めます。そのときによって、元気な曲で始めたり、静か

な曲で始めたりと導入の方法は様々です。そして曲の持つ性格(静

か、元気など)のバランスを考えながら、あとの曲を考えてメインの

曲につなげます。

 選曲をする際に私がいつも気にするのが、その賛美の時間全体の

流れです。曲と曲の間のつなぎをどうするかといったこと考え、でき

れば同じコードの曲を並べたりします。チームにピアノの方がいれ

ば、だいたいどういう形でつなぐかを考えながら、練習のときに一緒

に考えたりすることもあります。とにかく曲と曲の間に霊的な感動を

静めてしまうような、無駄な間がないようにします。そのためにつな

ぎを考えながら選曲するということも、会衆の礼拝賛美を支える大き

なポイントとなるでしょう。

 また会衆が歌い慣れていない曲はリードが難しいということも認識

しておく必要があります。どんなにいい賛美であっても会衆が主を見

上げて賛美することができなければ、会衆の主への礼拝と賛美を妨

げてしまうことにもなってしまいます。例えば4曲の中に新しい曲を

いれるとすれば、せいぜい1曲程度です。ただし、「新しい歌を主に

向かって歌え。」と詩篇で言われているように、新しい歌をもって主を

賛美することには喜びがあり、感動があります。その曲を入れたこと

で会衆が主を見上げることができる、と主にある確信をいただいた

時は、その賛美を確信をもって堂々と賛美してください。

 

  ・曲の持つ性格について

 曲にはそれぞれ性格があります。いろいろなタイプの賛美の曲が

あります。選曲をするときには、それらを正確に判断することが必要

になってきます。例えば私の場合、礼拝での賛美の時間の最初に来

る曲のタイプはある程度決まっています。「目をあけて」(リビングプ

レイズ 番)、「愛するわが主」(リビングプレイズ 番)、「あなたをた

たえ」(ミクタム・赤 一五九番)など、心を沈めて主に思いを寄せる

ための曲、「とこしえの道」(ミクタム・赤 一一〇番)、「私たちのこの

口は」(リラ ソングブック 一番)、「聖い御霊よ」(ミクタム・赤 一二

一番)など、心の聖めを求める曲がそうです。そして次の曲として歌

う可能性があるのは「あなただけがわれらの神」(ミクタム・赤 一一

二番)、「われらの主に向かって」(ミクタム・赤 八一番)などのテン

ポのいい曲や、イエス・キリストこそ救い主である、ということを告白

するような曲です。メインになるような曲はメッセージのテーマにもよ

りますが、例えば「威光 尊厳 栄誉」(ミクタム・赤 一二八番)、「水

が海を覆うように」(小牧者ワーシップ&プレイズV )、「主は今生

きておられる」(プレイズワールド 四九番)などの音楽的にも盛り上

がりのいい曲です。そのときの礼拝によって構成はいろいろ変りま

すが、その曲が持つ性格を知った上で、礼拝の中でどういう役割を

果たしうる曲なのかを考えて選曲するようにしましょう。

 そして性格の違いを大きく二つに分けるとすれば、聖歌や賛美歌タ

イプのトラディッショナルな賛美とワーシップソングのような比較的コ

ンテンポラリーな曲です。これらをうまく使い分けることで、ワーシッ

プの恵みはさらに大きなものとなるでしょう。というのは、その背後に

「年代層」という課題があるからです。若い年代層の人たちは比較的

コンテンポラリーでポップな感じの曲を好みます。しかし、年輩の方

や伝統的な教団の出身の方などはそれらに抵抗を感じ、聖歌や賛

美歌のようなトラディッショナルな賛美を求めがちです。私達の教会

は単立ということもあり、いろんな方がおられますが、礼拝の時には

その全ての礼拝者が一人残らず恵みを受けられるようにワーシップ

を導かなければならないのです。若い人と年輩の方の需要を同時に

満たすこと、それらは非常に難しいことであることを覚えます。時に

は他の人に相談するなどをしながら選曲することも良いでしょう。し

かし、必要以上の思い煩いは、時に選曲の基準を崩してしまうとい

う、逆の結果をもたらしてしまうこともあります。わたしたちと共におら

れるのは、他でもない神様です。神様には不可能がなく、また全て

の礼拝者が恵みを受けることを強く求めておられる方です。私達は

主に与えられた知恵をもって、配慮ある選曲をなし、あとは全て神様

におゆだねしましょう。

 

一、ワーシップリーダーの役割

二、ワーシップリーダーの心得

三、ワーシップリードの仕方

四、賛美の選曲について

五、本当のワーシップリーダー

 

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