いよいよ今年も残すところあとわずかとなりましたね。と言うわけで、年末のこの時期になるとあちこちのテクノ系サイトでやってる、「今年のオレ的マイベスト」行ってみましょう!!
まずはベストDJから。
1位 FABRICE LIG (2003/10/23 FABRICE LIG JAPAN TOUR @ CIPHER)
もうこの人しか考えられません。素晴らしい。素晴らしすぎる…。僕はデトロイト選曲を前面に押し出したDJのプレイと言うのを初めて体感したのですが…本当に素晴らしかったとしか言い様がありません。流麗なメロディーに、どこまでも広がっていく空間的な上音…。そんなデトロイト選曲を時にハードに荒っぽく、時に繊細に丁寧に繋げて音を紡ぎ上げていく…。FABRICEさんは勿論本場デトロイトの人では無いのですが、でもある意味で本場のデトロイト以上にデトロイトな音を魅せてくれたプレイでした。この人凄くいい人で、サインとかも貰えたし大満足。ただ一つ悔やまれるのはハコ…。もう少し音と雰囲気のいいハコで体験したかったです。
2位 CHRIS LIEBING (2003/08/30WIRE03 @ 埼玉スーパーアリーナ)
一切の妥協無き、ハードでストイックなミニマルなのに、なんでこんなに楽しいの!! そう。この人のプレイはまさに、テクノで踊ることの楽しさを再確認させてくれた、そんなプレイでした。最強のエンタテイナー、CHRISさんに乾杯!!
3位 TOBY (2003/08/30WIRE03 @ 埼玉スーパーアリーナ)
WIRE03、セカンドブースの締めを飾ったTOBY兄さん。綺麗目な選曲に耳を傾けつつ踊っていて、ふとアリーナの天井を見上げると真っ白な朝焼けの空…。そこへかけてくれたKOWALSKIの[RESPONSE]。もう何とも言えない幸せな一時でした。テクノって素晴らしい。パーティって素晴らしい!!
続いてベストアルバム。今年はとにかく、KANZLERAMTの当たり年でした。今年リリースされたこのレーベルのアルバムはどれも本当に素晴らしいです。本音を言えば全てをベストに挙げたいくらい。まあその中であえて選ぶとしたらこんな感じでしょうか。
1位RESPONSE/ALEXANDER KOWALSKI (KANLZLERAMT)
KOWALSKI氏の(今のところ)最高傑作。何と言っても表題曲の[RESPONSE]が本当に素晴らしい。その他の曲も全て素晴らしい。捨て曲無しです。太いキックに流麗な上モノ。いつものコワルスキー節全開ながらも歌モノとか色々織り交ぜて、何回聴いても全く飽きさせません。そしてこの人って、ここのレーベルのアーティストの中では最もポップ感覚に優れた人ではないかと思うのです。ややもするとマニアックになりがちなこのレーベルの中にあって、この人のトラックはディープなマニアックさとポップさとを美味く兼ね備えている…その辺りが広くDJに支持される理由なのでしょう。これはもう本当に、生でライブが観たい。来日希望!!
2位 INSTANT REALITY/DIEGO (KANLZLERAMT)
こちらもまた、DIEGO氏の(今のところ)最高傑作と言っていいでしょう。フロアライクな1st。そしてダビーでメロディックな2ndと二枚のアルバムをリリースして出した三枚目。それはまさに1stと2ndのイイとこ取りな一枚。とても繊細で、壊れそうな位にはかなく美しい上音。なのにリズムはとても激しく完全なフロア志向。そのバランス感覚が素晴らしい。そしてこの人って、KANZLERAMTの中でも最もメロディーセンスに優れた人だと思うのです。あの独特のメロディ−ラインは、彼にしか創り得ない…。
3位 20,000 LEAGUES UNDER THE SKIN/JOHANNES HEIL (KANLZLERAMT)
ベテランJOHANNES御大の最新作は、全編に渡って統一された世界観が素晴らしい一枚でした。どこまでもメロディアスで、切なく美しいトラック達…。今までの「暗黒」な世界から抜け出て、一つ上の新しい境地へと達した感があります。今後の動向に注目でしょう。
と、なんかKANZLERAMTばっかになってしまいました(笑) でも好きなんだからしょうがない。あと他に良かったのとしては、UNGLEICHのコンピ[UNGLEICH WE ARE]。これもよく聴きました。このレーベルってこんなにも色々な音出してたんですね。ダークなテクノレーベルだとばかり思ってたのに、ジャズ風なトラックにけだるい歌モノに…。やっぱりドイツテクノは奥が深い。それから、KANZLERAMTのサブレーベルK2Oから出てたLAZYFISH+ALEXANDROIDの[OS]。一時期、テクノのハードなキックを体が受け付けなくなってた時期があって、その時にずっと聴いてました。全編渡って優しくて美しい音に包まれた音響エレクトロニカ。エレクトロニカもいいですよね。
DJ-MIXだと、TrusttheDJ.comから出たKEVIN SAUNDERSON御大のミックスは二枚とも良かったですね。両方とも始まりがあのイントロってのはどうかと思いますが(笑)
あ、言うまでもないことですがSKETCHSHOWの[LOOPHOLE]は選外です。この人らは言わば、僕にとってはジョーカーも同然なので。
そして最後に、今年のベストトラック。これはもう、KOWALSKI先生の[RESPONSE]に決定です。誰が何と言おうとも。僕の中では2003年のアンセムです。このサイトのあちこちで書いてますけども。
この曲の何がいいかって言うと、「希望」とか「光」を感じさせるところが良いですね。メロディーラインはマイナー調であくまでダークなんだけど、でもそれがダークなままに堕ちていくのではなく、暗い中にもどこか灯−小さい、とても小さくて頼りない灯なんだけど−が差していて、そしてそれが、途中の大ブレイクで大きな光へと変わって全てを包み込んでいく…そんなイメージの曲だと思います。明るいテーマを表すのに明るい曲調ではなく、あえて暗い曲調を使う。言ってみれば具象よりも抽象。そんな世界でしょうか。自分でも言ってることがよく分かりませんけども。
最後に総評を。
2003年は[RESPONSE]の年でした。
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