2003年8月17日→8月23日鹿児島(枕崎)一人旅
 
 
(4) 鹿児島観光-前編。
 
 
 
2003年8月19日(火)。天気は昨日に引き続き快晴の模様。朝7時頃に起床しました。…が、実を言うとあまり寝てません。と言うのも、昨日は23時位に就寝したのですが、夜中の2時過ぎに目が覚めてしまい、結局そこから朝までほとんど眠れず…。どうも僕は、割と寝ることに関してデリケートな様で、自宅以外だといまいち寝付きが悪かったりするみたいです。
 
ボーっとした頭のまま服を着替え、シャワーを浴びて朝食を取りに外へ。西鹿児島駅構内にある、ホテルの提携レストランで食事。三種類あるモーニングメニューの中から、洋風リゾットを選択。スープが多めで胃に優しく、すーっと入ってきます。美味しかった。
 
さあ、出発します。今日は鹿児島交通の運行する、[定期観光バス]に乗って鹿児島の見どころを一気に回ります。鹿児島市内だけでなく、隣の指宿市や知覧町などを回り、薩摩半島の主要なスポットを色々と観ることが出来ます。[長崎鼻]や[池田湖]など、僕が個人的に気になっていた場所も大体網羅。
 
朝8:50に西鹿児島を出発し、夕方17:30に戻ってくると言う、一日がかりのコースで4500円(昼食代別)。まる一日遊べることを考えれば、この値段なら結構お得なのでは?
 
さて、駅を出てまずは観光案内所でチケットを購入。とこの時、昨日の桜島のバスで乗り合わせた初老のカップルを見かけました。この人達も同じバスに乗るみたいです。更にこれまた、桜島のバスにいた外国人のカップルも発見。この人達は今日のこのバスには乗らない様ですが、観光案内所で何やら色々と聞いていた様です。やっぱり、観光客の行動パターンてある程度似通ってきちゃうのかもしれません。
 

朝の西鹿児島駅前。
赤いバスが止まってます。

こちらが定期観光バス。
今日一日、お世話になります。
 
そして8:40を過ぎた頃、バスがやってきました。早速乗り込みます。バスは指定席になっています。僕の席は前の方の窓側座席。車内を見渡すと、乗客は10人もいないくらいでしょうか。
 
8:50。いよいよ出発しました。バスは鹿児島の街の中を走っていきます。鹿児島の街は都会は都会なのですが、街路樹などの緑も多く、道路の真ん中を市電が走っていて何とも情緒があります。去年行った北海道の、函館の街にもどこか共通する雰囲気を感じさせます。
 
30分も走るとバスは街を抜け、ここからは海沿いを走っていきます。僕の席は海側なので景色はすこぶる良好。南国の青い海、青い空…。海を隔てて桜島の姿も見えます。
 

バスの車窓。
海沿いを走って行きます。

青い海。青い空。青一色の世界。
そして向こうには桜島の雄姿が…
 
鹿児島を出て、一時間以上ずっとバスは走り続けます。ふと山側の方の景色を見ると、横には指宿枕崎線の姿が!! 今回の旅のハイライトとして明日乗る予定の枕崎線…。何とも心が躍ります。そして10時過ぎ。バスは指宿の駅に到着。ここで2名ほどの乗客を乗せ、更に5分ほど走って[指宿いわさきホテル]に到着。ここが今日一回目のスポットとなります。
 
ここでの滞在時間は30分。ホテル内でコーヒーを飲んで休むか、ホテル敷地内の[岩崎美術館]で絵画鑑賞するかのどちらかを選ぶ形になります。となれば僕は当然、美術館をチョイス。
 

