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第12話
赤い太陽、最後の日没

 月は惑星エリアルに接近していた。エリアルは大気中の酸素が地球の4倍もある星で、このままあてのない旅を続けるか、惑星に移住するかが検討されるようになった。そのため調査にイーグルが向かうが、惑星からミサイル状の物体が発射される。その物体は爆発しなかったものの、イーグルに付着してしまう。その物体の正体を調べるため、アルファに持ち帰られたが、人類の科学技術ではその物体の正体を解明できなかった。そんなとき、物体から突然ガスが吹き出し始めた。ただちに技術セクションは閉鎖されるが、ガスの噴出はいつまでも止まらない。しかしなんとそのガスは完全に無害な空気だったのだ。物体はエリアルから次々と飛来し、空気を噴出し始めた。いまや月は大気を持つ星となったのだ。この奇跡の贈り物にアルファは喜びにわいた。アルファのメンバーは基地の外で日光浴や運動に興じた。さらに物体は雲を作り、月に雨が降り始めた。このままの状態が続けば水の循環も始まってやがて湖もできるだろう。しかしここで問題が生じる。このままではアルファが水没するかもしれないのだ。ヘレナを中心に新しい基地を作るための調査隊が出発した。しかしアルファに生まれた大気に乱気流が発生し、イーグルは墜落してしまう。また大気中の物質が電波を阻害し連絡がつかなくなった。アルファでも大気と砂の作用で合金の腐食やコンピューターの変調が起こっていた。
 月面の砂漠に不時着したヘレナ達は、食料や医薬品、水さえも失い灼熱の砂漠の中苦しんでいた。サンドラが発熱し、水を手に入れるためモローが砂漠に旅だった。モローはキノコに似た植物を手に入れるがそれは幻覚を呼ぶ毒キノコであった。
 そのころ月はエリアルの太陽を巡る軌道からはずれかけていた。残念ながらその太陽系の一員にはなれなかったのである。このまま太陽から遠ざかると、大気があっても月は死の世界となってしまう!ヘレナ達が危ない。コーニッグはイーグルをグラスファイバーでコーティングし腐食しないようにして、ヘレナ達の救出に向かった。幻覚でモローが暴れ出してはいたものの、どうにか全員を救出に成功した。そのころ飛来した物体に異変が起こる。月の大気を吸収し始めたのだ。飛来した物体の正体はアルファのメンバーが月からエリアルに移住しないようにするために、エリアル人が送り込んだものであった。エリアル人は人類を誕生以来観察しており、人類に対し不信感を持っていた。
 アルファのメンバーの終わりの見えない旅は続く……。


原題:The Last Sunset
本国では第11話
脚本:クリストファー・ペンフォルド Christopher Penfold
監督:チャールズ・クライトン Charles Crichton
宇宙