2003年8月17日→8月23日鹿児島(枕崎)一人旅
 
 
(3) 雄大なる桜島。
 
 
 
2003年8月18日(月)、寝台特急[なは]の旅を終え、朝10時半前には西鹿児島に辿り着きました。今日は午後から、桜島を観に行こうと思います。
 
さあ、時間もあるのでまずはお土産を物色。なるべくこういうことは先に済ましておきたい性質なので、駅のお土産屋さん街をぶらぶら物色。一軒の店が、試食とかもさせてくれてなかなか雰囲気も良くて気に入ったので、ここで会社や知人へのお土産(お菓子とか)を色々購入。もちろん全て、郵送で送って貰う手配をします。こんなのいちいち手で持って帰れません…(笑)
 
駅のコインロッカーに荷物を預け、外へ出ます。まだ時間はお昼前。のんびりと桜島へ向かうとしましょう。と、駅の外へ出るともの凄い暑さ!! 日差しももの凄いし、気温も高い!! 昨日、愛知を出発した時は雨振りだったのもあってとても涼しかったのですが、それと較べるともの凄いギャップ。さすが鹿児島。さすが南国です!! でも、こんな夏らしい「暑さ」を求めてここまでやって来たので、実は嬉しかったりもします。ここまで来て涼しかったらつまらないですよね。
 
駅前の風景でも写真に…。そう思ってカメラを取り出したのですが、ここで異変に気付きました。カメラのフィルム。今入ってるのはもう15枚くらい撮ってたハズなのに、なぜか表示が1枚目になっている。…一体これはどうしたのでしょう。(今にして思えば、恐らく誤って知らないうちにカメラの蓋を開けてしまったとかだと思うのですが)ワケが分からなくなった僕は大パニック!! とりあえず、このフィルムをそのまま使うと、今まで撮った写真は全てパーです。じゃあフィルムをきちんと巻き戻して取り戻さないと…。
 
でも、巻き戻し方が分かりません!! 自分の使ってる道具なのに何と言う情けなさ!! ああ、こんなコトならもっとちゃんとマニュアル読んでおけば良かった…。悔やんでも仕方ありません。とりあえず、何とかしてくれそうなお店(カメラ屋さんとか)を探すことに。でも探しても探しても見つからず…。半分あきらめかけながら、駅前のデパートに入ってみると、そこに現像屋さんが。ダメ元で聞いてみると、ちゃんとフィルムの巻き取り方を教えてもらえました!! …と言うか、本体下部にきちんとそういうボタンがあったみたいです…あはは(苦笑)
 
まあ何はともあれ、これで一件落着。このちょっとしたハプニングでかなり時間をロスしてしまいました。もうお昼近くになっています。急いで桜島へ向かうことに。
 
まずは市電に乗ります。鹿児島市内は市電が走っていて、街中の移動手段としては最もポピュラーな方法の様です。5分置き位にやってきて便もイイですし。そして料金が、どこまで乗っても均一160円。安い…。
 

西鹿児島駅前。
市電の走る町並み。

市電の運転席から眺める。
 
市電に乗って15分程。[水族館口]と言うところで降ります。更にここから10分ほど歩くと、桜島へのフェリーが出ている港があります。気持ちが早って、ついつい駆け足になってフェリー乗り場へ向かいます。容赦なく日差しが照りつけ、とにかく暑い。いや、「暑い」と言うよりはむしろ「熱い」と言った方が正しいかもしれません。汗もだくだく出てきます。でもなぜか、それがとても気持ちイイのです。
 

フェリー乗り場へ向かい歩く道。
前方にはもう桜島の雄姿が。

フェリー乗り場、桟橋付近にて。
出て行く船は桜島行き。
 
フェリー乗り場へ着くと、ちょうどフェリーは出てしまった後の様でした。でも、15分もすればすぐに次のフェリーが来ます。そして来たフェリーに乗って、一路、桜島へ!!
 
