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〜 2004年8月19・20日旅行記 鉄道最高地点を目指せ 〜
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(5) 小海線全線完乗とうすだロケット。
駅で次の列車待ちの間、ぶらぶらしていると、駅前にもう二つ、「最高地点の駅」の碑を発見してしまいました。一つの方は駅の入り口付近、もう一つは少しだけ離れた場所に。本当に碑だらけ…。
そして凄いのは離れた場所の方の碑。なんと「国鉄最高地点」と書かれてます。「JR」ではなく「国鉄」ですよ「国鉄」!! …一体いつの時代だ(苦笑)
駅入り口付近の碑。
黄色ぽい、目立つ色です。 |
こちらが問題の碑。
「国鉄」って一体、「国鉄」ってさ!! |
僕の乗る列車は野辺山15:45発。少しダイヤが乱れているのか、5分ほど遅れて列車は到着。
乗り込むと、車内はかなり空いています。朝、ここまで来る時に乗った列車が観光客で賑わっていたのとはまるで対照的…乗っている人も大半が地元の人らしい感じです。
ボックスシートを独り占めし、かなりゆったりとイイ気分でくつろぎます。車窓はとても綺麗。緑の森の中をひた走り、視界がふっと広がったかと思うと、清流が現れ、列車はそのまま清流沿いを走っていく…。
あまりにイイ気持ちで、景色をボーっと眺めたりたまにウトウトしながら過ごす車内。
さて、今回の旅行。あとはもう、小海線でこのまま[佐久平]へと出て、長野新幹線に乗り換えて東京へと戻るだけなのですが、その前にもう一箇所だけ、行っておきたい場所があるのです。
[佐久平]よりもまだ7・8駅ほど手前の[臼田]。ここにはなんとロケットが建っていると言うウワサ。これはちょっと見ておきたい。
列車に揺られることおよそ50分。まもなく[臼田]と言う時、進行方向左側の車窓には小高い丘が現れ、その頂上には確かに、赤と白で彩られたロケットの姿が!!
ちょっとワクワクして[臼田]の駅を降ります。
[臼田]の駅。一応駅員さんはいるものの、ホームも駅舎もとても小さく、いかにも田舎の駅といった風情。駅前もごくごく普通の田舎町の風景。ハッキリ言ってかなりさびれてます(失礼)
[臼田]の駅。
とても寂れた風情… |
臼田の町を歩く。
周りは山に囲まれてます。 |
駅前には小さな広場があって、そこには観光案内図の様なものも。でもこんな何の変哲も無い田舎町、わざわざ観光に来る人っているんでしょうか…あ、オレがいた(笑)
町を歩いて行きます。ロケットのあるのは[稲荷山公園]。駅から歩いて10分ほどの場所らしいです。
民家の建つ町並みを抜け、大きな川に掛けられた橋を渡ると、小高い丘が姿を現し、そしてそこには先ほど列車の車窓からも見た、ロケットの雄姿が!!
橋を渡り、丘に到着。[稲荷山公園]の名の通り、お稲荷さんが祭られているのでしょうか。丘を登る坂道は赤い鳥居で囲まれています。そして息を切らしながら急な階段を上がっていく…。ハァハァ、ゼイゼイ。結構キツいです。臼田の駅にはコインロッカーが無かったものだから、重い荷物をここまでかついできましたけど、それがまたキツい…。
そして階段をなんとか登りきり、公園の山頂に到着。更に少し歩いて広場へと辿り着き、するとそこには確かに巨大なロケットが…!!
…いや、なんかあの…ショボイんですけど。
ハッキリ言って結構ショボい。いや、ショボいと言うのかある意味ユルいと言うべきなのか?(笑)
まあこのロケット、もちろん本物のロケットなワケなく、ロケットの形を模したタワーになってます。それはいいのだけど、その造形がまるで一昔前のSF漫画に登場するロケットみたいなチープさ。いやもっと言うのなら、子供向け遊園地に置いてある様な宇宙船の形の乗り物。アレをもっとずっと巨大にしちゃったって感じでしょうか?
ロケット胴体の四方には、何やらギリシャ神話の神々を象った様な像がくっついてて…コンセプトも何だかよく分かりません。
ちなみにこのロケット、[コスモタワー]と言うのが本名らしく、なんでもからくり時計まで装備していて一日に何度か鳴らされるのだとか。
うすだロケット。
まあこうして見ると結構カッコいいかも? |
ロケットと僕。
一体何やってんだか… |
せっかくなので中に入ってみることにします。一応「タワー」を名乗るだけあって、内部には展望台もあります。しかもタワー中腹と頂上と、二箇所に展望室を備えていると言う入念さ。ちなみに入場料は無料。
さあ中に入って、階段をあがっていきます…て、また階段かよ!! 一体どれだけ登らせれば気が済むんだよこのダメタワーめが!! タワー名乗るんならせめてエレベータくらい装備しとけよ!!
