2004年8月19・20日旅行記 鉄道最高地点を目指せ
 
 
(4) 鉄道日本最高地点を目指せ(後編)。
 
 
 
自転車に乗って早速走り出します。風が冷たい!! …ひんやりします。さすがに標高1300メートル以上の高原ともなると、下界とはまるで風が違うのです…。
 
まず初めに向かったのは、[国立天文台野辺山]。先ほど列車の中からも見えた、大きなパラボラアンテナのあったところです。
 
駅から離れ、どんどん道を走っていきます。辺りには人家なんて無く、ひたすら畑や緑の平野が続いています。道を通る人もあまり見かけません。たまに観光客らしき人とはすれ違うのですが…。車もあまり走っていません。ちなみに自転車で走り回っているのは僕ひとり(笑)
 
でも、知らない場所を独り自転車で走るのって、なんだかとてもワクワクしてしまいます。高原の爽やかな風を感じつつ、全速力で自転車を漕いでいるうちに、自然と顔がにやけてしまうのが分かります…。
 
自転車で走ること約15分。パラボラアンテナが見えて来ました。そして「国立天文台入り口」の看板に従って走っていくと、[国立天文台]の手前に[南牧村農村文化情報交流館−ベジタボールウィズ](長い…)なる施設を発見したので、まずはこっちに寄ってみることに。
 

[南牧村(中略)ベジタボールウィズ]。
プラネタリウムとかあります。

[ベジタボールウィズ]展望台よりの眺め。
野辺山の地が一望できます。
 
まだ結構新しい施設らしく、中はなかなか綺麗…。でもお客さんはほとんどいません(笑) この施設内にはプラネタリウムがあり、野辺山の地で見られる星空の上映を行っています。せっかくなので観てみます。綺麗な音楽と美しい星空…気持ちが良くて寝そうでした(笑) ただ、たまにヘンなズームを多用していて、それは観ててちょっと気持ち悪かったかも…。
 
また、この施設は屋上が展望台になっていて、そこから眺める景色はかなりの絶景!! 今は夏で緑中心の風景でしたけど、季節が変わればまた違った表情を見せてくれることなのでしょう。
 
 
さて、次は[国立天文台]へ。ここからすぐ隣です。自転車で乗り込もうとすると…入り口で止められてしまいました。どうやら施設敷地内は乗り物は禁止の様で…。
 
仕方なく歩いて入っていきます。この[国立天文台]。大小様々なアンテナがずらりと並び、そして一番奥には直径45メートルという超巨大パラボラアンテナが構えています。
 
なかなかに迫力で、見応えがあります…。但しこの[国立天文台]、見学は敷地内を歩いてまわるのみで、観測施設内に立ち入ったりとかは出来ません。ちょっと物足りない…かな。
 

[国立天文台]敷地内。
アンテナがずらりと並びます。

こちらが超巨大パラボラアンテナ。
直径は45メートル…!!
 
[国立天文台]の見学を終え、さあ次はいよいよ本日のメインイベント!! そして今回の旅自体の目的とも言える、[鉄道最高地点]へ!!
 
再び自転車を漕ぎ、今来た道を途中まで戻ります。そしてまた別の道へ入り、線路沿いにずっと走っていきます。道は平坦な様でいて、実はなだらかな上り坂。これが結構キツい…。まあ、一番高い場所へと向かっているワケですから、上り坂になっているのは当然と言えば当然なんですが…。
 

自転車から眺める風景。
青い空と緑の大地が美しい…

線路沿いの道端には可憐な花々も…
心癒される景色。
 
でも周りの綺麗な景色を眺め、高原の気持ちいい風と美味しい空気を全身で味わい、頑張って走ります。そして走ること15分ほど。ついに、ついに[鉄道日本最高地点]に到着!! 時計を見ると、時間は12時半を回ったくらいでした。
 
ここは有名なスポットなのか、結構たくさんの観光客がいます。そして皆ひたすらに記念写真を撮っている様子…。[鉄道日本最高地点]を表す記念碑は、線路をはさんで二つ建っています。一つは木製、もう一つは石で出来た立派な碑…。
 
また近くには[八ヶ岳グレイスホテル]があり、ここの看板にも「日本鉄道最高地点」の文字…。更にこの近辺にあるレストランが、その名も「最高地点」(笑) どうやらよっぽど「最高地点」であることを強調したい様で…。
 
[枕崎][西大山]や[稚内]に較べるとここは、ずいぶんと観光地化されている模様。[西大山]なんて地元の高校生以外は誰も列車から降りなかったし、[枕崎]なんて「最南端終着駅」の碑の前で写真なんか撮ってるのは僕だけだったのになぁ(笑)
 
