2003年8月17日→8月23日鹿児島(枕崎)一人旅
 
 
(7) そして枕崎へ-後編。
 
 
 
山川を出て10分。13:35、いよいよ日本最南端の駅[西大山]に到着です!! 最南端の駅!! ついにここまでやって来ました。駅のホームの端には堂々たる[本土最南端の駅]の標柱が!! …感激です。しかしそれに反して降りる人はほとんどいません。僕の他には、地元の女子高生が二人降りただけ…。
 

西大山に到着。
「本土最南端の駅」とあります。

「本土最南端の駅」にオレはついに来た!!
喜びのワンショット(笑)
 
とりあえず[本土最南端]標柱と一緒に写真を撮りたいと思ったのですが、近くを見ても観光客はおろか地元の人も誰も歩いていない模様。と、ふと駅の裏を見ると先ほど降りた女子高生がまだいたので、声をかけて写真撮ってもらいました。こういうのって、同じ観光客相手なら平気で頼めるんですが…さすがに地元の、これだけ若い子に頼むのはちょっと気が引けました…。でも快く引き受けて撮ってくれて良かった(笑)
 
と、彼女達はどうやら家の迎えの車を待っていた模様。なるほど…辺りを見渡すと確かに民家もほとんど建っていません。車が無いと身動きも取れない様です。
 
そうです。この西大山駅のある場所は、かなりの田舎。田園風景というか、ただ野原と言うのか…。でもこんな何も無い里山の風景。僕は好きです。正しい日本の原風景って感じがします。
 

西大山駅周辺の景色その1。
どこまでも続く原っぱ…

西大山駅周辺の景色その2。
緑と青空さえあれば他に何もいらない…
 
さて。次の列車が来るまで一時間以上あるので(!!)、ここで散策タイム。駅を色々見てみます。ところで、さっき山川から乗った列車にそのまま乗っていけばもちろん枕崎まで行けたワケですが…この西大山でわざわざ降りたが為に一時間のタイムロス(笑)
 
この西大山駅。「本土最南端」を売り文句にしていますが、後は本当に何も無い、本当の意味での無人駅です。駅舎なんてもちろん無いし、ホームも一面式の短いホームが一つあるだけ…。それが周りの風景と見事にマッチして、まるで何十年も前の日本にタイムスリップしたかの様な、ちょっと不思議な世界を創り出しています。こんな駅のある風景、きっと昔はそこら中で見られたのでしょう…。
 
そしてこの西大山。ホームからは綺麗に開聞岳の姿が見えます。昨日の定期観光バスのツアーでも色々な場所から眺めたこの山。この駅から眺めるその姿は、その美しさもまたひとしおです。
 

西大山駅のホーム全景。
奥には開聞岳がそびえています。

西大山駅全景。
小さなホーム。小さな駅。
 
ホーム内を色々と見ます。この駅、何も無い無人駅なのですが、それでもやはり「本土最南端」を非常に売りにしている様で、ホーム端の標柱を初め、至る所に「最南端」の文字が書かれています。
 
また、「最南端の駅」と言うことで有名なのか、結構見に来る人もいる模様。僕が来たこの時、列車で降りたのは僕を含めてたった三人でしたけど、僕が次の列車を待っている間、三組ほどが車で観に訪れていました。なるほど…確かに車で来た方がはるかに便利ですもんね(笑) でも、鉄道の駅なんだから、列車に乗って来ないと何となく邪道な気もするのですが…。
 

西大山駅看板。
「最南端の駅」とあります。

こちらにも「本土最南端の駅」と。
「北緯31度11分」ともあります。
 
また、旅ノートがこの駅には置かれています。きちんと管理されている方がいらっしゃる様で、過去の分はワープロに起こされています。僕もせっかくなので書かせて頂きました。そして他の人の書いたものを読んでみます。結構色々な人が来ている様ですね。中には、この駅で野宿した方もいるようで。
 
しかしこの駅滞在中、異常なまでに写真を撮ってしまいました。西大山写真集が出来るんじゃないか?という位に(笑) まあ正直なところ、それ位しかやることが無くなってくるんですよね。
 
さて、そうしているうちに時間は14:44。ようやく次の枕崎行きがやって来ました。これに乗って、いよいよ最終目的地の枕崎へと向かいます。
 
やって来たのは、キハ47+キハ147の二両編成。先ほど山川〜西大山で乗った列車もそうでしたけど、どうやら枕崎線、山川以南を走る車両は基本的にこの組み合わせの様です。
 

西大山の駅にやってきたキハ47(147)。

キハ47(147)の車内。
固定クロスシートが並んでいます。
 
乗り込むと、車内はガラガラ。クロスシートのワンボックスを一人で占拠できるという贅沢な状況。乗っているのは、地元の高校生と、後は鉄道旅が好きそうな若者のグループ。しかしこの車両、冷房の効きが悪いのか結構暑いです。窓からは容赦なく日差しが照りつけてきますし。
 
