これは,切る事とは違う事柄です。切断,切開願望は,血を出す事より,切る行為に集中されています。血流を好む人は,切る事より,自己の,もしくは他人の血液に興味を持っています。これらにも色々なタイプがあります。
1.吸血鬼の真似
ポップカルチャー(ここでは普通の社会の事)では,最初にプラム・ストーカーが描いた吸血鬼と違った,もっとカリスマ的,魅力的,ロマンチックな吸血鬼を作り出しました。クラシック(1922&78)の吸血鬼映画を見た事のある人なら知っていると思いますが,ドラキュラ伯爵は,今世紀に出てくるドラキュラ伯爵のようにハンサムでも,長身でも,美しくもありません。
Nosferatu(1922年):ストーカーが描いたドラキュラ伯爵 それと正反対のねずみ男のような姿をしています。しかし,今世紀に生まれた,我々にとってのドラキュラ伯爵とはいわば美しきアイドルとなっています。そうなると,ドラキュラ伯爵のように美しく,優雅で教養高い権力を持ち暗黒的で迫力があり,不死身である者の真似をしてみたくなる人々は出てくるわけです。
これは十代の思春期を迎える人達に多いようです。誰もが経験する(した)思春期というのは,身体は大人に向かって旅立っているというのに,精神はまだ子供として,権力者達(大人達)に扱われてしまいます。簡単に言えば,自己主張がそこまで許されない,制限がかけられている,不確実で,切望的なわけなのです。
ここから考えてみると,やはりその逆の性質を持ったドラキュラ伯爵には魅力を感じずにはいられない。しかし,多くのこういった,吸血鬼イミテーション達は,動物を殺したり,人を殺して血を飲んだりする事はしません。ただ,その役を演じて楽しむだけです。
2.血液への好奇心と欲動
あるタイプの人々は,血とはどんな味で,どういう風に流れでるのかと好奇心を持ち,試してみるようです。これ系統の人は,1人でやってみて終わる事が多いようです。
3.性的象徴
NYCのどこかに,刃物を使ってパートナーの血を飲んだり飲まれたりするといった性的行為が出来る専門店のようなものがあると聞いた事が在ります(ちゃんとした場所がわからないんでまだ行った事がない)。
そういう専門店以外でも,血を飲みあう性的行為が実在する事は確かです。これは,両方に信頼を生じさせるのと同時に,互いの血を舐め合った(飲みあった)事によって,より強い肉体的かつ精神的きずなを持たせるようです。
4.殺人,カルト,ファンタジー
このタイプは,今まで書いてきたような種類とは全く違うものです。この人達は,人殺しや動物殺しもするだろうし,本物の血を吸ったり飲んだりもするでしょう。
カルト宗教で,グラスに生贄の血を入れて,回し飲みをしたりもします。空想・想像的世界と現実世界の区別をする事が出来なく,理性を失った人達の事です。
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