まあ何だかんだ言いつつも僕も写真タイム(笑) そして他に観光客が多いと言うことは、利点が一つだけあって…つまり、写真を撮ってもらうのを頼みやすい、と言うコト。
 

「JR鉄道最高地点」の碑。
木製の碑。

線路を挟んで逆側には石造りの碑。
こちらには「幸せの鐘」が付いてます。
 

最高地点にある踏み切り。
当然、日本で一番高所にある踏み切り。

[八ヶ岳グレイスホテル]の看板。
ここにも「日本鉄道最高地点」
 
とにかく写真を撮りまくります。碑を、踏み切りを、そして線路を…。石製の立派な碑には、「幸せの鐘」なるものが付いていて、観光客皆登って鳴らしていきます。もちろん僕も(笑)
 
少し小腹が空いたので、レストラン「最高地点」の売店でソフトクリームを買って食べます。普通のプレーンなバニラソフトですが、とても美味しい。最高地点で食べるとやはり最高です。
 
そしてしばらく過ごしていると、踏み切りが鳴り、列車がこの地点を通過していきました。最高地点を通過する列車…誰もが見送ります…。
 

最高地点の線路に立つ僕。
危ないから良い子はマネしない様に(笑)

最高地点を通過する列車。
この後ろに碑が建ってるのですよ…いやホント。
 
結局何だかんだで一時間位ここで過ごしてしまったでしょうか。散々写真も撮ったし(笑)もう思い残すことはありません。今来た道を再び自転車で戻っていきます。
 
来るときは上り坂でキツかったのですが、帰りは楽ラク。スイスイと走っていきます。足を動かさなくとも勝手にすべっていく自転車。とても気持ちがイイ。
 
 
途中、[志奈野]というレストランに立ち寄り、昼食。名物の石焼薫タンラーメンとか言うのを頼みます。石焼鍋のラーメンと言うのが何とも変わっています。具が牛のタンだったのが僕には辛かったですが…(僕は肉が苦手なので>だったら頼むな) そして昼からビール。生を大ジョッキで飲んでしまいました。
 
 
再び自転車に乗って走り出します。次に向かうのは[野辺山SLランド]。子供向けの遊園地なのですが、何でも本物のSLが走っているらしく、それを見に行きます。自転車で走ること10分ほど。辿り着いた[SLランド]は確かに子供向け以外の何者でもない小さな遊園地でした。…いるのはチビッ子を連れた親子連ればかり。ええ、独りでいるイイ大人なんて僕だけです
 
 
…でも結局、SL、見るだけじゃ飽き足らずに乗っちゃいました(笑) まあビールが程よくまわってたのもあって、羞恥心も吹っ飛んでしまってたので…。
 

[野辺山SLランド]のSL。
チビッ子たち人気の的。

一方こちらは[歴史民俗資料館]敷地内のSL。
大きくて立派です。、
 
そして駅へと戻ります。駅前の観光案内所へ自転車を返し、そして歩いてすぐの場所、[南牧村歴史民俗資料館]へ。やはり博物館・美術館好きとしては、こういうスポットははずせません。
 
ちなみにこの資料館の敷地は公園の様になっていて、なぜかここにもSLが展示されてます。SL好きな土地柄なのか野辺山…。
 
この資料館、郷土の歴史や自然を展示してあると言う、まあ地方にありがちな博物館なのですが…でもこの時は特別展示で「高橋幸子 こころの木版画展」というのをやっていました。可愛らしい版画が、見ていると童心に帰る様で…なかなかに良かったです。
 
見学を終わって出る際に、館の人(おばちゃん)が話しかけてきてくれました。「わざわざこんなところまで見に来てくれたのか」といった感じで。確かに、他にお客もあまりいなかった様ですし…特に自分位の若い世代で、しかも独りで見に来る人ってなかなかいないのかもしれません。
 
 
さあ、野辺山観光もこれで全て終了。時計を見るともう15時を回っていました。何だかんだで結局、この野辺山の地で五時間ほども過ごしてしまいました。
 

[南牧村歴史民俗資料館]
小さいながら、なかなかに良かったです。

野辺山の駅。
白くてかわいい駅舎。
 
駅へと戻ります。歩いてすぐ、5分もかからないうちに駅へ到着。この野辺山の駅、着いて駅を出た時には気付かなかったのですが、駅舎自体もなかなかに可愛らしい感じです。白くてどこか清楚で、いかにも高原の駅、といった感じですね。
 
さあ、この野辺山を後にし、いよいよ今回の旅もラストスパートです!!
 
 
 
 
 
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