さて、枕崎線の車窓。山川までは海沿いをずっと走っていましたけど、山川・そして西大山を越えると辺りは草むらと原っぱ。海路線から山路線へと変わった様です。そして左手には開聞岳の雄姿。西大山を出てしばらくの間は、開聞岳と並んで走る形になります。
 

草木の中を列車は走る。
そして向こうには開聞岳。

緑の平原を走る。
はるか向こうには海…。
 
景色は、山川までの海沿いに較べるとやや単調な感じ。ひたすら緑の中を走っていきます。でもたまに、緑の平野の向こうに青い海が見えたりもします。
 
トンネルをくぐり、そして抜けるとまた緑の平野を走る−その繰り返しで列車はひた走ります。そして一時間近くを走ったでしょうか。何本目かのトンネルをくぐり抜けると、景色がパッと変わりました。今までは何も無い緑の中を走っていたのが、急に町並みが見えて来たのです。そして町の向こうには海…。
 
そうです。列車は枕崎の町に入ったのです。そして15:41。終点の枕崎に到着しました。
 

枕崎の町。
家並みの向こうには海が広がってます。

枕崎に到着〜!!
 
ところでこの指宿枕崎線、典型的なローカル線だけあって、基本的に列車は全てワンマン運転。先頭車両の運転席後ろにはバスみたいな運賃箱があって、駅員のいない駅ではこの運賃箱に切符や運賃を入れる仕組みになっています。そして枕崎は、終着駅にも関わらず無人駅(!) だからこの運賃箱に切符を入れるワケですが、でも切符を記念に持って帰りたかったので(何せ[名古屋→枕崎]の切符)、車掌さんにその旨伝えるとちょっと困った顔。「う〜ん…本当はいけないんですけどね」 でも僕、旅行に行くたびに切符は貰う様にしてるけど、こんな風に言われたことって一度も無いけどなぁ…まあ、結局貰えたからいいけど。
 

枕崎駅のホーム。
何とも言えない寂寥感が漂います…。

枕崎駅の駅舎構内。
売店(兼観光案内所)もあります。
 
この枕崎駅、駅舎こそきちんとあるものの、ホームは屋根も無い島式のホームが一つあるだけ。何とも言えず閑散としていて、ある種の寂寥感すら漂っています…。まさに、「最果ての地」に来てしまった。そんな感慨が胸に込み上げてきます。
 
列車を降り、ホームから駅構内へ。さて、枕崎へ着いたからには[日本最南端の終着駅のある町到着証明書]を買わなくてはなりません!! 去年の稚内に行った時もそうでしたけど、ついついこういう証明書って手に入れたくなります(笑) 事前に仕入れた情報によると、この証明書、観光案内所で売っているとか。と、探してみるけどそんな建物は見当たらない…。
 
と、よくよく見ると、駅構内の一角にある小さな売店。そこに「観光案内所」の文字が。ま、まさかここ? 恐る恐る、売店のおばあさんに尋ねてみると…あった。ありました!! これで証明書もゲット。枕崎のシンボルとも言える[立神岩]に沈む夕日の写真が写っていて、なかなかに風情があります。なぜか二枚も買ってしまった…。そして、この売店のおばあさんには翌日色々とお世話になることに。
 

枕崎の駅舎。
こうして見ると、割と立派な建物です。

灯台型オブジェ。
「日本最南端の終着駅」とあります。
 
さあ、買うものも買ったし、外へ出ます。枕崎の駅舎、なかなかに風情のある、立派な建物です。何でもこの建物、本来はJRの建物では無いのだとか。かつてここから先へ伸びていた、南薩線と言う鉄道の建物なんだそう。そして駅前には何やら、灯台型のオブジェがあります。そしてそこには「日本最南端の終着駅」の文字が。それに南国を思わせるハイビスカス風の花に、海の波。そして枕崎の名物、鰹の絵が描いてあります。なかなかに面白いオブジェです。
 
そして更に注目すべきことはこの灯台、枕崎の駅を降りて目にすると「日本最南端の終着駅」と書かれているのですが、その反対側に回ってみると、「日本最南端の始発駅」に…。なるほど、確かに「終着駅」は裏を返せばそのまま「始発駅」ですからね。
 

「日本最南端の終着駅」
なんだけど…

裏に回ればホラ、
「日本最南端の始発駅」
 
さて、あらかた駅周りの名物(?)も全て堪能しましたし、これからホテルへと向かいます。ここまで来て道に迷うのは嫌ですし、タクシーを捕まえて、一路ホテルへ!!
 
 
 
 
 
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