いわさきホテル。
南国ムードにあふれています。

岩崎美術館。
小さいながらもステキな美術館でした。
 
この美術館、決して大きな美術館では無いのですが、黒田清輝や藤島武二などの鹿児島出身の画家の作品。マチスやゴーギャンらの西洋の画家の作品。それらがとてもバランスよく並んでいます。そして何より、天井が広くて明るい館内。それは南国的な開放感に溢れていて、「リゾート」気分満点。絵を観なくとも、ただ館内でぼんやりしているだけでも気持ちがいい、とても感じの良い美術館です。ここ最近行ったことのある美術館の中でも、雰囲気は間違い無くトップクラスでしょう。
 
隣には工芸館と言うのが併設され、こちらも見学できます。覗いてみると、陶芸品やパプア・ニューギニアの民俗美術品(人形とか)が並んでいます。伊勢二見のマコンデ美術館を連想させる様な、ちょっと異質な雰囲気。これはこれで面白いのですが、美術館のリゾートな雰囲気とはあまりに格差がありすぎて…少しギャップを感じてしまいます(笑)
 
再び美術館へ戻り、入り口で図録を買ってバスへと戻ります。それにしても本当に、とても雰囲気のいい美術館でした。見学時間30分はやはり短過ぎます。もっとゆっくり、じっくりと鑑賞したかった…。
 
バスへと再び乗り込みます。バスは今度は山の方へと入っていきます。山道を15分ほど進み、11時位に次の目的地[白露焼酎工場]に到着。
 

山道を登っていきます。
目指すは焼酎工場。

工場真ん前に見える開聞岳。
 
バスを降りると、真ん前に開聞岳の姿が見えます。別名[薩摩富士]とも呼ばれ、まさに南薩摩のシンボルとも言えるこの山、この旅行中これから何度もその姿を見ることになります。
 
さて、焼酎工場へと入ります。本来なら製造工程の見学とかが出来るらしいのですが、あいにく今は時期外れで見学が出来ないのだとか…。その代わり、試飲が出来る様になっています。見ると、テーブルには様々な種類の焼酎。そして試飲用のコップが無数に置かれています。
 
ここで、ふと思い出します。そう言えば、母親と弟に「鹿児島行くのなら焼酎買ってきて」と言われてたなぁ…。よし!! ここで買ってしまおう!!
 
そう思うが早いか、早速テーブルの上の焼酎に手を伸ばしてグイッと一杯。もう一杯。もう一杯…。お土産にする焼酎はすぐに決まりました。[季の波紋]と言う名の麦焼酎。全然クセがなくて、焼酎と言うよりはまるでウィスキーの様な、まろやかでコクのある味。ハッキリ言って美味しい。そしてもう一本。[岩いずみ]という芋焼酎。これはかなりキツい。芋焼酎独特の、クセのある香りがぷんぷん漂っています。
 
この二本を宅配で送ることにして、尚も試飲を続けます。と、ここで僕の心の中にちょっとした変化が起こってきました。僕はかなりの酒飲みなのですが(笑)、焼酎だけはどうも苦手だったのです。でも、こうして色々と飲んでみると案外とイケることに気付きました。クセが強くて苦手な味のもあるけど、でも中には凄く好みな味のものもある…。やっぱり食わず(飲まず)嫌いは良くないよなぁ。よし、今日の夜はぜひとも、焼酎の飲める居酒屋へ行こう!!
 
こうして、散々飲んでイイ気分になって(笑)、再びバスに乗車。今度は[長崎鼻]を目指します。山道を降りて10分ほど。間もなく[長崎鼻]に到着しました。
 
この[長崎鼻]。何でも薩摩半島の最南端にある岬だそうです。ちなみに[鼻]は岬のことを差すのだとか。
 
バスを降りると猛烈な暑さ!! 太陽が容赦なく照り付けてきます。暑い…本当に暑い。まさに「夏」そのものです。でもこんな暑さを求めてここまでやって来たのです。文句はありません。
 

長崎鼻到着。
先端の方に灯台が見えます。

長崎鼻の看板。
この後ろにも開聞岳の姿が。
 
薩摩半島の最南端までやって来た!! なんか無性に嬉しくなって、走り出してしまう僕。まるで子供ですね本当に(笑)
 
