Slapp Happy Live Report and More

Slapp Happy

Slapp Happy Live 2000
Set List:
(順不同、思い出す限り)
from Sort Of
Blue Flower
I'm All Alone
Who's Gonna Help Me Now
Small Hands of Stone
Heading for Kyoto

from Slapp Happy
Casablanca Moon(アンコールも含め2回)
Me and Parvati
Michaelangelo
Dawn
The Secret
A Little Something
Haiku
Slow Moon's Rose

from Desperate Straights
Riding Tigers
Strayed
In The Sickbay
(ここからは他にもやったような...)

from Ca Va
Scarred For Life
Moon Lovers
Child Then
Is It You?
King Of Straw
Coralie
Silent The Voice
The Unborn Byron
Let's Travel Light
2000年5月13日(土)start/19:00
吉祥寺・Star Pine's Cafe


opening act: big picture(Phew)+千野秀一
<前座に関して>
ヴォーカルは好みではないが、変な音色の即興的なキーボードが面白い。坂本龍一がプロデュースした Phew のデビュー・シングル「終曲」の断片がサンプリング使用されていたような気がする。演奏は30分ほど。

ステージのセットアップに時間がかかり、本編スタートは8時頃か。(どうも段取りに不手際が目立ち、ちょっと腹立たしいものがあった。曲の間アンソニーがモニターの音が聞こえないと訴え、"painful" と嘆いていたし、アンコール時も酷かった)後ろのつい立てをスクリーンにしてランダムな淡いビデオ(イギリスの映画作家デヴィッド・ラーチャーが作った「Mare's Tale」1969年)を映し、それを照明代りにするという趣向はなかなか良い。

Dagmar Krause
(vo, perc, key, harmonica)
Peter Blegvad
(g, vo, perc, harmonica)
Anthony Moore
(key, g, vo, harmonica, shaver, kazoo?)

中央前にダグマー(綺麗)、左後ろにピーター(背が高い)、右後ろにアンソニー(やや太め)

一曲目は日本に因んで "Heading for Kyoto"。最初のうちダグマーは高音が出しづらいようだったが、時間が経つにつれて気にならなくなり、最新作「Ca Va」の曲では本領を発揮。初期の曲の方がキーが高いからかも。演奏の方はほぼピーターのギターとアンソニーのキーボードのみで、曲によってはアンソニーがギター、ダグマーがキーボードを弾いたりした。アンソニーが電気カミソリを演奏したり、三人全員でハーモニカ・ホルダーを付けて笑わせる場面も。打ち込みやテープ使用はほとんど無し。シンプルで効果的なバッキングのため、曲の良さがストレートに伝わってくる。古い曲も「Ca Va」の曲もアルバムとはひと味違ったアレンジで楽しませる。"A Little Something" は「Acnalbasac Noom」に近いアレンジでアンソニーのギター・ソロが聴けた。この曲の後ピーターが「Chick Corea に捧げる(笑)」とコメント(どういう意味?)。"Blue Flower" は Velvet Underground の "I'm Waiting For The Man" みたいに聞こえた。

「Ca Va」の曲を中心に一時間ほどで終了するのでは、との予想が外れ、約二時間、古い曲も多くやってくれたのが嬉しかった。満足。ぼくの席(最前列右端)からは三人の微笑ましいやりとりが身近に感じられたし、ちょっとした僥倖もあったし (^^;)。


リリース・ラッシュが続くスラップ・ハッピー関連CDを紹介。

SLAPP HAPPY - Camera (マーキー/Voiceprint Japan VPJ 142)

1993年イギリスのTVで放送されたオペラ風ドラマの音楽をCD化。歌:ダグマー他、作詞:ブレグヴァド、作曲:ムーア、と役割分担がはっきりしているが、ブレグヴァドとムーアの存在感が薄く、オペラチックな内容でスラップ・ハッピーらしさがあまり感じられない。(原盤の名義はスラップ・ハッピーではなく三人の連名になっている)

ANTHONY MORE - Flying Doesn't Help (マーキー/Voiceprint Japan VPJ 143)

スラップ・ハッピー以前のドイツ時代に作った実験的なソロ・アルバム群の後、1979年に A. More 名義で出した初の歌ものアルバム(それ以前の録音でお蔵入りしていた「Out」は1997年発表)。ポップで攻撃的な音。"War" のセルフ・カヴァーあり。(以下3枚とも日本盤の表記はアンソニー・ムーアになっている)
<追記> CDで6曲目に入ってる約30秒のアンビエント小品(本体には記載なし、日本盤ライナーには「リンク」と表記)はLPには未収録


ANTHONY MORE - World Service (マーキー/Voiceprint Japan VPJ 140)

1981年に発表された2枚目の歌ものアルバム。世界初CD化。これが何と!LPとは別もの。曲数が増えたり曲順が代わったりしてるだけでなく、曲によってLPとは全く違うアレンジの別テイクが入ってる。詳しい検証は Album Pickup で。

ANTHONY MORE - The Only Choice (マーキー/Voiceprint Japan VPJ 144)

Anthony More Only Choice LP 「World Service」に続いて Parlophone から1984年に出た歌もの第三弾で、今の所ソロ最終作(写真はLP)。プロデュースが「Ca Va」と同じく Laurie Latham。ここからの曲は意外な人にカヴァーされている。"No Parlez" は Paul Young が同名デビュー・アルバム(1983年なので Paul Young の方が先。ちなみに Joy Division のカヴァー "Love Will Tear Us Apart" にはダグマーが語りで参加している)で、"Industrial Drums" は Julian Lennon が "Keep The People Working" とタイトルを変えてカヴァー。「Help Yourself」に収録。"O For The Ocean" はスラップ・ハッピー83年の再結成時に取り上げていた。(CDとLPとの違いはこちらを参照のこと)

DAGMAR KRAUSE - Commuters (マーキー/Voiceprint Japan VPJ 145)

ピアノとダグマーの声だけによるミニ・アルバム。
参照ページ:SLAPP HAPPY - Ultra Rare Trax

last updated: 2018.11.14

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