このフェリー、かなり大きな船で、人間だけじゃなくて車も積み込める様になっています。実際、車ごと島へ渡って観光する人も多い模様。そして、桜島へは約15分。料金は何と150円!! これまた安い…。
 

フェリーにて。
後ろを見ると鹿児島の港が。

そして前方には、桜島が。
どんどん近づいてきます。
 
フェリーには、冷房の効いた室内客室もありますが、せっかくなのでここはデッキをチョイス。潮風に吹かれて景色を眺めているのは何とも言えずに気持ちのイイもの…。そして程なくして、桜島へ到着。時計を見るともう、昼の1時になろうとしていました。
 
フェリーを降りるなり、慌ててバス乗り場へと向かいます。と言うのも今日はこれから、[桜島定期観光バス]というのに乗るつもりなのです。この定期観光バス、午前と午後と各一回の一日に二便を運行していて、事前予約は不要で現地でチケットを購入して乗ると言う仕組み。桜島の風景を眺めながら三時間ほどのドライブが楽しめるというものです。さて、午後の便は…13:30発。今の時刻は昼の1時過ぎ。なんとか間に合いました。切符も無事に購入。と、ここで少しお腹がすいたことに気付きます。と言ってももう、きちんと食事をとる時間なんて無さそうです。見るとアイスクリームの自販機がそばに…。「ええぃ、これでいいやもう!!」と言うワケで、この日の昼食はアイスクリーム一個となりました(笑)
 
鹿児島駅を出た直後のとんだハプニング(と言っても原因は僕の無知によるものですが)のせいで、こんな結果に。まあでも、旅にハプニングは付き物。気にしてはいけません。
 
さあ、バスに乗り込みます。結構綺麗で大きな観光バス。そして13:30。いよいよ出発です。車内を見渡すと、結構な数の客が乗っています。大型バスが7割近くの乗車率。夏休みだからというのもあるのかもしれませんが、去年の稚内の定期観光バスが乗客わずか5人だったのと較べると…やはり桜島と言う場所は、観光名所としてきちんと需要のある場所なのだと言うことが分かります。
 
色々な人が乗っています。外国人のカップルもいました。でも基本的に、若者はあまり乗ってません…。そしてバスが発車するなり、ガイドさんからのサービス。フィルムケースに入った、[桜島の火山灰]なるものを頂きました。このバスに乗った人なら、誰でも貰うことが出来るみたいです。
 
バスは山道をぐんぐんと駆け上がり、30分ほどで[湯之平展望台]に到着。標高373メートルのこの展望台。何でも現在、桜島の中で登れる場所では最も高い地点なのだとか。これ以上高い場所へは、現在は通常立ち入り禁止なのだそう。
 

373メートル地点の湯之平展望台。
ちなみに桜島の標高は1117メートルだそう。

展望台付近の風景。
これは山側を観た感じ。
 

海側を望むと…
はるか向こうには開聞岳の姿も。

そして見事な青空。白い雲。
 
そしてバスはここから、徐々に下へ下っていくと言うルートを取ります。途中、何回かの見どころスポットではバスが徐行運転になり、そして展望台や休憩所の様なところで小休止を挟みつつ、再び港まで戻っていくと言うドライブのコース。定期観光バス、と言っても色々な名所を訪ねると言うよりはむしろ、景色を楽しんでドライブする。と言った趣きの様ですね。
 
しかし、場所によって様々な顔の風景を魅せてくれるので、いくら窓を眺めていても全く飽きません。[有村展望所]ではゴツゴツの岩肌を見せ、途中では水無し川を通りました。何でもこの川、水は通ってないのですが、噴火の時には溶岩の通り路になるのだとか…。
 

有村展望所にて。
ゴツゴツの岩肌ちゃん。

水無し川。
ここを溶岩が通るだなんて…。
 
バスの車内。ふと見てみると僕以外にも一人旅の人が何人かいました。と言っても皆おじさんですが…。その中の一人が話し掛けてきました。「兄ちゃん、一人旅かい?」「ええ、そうですが」「そうか、彼女は置いてきたのか。やっぱ一人が気楽だもんなぁ」「まあ、そうですね…」
 