暑い中走り回るもんだから、どくどくと汗が溢れてきます。まるで滝の様に肌を伝って流れ落ちます。服ももうぐっしょり。汗と一緒に、いつの間にかさっき飲んだ焼酎も全部抜けてしまった様。
 
この長崎鼻。ここからも至る所から開聞岳の姿が見えます。見事な姿。薩摩富士と言う名の通り、富士山に良く似た姿の立派な山です。去年、北海道の稚内から観た利尻富士にも負けず劣らずの雄姿。
 
さて、せっかく薩摩半島の最南端までやって来たのです。ならば、最南端の更に最南端を目指す他ありません!! と言うワケで、僕は一人、岬の最南端まで行ってみることにします。ここでの滞在時間は約30分。時間も充分にあります。定期観光バスでやって来た他の人達を見ると…皆さん、辺りを一通り散策して景色を楽しんだ後は、茶店でくつろいだりされてる様。まあこの暑さですしね…。
 
ゴツゴツの岩肌の路の上を歩き、そして岬の最南端へ到着。ここまで来ると地面は岩だらけ。波もすぐそばまで来てます。うっかりすると、足をすべらして落っこちちゃいそう。さて。最南端の海の味は…。水をすくって飲んでみます。普通に海の味。塩味です。まあ当たり前ですが。
 
 
…なんてバカやってたら、案の定、波をもろに足にかぶりました。
 
ジーンズがべちゃべちゃ…。海に落ちなかっただけまあイイか。
 

岬を散策。
辺りはごつごつの岩肌だらけ。

岬の先端から灯台を仰ぎ見る。
 

長崎鼻の最先端。
もうこれ以上先へは進めません…

岬の最先端から見る開聞岳。
 
時間は12時少し前。ここでバスへ戻ります。そして鹿児島観光。午前最後の目的地[フラワーパークかごしま]へと向かいます。ほんの5分ほどで到着。
 
ここでの見学時間は約35分。全て観て回ると二時間位かかるそうですが、そこまでの時間が無いのであまり遠くまで行かないで下さいとのガイドさんの言葉(笑) 
 
早速園内を観て回ります。椰子の木が道なりに生え、まるで熱帯のジャングルに来てしまったかの様。そして色々な花が生えていて…。何とも南国リゾートなムードに溢れています。トロピカルドリンクでも片手に散策してみたらとても気持ちが良さそうです。
 
散策路の途中にあった、展示館の様なものにふと入ってみると中では食虫植物の展示をやってました。モウセンゴケ・ウツボカズラ・ハエトリソウ…。
 
再び散策路へ。ぶらぶら歩いて、ちょっと高台に出るところがあったので登ってみると、何ともいい眺め。円形の花壇を見下ろし、その向こうには開聞岳…。まるで楽園の様です。
 

かごしまフラワーパーク到着。

椰子の木が生えています。
う〜ん、南国!!
 

緑と花々。
癒されます…。

楽園の一コマ。
 
素晴らしい景色にうっとりしていると、時間があっと言う間に過ぎていきます。時計を見ると…あっ、もう戻んなきゃ(笑) このフラワーパーク、花と植物が生えている中を散策するだけのものですが、美しい花々を眺めながらの散歩は何とも言えずに気持ちの良いものです。35分じゃ全然足りなかった…。二時間、いや出来れば半日くらいかけてのんびり歩いて、ぼーっとしていたいです…。
 
定期観光バスは色々な見どころを一度に観て回れるのが良いのですが、その代わりに一箇所ずつの滞在時間が短くなってしまうのが難点…。かと言って、今日行くスポットを自力で全て回ろうと思ったら、それはほとんど不可能に近いですし…。う〜ん、何とも難しいです。
 
さて、これから少し遅めの昼食タイムになります。そして定期観光バスによる鹿児島観光。午後の部へと続きます。
 
 
 
 
 
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