−ELECTRAGLIDE 2003−
 
 
2003年11月29日(土)。この日僕は大阪へと向かった。今日は[ELECTRAGLIDE]−通称[エレグラ]に行くのだ。
 
思えばこのエレグラ。三年前の初回には行ったけれどそれっきり行っていない。初回のエレグラは参加アーティスト的にも内容的にも素晴らしいものだったけど、それ以降はどうも自分的にはイマイチな気がして行っていなかったのだ。そして今回。メンツ的にはやはりあまりピンと来ないのだけど、目的はそんなんじゃない。ハッキリ言って、エレグラ自体は大阪へ行く為の口実でしかない。ただ単に、大阪の友人達と飲んで踊って騒げればそれで良いのだ。
 
 
名古屋を14時に出るアーバンライナーに乗車。車内で駅弁を広げ、少し遅めの昼食を取る。そしてビールをグイッ。これが大阪行きのいつものパターン(笑)
 
16時過ぎに難波駅に到着。ここでゼンタ氏と待ち合わせすることになっている。思えばこのゼンタ氏と知り合ったのも、三年前のエレグラでのことだった。そう考えると何となく感慨深い。
 
改札をくぐったところで、ゼンタ氏とは無事に合流。そして氏の案内で、弁天町にある[交通科学博物館]へと連れていってもらう。これが実は今回の大阪入りの大きな目的の一つだったりもする。地下鉄中央線で一路弁天町へ。そして駅を降り、土砂降りの雨の中をくぐり抜け、何とか[交通科学博物館]へ到着。
 
この博物館。鉄道や車、飛行機に船舶とありとあらゆる交通機関についての展示がされている。鉄道車両の運転台(実物)やらパンタグラフ、モータと言った部品系にその仕組の解説。そして鉄道模型を自分で運転できるコーナがあったり、クイズなどの参加型展示も豊富。更に屋外には、過去に実際に走っていた蒸気機関車やディーゼル機関車がそのまま展示されている。聞くところによると中には、線路の上の自分で走らせられる車両もあるのだとか…。
 
館内も広くて清潔。全体的に何となく「ゆるい」雰囲気は漂っているものの、施設のかなりの充実っぷりに驚愕。時間が無くて一時間程度しか観られなかったのがとても残念だった。また今度、一日かけてゆっくりと観たいなぁ。そう思わされるスポットだった。
 

交通科学博物館全景。
広くて清潔な館内。

突然現れる新幹線車両の頭。
今は無き0系車両…。
 
さて、[交通科学博物館]を後にして再び地下鉄中央線に。エレグラ会場のATCホールのあるトレードセンター前へと向かう。ちなみにこの中央線。大阪港から先はOTSテクノポート線と名称と会社が変わり、その為にここで一駅間で料金が200円も上がってしまうのだ。恐るべし…。
 
コスモスクエア駅で降り、そして乗り換え。ここから先は無人運転の小さな電車に乗る。そして一駅。トレードセンター前に到着。
 
大阪の他の仲間達とはこの駅で20時に待ち合わせの予定。でも時計を見るとまだ18時過ぎ。ゼンタ氏と二人でトレードセンター内をぶらぶらして時間をつぶす。しかしこの施設、なんか無駄に大きいだけの様な気もする…色々なテナントが入ってはいるものの、全体として何をやりたいのかのコンセプトがあまりよく分からない…。人もまばらだし。
 
そして20時。駅に戻ってしばらく待つ。ここで結局、RUKIAさん、DORAちゃん、PCK君、MAJIKOさんらと合流して会場へと向かう。結構たくさんの人が来ている。小雨が降る中待つことしばらく。時間は21時。開場して整理券順に客が入っていく。僕らも入り、まずはクロークへと荷物を預ける。
 
まずはフロアへは入らずに、ロビーでのんびりとお酒でも飲む。何軒か屋台が出ていて、飲み物も食べ物も売っている。それとは別に、Tシャツや帽子なんかのエレグラグッズの販売もやっている。
 
しばらくはお酒を飲みつつまったり喋っていたのだけど、フロアの方からふと、知ってる曲が聴こえてきて我慢できなくなってきたので、僕はフロアへと猛然ダッシュ!!
 