あの…そんな相手が居ればもちろん連れてきてますけど何か?(血涙)
 
 
 
道中後半、どこかの窯元に立ち寄った時、ふと桜島の頂上付近を見上げると何やら白い煙が。噴煙をあげていた様です。この時、バスの運転手さんが「これな、写真をパソコンに取り込んで黒い煙に加工しちゃったらどう?凄い噴火に見えるよ〜」なんて言ってたのが楽しかったです。
 

窯元前の道。
まっすぐ進めばそこは海。

噴煙を上げる桜島。
ちなみに加工はしていません(笑)
 
そして最後。桜島についての色々な展示なんかがある[桜島ビジターセンター]を訪れ、桜島観光は終了。三時間と言う、限られた時間の中で充分に桜島の見どころを堪能させてくれるこの定期観光バス。なかなかにオススメだと思います。
 

桜島ビジターセンター。
色々と遊べます。

そしてフェリーに乗って…
桜島よさらば。
 
フェリーに乗って、そして市電に乗って鹿児島駅へと戻って来ました。時間はもう、17時をとうに回っています。とりあえず、コインロッカーから荷物を取り出し、そしてホテルへチェックイン。今日の宿は、[JR九州ホテル鹿児島]。西鹿児島の駅構内からそのまま入れるのでとても便利。フロントやスタッフの応対も親切でなかなか感じがイイです。そして部屋も綺麗で広い。これなら言うことないです。
 

西鹿児島駅。
そして右側がJRホテル九州鹿児島。

JRホテル九州鹿児島の客室内。
 
さて。ひと心地ついたところで再び出かけます。今日の宿はビジネスホテルですから、夕食は自分で外食しに行くことになります。まずは駅前から市電に乗って、そして繁華街の方へ。[朝日通]と言う駅で降ります。そして食事へ出かける前に、山形屋と言うデパートへ。ここでお土産探しです。僕はかなりの地ビール好きなので、どこか旅行へ出かけるとその地ならではの地ビールをお土産に欲しくなってしまうのです。そこで先ほどホテルで聞いたところ、ここのデパートを教えてもらいました。
 
地下の酒売り場へ行くとかなりの数。ワイン・日本酒・焼酎…。そしてお目当ての地ビールも。お土産に数種類のビールを購入して、宅配便で送ってもらうことに。満足満足。
 
さあ、いよいよ食事へ。地ビールで気持ちが盛り上がってきたところで、今日の夕食も地ビールレストランへ。歩いて5分ほどの場所にある、[太平洋ビール館]へ。石造りの建物。中へ入ると天井が高く、開放的な造りで奥の方にはビールのタンクの様なものが。なかなかに感じのイイ店です。本当は、一人じゃなくて大勢で来てワイワイやったら楽しそうな、そんな雰囲気ですね。
 
メニューを見ると、地ビールが二種類。[シャウム・ヴァイツェン]に、黒ビールの[西郷ビール]。そしてその二つを混ぜたハーフ&ハーフと言うのもあります。
 
結局、三種類とも僕は味わいました。どれもクセが無く割と飲みやすい造り。地ビールの中には、個性を求めるあまりに飲みにくくなってしまっているものもありますが、まあこの味ならば誰にでも受け入れられるのでは? 料理は、チーズのフライにパスタを一品注文しました。こちらもなかなかに美味しい。
 
そして何よりこのお店。スタッフの人の応対の良さには感心しました。こういう、いわゆる「飲み」系のお店で、スタッフがこちらから頼むよりも前に気を使って取り皿を変えに来てくれる。これはなかなかに無いことです。後で知ったのですが、このお店。とあるホテルのグループが経営しているお店だそうで。道理で社員教育が行き届いているワケです。
 
散々飲んで食べて、イイ気分でホテルへ戻ります。そしてこの日は、ホテルの部屋でもビールを二缶ほど飲みました。さあ、明日は鹿児島を巡る定期観光バスの旅へと出かけます!!
 
 
 
 
 
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