重い荷物を担いだまま、息を切らして階段を登る僕。タワー内部は狭い上に急な階段。キツい…。
でも展望室まで登ってみると、なるほどなかなか見事な風景。目前に清流が流れ、臼田の町を一望にし、向こうには大小様々の山達…。
ここまで来た苦労が、少し報われた気がします。
でもこのタワー内、僕の他に誰もいません。
[コスモタワー]からの風景(1)
清流が足元を流れています。 |
[コスモタワー]からの風景(2)
緑の中に包まれた臼田の町並み。 |
タワーを降りると、公園内にはほんの数人の家族連れが散歩しているだけ…。この公園自体がそもそも地元の人のみ知る様なスポットなのでしょうか。まあ、こんなとこまでわざわざ列車乗り継いでやって来る物好きな観光客もそうはいないってもんです。
タワーを見上げていると、何とも言えない気持ちになってきました。
ここまで来たと言うほんのわずかばかりの達成感・征服感と、それを遥かに凌駕する虚無感と脱力感。
重い荷物かついで、こんな何も無い様な田舎の駅で降りて、ひたすら坂道と階段登って、でもって辿り着いた先がコレ。一体何をしているのだ自分。何をしたいのだ自分!!
まあ、旅先のこんな虚しさも時にはいいもんです。
夕方の涼しい風とともに流れてくる、なんとも言えない「ユルい」空気。
この駄目ロケット[コスモタワー]、僕は勝手に信州随一のゆるスポットに認定させて頂きます。
そして僕は[うすだロケット]を後にし、再び駅へ。何だか旅の疲れがどっと出てきた気分で足取りもかなり重いのですが頑張って歩きます(笑)
駅に着くと、駅員室が閉まって臼田の駅は無人駅となっていました。どうやら夕方5時で駅員はいなくなってしまう様で…また虚しさがつのります(笑)
さて、僕はこの臼田を17:35発の列車に乗車。あとはもう本当に帰るだけ…。
でも、でももう一つ。どうせならいっそのこと、小海線を完全乗車してしまいましょう!!
と言うワケでとりあえず[佐久平]では降りずに、終点の[小諸]まで足を伸ばすことに。車内はまたもガラガラに空いています。[臼田]を出てからは、車窓がすっかり町になってきました。町の中を走る列車。ここまで来るとこの小海線も、地方都市路線の顔を少し覗かせます。
でも…相変わらず客は少ない。と思っていたら[佐久平]の一つか二つ手前の駅で学校帰りの高校生達がどっと乗り込んできて、いきなり結構な乗車率になってしまいました。
そして終点[小諸]に18:09到着。[小淵沢]から[小諸]まで。小海線の全てを乗り通した瞬間です。おめでとう自分!!
[小諸]に到着。
小海線全線完乗達成の瞬間です!! |
[小諸]の駅前。
田舎の少し大きな町と言った感じ。 |
でも記念の写真だけ撮って、すぐに今来た列車で引き返します。今度こそ[佐久平]へと。
18:28に[小諸]を出た普通列車は、15分ほど、18:44に[佐久平]到着。
あとはもう、新幹線に乗って帰るだけ。もうハッキリ言ってヘトヘトです(笑) 売店でビールとお弁当を買い込み、自分の乗る列車を待ちます。
夕闇に浮かぶ[佐久平]駅。
ちょっとムーディかも。 |
すっかり日の暮れたホーム。
やってきた長野新幹線E2系[あさま] |
19:14、僕の乗る[あさま566号]がホームへとやって来ました。早速乗り込みます。
僕が予約していたのはグリーン車。旅の最後は大奮発です。と言うかもう疲れてるので早いとこグリーン車のゆったりシートで休みたい…。
E2系グリーン車、車内に入ってみると雰囲気は重厚そのもの。間接照明の黄色い光が車内を照らします。シートに腰掛けてみると、まるでソファーの様に大きなシートは体全体を優しく包み込みます。これこれ、グリーン車はこうでないと…。
行きに乗ったE257系のグリーン車とはもう別格です(笑) やはりグリーン車のシートたるもの、このゆとりある横幅は絶対不可欠なものだと感じます。これだけの大きなシートならばきっと、隣に人が座ってきても圧迫感を感じることはないでしょう…。もっともこの[あさま566号]グリーン車。ずっと車内はガラ空きのままで、東京まで僕の臨席が埋まることはありませんでしたが。
駅弁を食べ、ビールを飲んで過ごす新幹線グリーン車内。本当に快適です。このE2系、VVVFのモータ音も静かながら独特のうなりで、聞いててなかなか心地良いです。
ただ、トンネルに入る度に起こるあの新幹線特有の耳鳴り。それが他の新幹線に乗った時よりも凄くひどく感じたのですが…体調その他の問題だったのでしょうか?
グリーン車には各席に車内誌も備え付けられています。これであとは、JR北海道や九州みたく、ドリンクのサービスでもあれば言うことないんですが(笑)
E2系グリーン車内。
「重厚」の一言に尽きます。 |
東京駅到着。
お疲れ様でした。 |
[佐久平]を出ておよそ1時間と15分。21:32に東京駅に到着。お疲れ様でした!!
今回の旅、一泊二日の小旅行と言うことで北海道や鹿児島の様な涙を流してしまう程の「感動」には巡り合えませんでしたが、でもなかなかに良かったです。山梨・ワイナリーとレストランでのワイン三昧。長野・野辺山での鉄道日本最高地点。それぞれの場所での、色々な「出会い」。やはり旅と言うものは「出会い」だと僕は思います。風景との出会い。美味との出会い。人との出会い。普段の生活とは違ったそんな「出会い」。それを求めて、人は旅をしてしまうのでしょう…。
まあ今回の一番の出会いは何と言っても[うすだロケット]。これに尽きますが(苦笑)
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