フロアはまだ時間が早いこともあってか、そんなに混みあってはいない。とりあえずフロアの前へ前へと進んでみる。と、しばらく行ったところで王様に遭遇。名古屋メンツは誰もいないだろうと思っていたからビックリ。更に彼女曰く、てつを君とカズヒコさんも来ているということ。そして最前列まで行ったところで彼ら二人にも無事遭遇。
 
トップバッターで今プレイしているのは2manydjs。ジャンル無視・何でもアリのプレイだと言うことは聞いていたけれど、本当にその通りだった。二人組で常にバックトゥバック状態でのDJをしているのだけど、選曲が滅茶苦茶で面白い。普通にテクノのトラックをかけたかと思えば、そこにいきなりロックをカットインで繋いでみたり。でもジャンルレスなんだけど、基本的にはどれも有名トラック。ヒットパレードの目白押し状態(笑) DJプレイ自体はハッキリ言ってそんなに上手くは無いんだけど、でももう勢いで押しまくっている感じ。いやもう、これだけ面白きゃ別にテクニックとか関係ないでしょう。
 
そしてプレイ後半、ふと聴き覚えのある曲が入ってきた。これは…VITALICだ!! VITALICの[PONEY EP]。まさかエレグラ、しかも2003年にこれを聴くとは思わなかった。
 
こうして、早い時間ながらも大盛り上がりのまま2manydjsのプレイは終了。僕はノドが乾いたので、てつを君らに別れを告げてロビーへと出る。ロビーは最初に入った時とは様子が変わって、かなりの人だかりになっていた。飲み物を買うのにもかなり並ばなくてはいけないみたいだ。
 
と、並んでいた時にRUKIAさんに遭遇。大阪の皆がロビーの一角で休んでいるよ、と彼女に聞いたので、ドリンクを買って早速みんなを探す。そして無事に合流。結局このまま、UNDERWORLDのライブまでずっとロビーでまったりしていることになる。
 
小腹も空いたので食べ物を買う。屋台は思っていたよりも食べ物の種類が少ない。いや、腹にたまりそうなものがあまり無い感じだ。麺類とかが欲しかったな…。とりあえず僕は湯豆腐と大学イモを買う。どっちもこんな屋台ではあまり有り得ない感じのメニューだ(笑)
 
大阪のみんなと食べ物食べたり、お酒を飲みつつ喋って過ごす。こういうイベントって、単にフロアで音聴いて踊るだけじゃなくって、気の合う仲間達とまったりトークしている時間も凄く楽しい。
 
時間は過ぎ、時計を見るともう0時を回っている。ここで、0時45分から始まるUNDERWORLDを最前列で観ようという話になって、フロアへと入ることに。
 
皆で人ごみをかき分け、フロアの前へ前へと進む。やはりUNDERWORLD目当ての人が多いのか、フロアはもの凄い人の数になっている。
 
反対側のブースではFUTURESHOCKがプレイ中。綺麗な上音のテクノで、なかなかイイ感じだった。
 
時間は0時15分。ここでライブブース上に、UNDERWORLDの前座DJ(笑)、DARREN PRICEが登場。たった30分間のプレイながら、割と直球テクノな選曲で悪くなかった。UNDERWORLDと言う真打ち・メインアクトをより引きたてるのにふさわしい音だと思った。
 
そして0時45分。いよいよメインのUNDERWORLDがライブブースに現れる。会場全体が、それまでとは全く様子の異なる、異常なまでの熱気に包まれる。そしてライブが始まった途端にもの凄いおしくらまんじゅう状態に!! 人の渦が右からも左からも押し寄せ、立っているのがやっと。いやもしこの状態で転びでもしたら最後だ。人波に押しつぶされ、本当に死んでしまうかもしれない。
 
そして僕はそのまま波に飲まれ、どんどんフロアの後ろの方へと追いやられる(笑) いや正直、もうこれ以上は耐えられないと思ったのだ。僕は日頃から混んでるクラブなんて嫌だと思っているけど、でもこれはそんなどころの問題じゃあない。
 
ライブ開始後わずか5分にして脱落(苦笑) 何とか人ごみから脱出し、とりあえずロビーへと出る。と、ロビーにはほとんど人っ気が無い。やはり客のほとんどがUNDERWORLD目当てだったと言うことか。これはまるで、WIREにおける電気グルーヴ状態だ。おかげで並ぶこともなくドリンクをゲット。
 
ビールを飲んだところでちょっと落ち着いたので、再びフロアへと入る。今度は後ろの方から入ってみると意外と空いている。と、ここで曲が変わった。かかった曲はなんと[COWGIRL]!! UNDERWORLDの中では僕の一番好きな曲の一つだ。WIRE00で確かSVEN VATHがラストにかけて、それがもの凄く印象に残っている。
 
半狂乱で踊り狂う僕。有名曲だけあって、フロアの反応もかなり凄い。そして踊りながらフロアを見ていて気が付いたのだけど、やはりUNDERWORLDはノリがロックなのだ。客の踊り方も、テクノの踊りではなくロックのそれに近い。横にゆらゆら揺れるよりは、縦に飛び跳ねている人が圧倒的に多い。
 
[COWGIRL]が終わり、次に来たのは[REZ]。ここで僕は、もう少し前の方へと進んでみることに。と、フロアのほぼ真ん中辺りまでは難なく進むことが出来た。どうやらフロアの前半分はとんでもない混雑になっているけど、後ろ半分はそれほどでも無い様だ。
 
[COWGIRL]〜[REZ]と来て、次は何か…そう思っていると、来た!! [TWO MONTHS OFF]!! 少し前に買ったベスト盤のラストにも入っていて、最近凄く気に入っていてよく聴いている曲だ。正直、今回のライブで一番聴いてみたい曲だったりもする。
 
この曲は、UNDERWORLDの中でもあまりロック風ではなくて、どっちかと言うとかなりハウスな感じのトラックだと思う。パーカスに、分厚いシンセの音がとても心地良い。
 
そして今回のこのライブ。その分厚いシンセの音が会場中に広がってきた瞬間、僕は何とも言えない幸せな気分になった。間違い無く今回のこのエレグラ。僕にとってのピークタイムだったと思う。会場中を照らすレーザーの光も、それまでは青や緑の寒色系が多かったのが、この曲が始まった途端に黄色や赤の暖かい色合いになって、それが一層幸福感と高揚感とを感じさせる。
 
ブースの方を見ると、カール・ハイドがギターを持って踊っている。この人、ギターなんて弾けるのか? いやそれ以前に、この曲ってギターの音なんか入っていたっけ…(笑)
 
しかしそんなことはどうでもいい。とにかくこの曲がかかっている時は幸せだった。会場全体に響き渡るシンセの音と、カールのヴォーカル…。何とも言えない多幸感に包まれたまま[TWO MONTHS OFF]が終了。
 
次にかかったのは[KING OF SNAKE]。この曲も結構好きな曲だ。そしてこの曲になった途端、レーザーがまた緑系の冷たい色合いに戻ったのが印象的だった。そして、[COWGIRL]からの一連の流れ、ここまでの4曲で実は僕の聴きたかった曲がほぼ全てかかってしまったことになる(笑)
 
この後も[BORN SLIPPY]だとかの有名どころが色々とかかっていた。でも僕はもうここまでで充分に満足していた。フロアでずっと音を聴いて体を揺らしてはいたけど、もう本当に満足していた…。
 
思えば、三年前のエレグラではUNDERWORLDをまともに観なかったのだ。あまりの混雑ぶりにうんざりしたのと、裏でやっていたTWO LONE SWORDSMENのライブが素晴らしかったのとで、UNDERWORLDの方はちらりと覗いただけだった。そして今回。結局最前列で観ることは出来なかったけど、でもきちんとフロアで彼らの音を体感できて、僕は満足だった。
 
しかしこのUNDERWORLDのライブで気が付いたのだけど、この会場、音がイマイチだ。いや、ブース近くはイイ音が出ているのだけど、フロアの真ん中あたりはあまり音が響かない。それに、DJブース・ライブブース両方にきちんとスピーカがあるのに、片側からしか音を出していないのも気になる。この辺りは改善していって欲しい点だ。もし来年があるのならば、だけど。
 
UNDERWORLDのライブが終わり、一旦外へ。そしてビールを飲んで休憩。ふとロビーを見ると凄い人だかりになっている。床に寝転んで寝ている(と言うか半分死んでいる)人達も。やはりUNDERWORLDのライブで完全燃焼してしまったのだろうか。
 
しばらくして、僕は再びフロアへ。DJブース寄りの最前列まで進むと、ここで再びゼンタ氏とPCK君に合流できた。彼らは今プレイ中のFELIX da HOUSECAT目当てで、UNDERWORLDライブ途中からDJブース最前列でスタンバイしてたらしい。
 
HOUSECATのプレイはかなりエレクトロな感じだった。このエレグラで、一番普通にテクノな音を出してたんじゃないだろうか。普段クラブで聴いている音に一番近い感じの音。何だかここに来て、ようやく初めてテクノのイベントに来た、と言う気分になれた。
 
知ってる曲・有名なトラックも結構かかる。そして聴き覚えのあるリズムが入ってきた…と思ったら、何とまたもやVITALICの[PONEY EP]? まさかエレグラでこれが二回もかかるとは思わなかった。と言うワケで今回のエレグラ。アンセムはVITALICに決定か?(笑)
 
HOUSECATの後半。僕は強烈な疲れと眠気に襲われてロビーへと出る。ロビーにはおびただしい数の死人…じゃなくて倒れて寝てる人。僕もあやうくその中へ入りそうになったけど、気を取り直してとりあえずは酒をあおる。眠い時はとりあえず飲むに限る。
 
そして時間はもう4時を回っている。僕は眠い目をこすりながら、LFOのライブを観る為に再びフロアへ。ライブブースの最前列へと人を掻き分けて進んでいく。結構な人が入っているけど、でもUNDERWORLDの時に較べれば全然空いている。
 
と、ある程度前の方へ来たところで、突然近くにいた「痛い」人から「俺の前には入らないで」とかワケの分からないコトを言われる。ムカついたので何か言い返そうかとも思ったけど、まあ痛い系には関わらないのが一番なので無視。でもおかげですっかり目が覚めた。その点ではちょっと感謝(笑)
 
しかし思ったのが、エレグラはWIREよりも客層が悪いな、ということ。やはりテクノだけじゃなくて色々な音楽の客層が入ってるから、その分色々な人がいるってことなんだろうけど。と言っても勿論、テクノ聴くのはイイ人で、それ以外は悪い人だとか、そんな子供じみたことを言うつもりは毛頭無いのだけど。
 
LFOのライブは、あまりガシガシ踊ると言う感じの音ではなかった。実験的な雰囲気のトラックが多めで、でも上音が綺麗に澄み切っていて、ゆらゆらと体を揺らしながら聴いているのがとても気持ちいい。
 
最新アルバムの[SHEATH]からの曲が結構多めにかかっていた。そして知らない曲(昔の曲)とか色々と織り交ぜている。ノンストップじゃないのがちょっと残念だったけど、なかなか気持ちのいいライブ。
 
結局LFOのラストまでフロアで踊っていた。時間はもう5時30分。フロアを出て、トイレに行ったところでみゆさんとAPEちゃんに遭遇。この二人に会ったのなんて凄い久しぶりだ。そしてAPEちゃんから、大阪のみんながロビーでまったりしてると聞いたので、ロビーでみんなを探す。
 
無事にみんなと合流出来て、あとはもうずっとロビーでまったりと過ごしていた。バカ話に花を咲かせたりお酒を飲んだりしながら…。そして朝7時過ぎにエレグラは終了。
 
 
今回のエレグラ。最初にも書いたけど出演者メンツは自分的にはかなり微妙だったし、フロアの外で過ごしてた時間も多かった。それでもきちんと楽しめたのはやはり、いい仲間達に出会って遊べたからだと思う。ゼンタ氏初め、今回遊んでくれた大阪の友人達に改めて感謝!!
  

エレグラ会場。ATCホールの全景。
ちょっと写真ボケてますけど(笑)

ATCホール内。
ロビーの風景。

フロア内。
青いレーザーが飛び交ってます。

そして今度は赤いレーザー。
場内大盛り上がりの図。
 
ちなみにエレグラ終了後。ゼンタ氏・RUKIAさん・DORAちゃん・PCK君と5人で朝食を食べに行ったのだけどこの時の話があまりに面白かった。バカ過ぎるネタなのでここではとても書けんけど(笑) 更にその後、ゼンタ氏とPCK君には焼酎専門の酒屋へ連れて行ってもらったりと世話になりっぱなし。おかげでいい大阪観光が出来ました。本当にありがとう!! 大阪へ行くダシになってくれたエレグラにも感謝(笑)