Yardbirds / ...Where The Action Is !
<1997> (1965〜67)

おすすめ度★★★


長い間、Yardbirdsというバンドは「三大ギタリストを排出したというバックグランドを楽しむバンド」として僕の中で存在していた。

っと言うのも、彼らはマトモなアルバムを製作していない。基本的にアルバム単位で音楽に触れている僕にとっては、ちょっとこれはツライ。

シングルヒットの寄せ集めの様な存在としか認識されていなかった当時のアルバムに対する認識と、彼らの弱かったらしい契約内容では実力ウンヌンより、じっくりとしたアルバム製作は不可能だったようだ。

そんな中で最近発売されたBBCセッションを「ふ」とした出来心から購入してから、彼らに対する認識が変わってきた。パブバンドの原点の様な乗りがとても心地良く、好感の持てるバンドである。彼らの本当の魅力ってこれかなぁっと、最近結構お気に入り。

メインは何と言ってもDisk1のBBCセッション。65〜67年と言う事でBeck時代(1〜21)、Page時代(22〜27)と網羅している。

残念ながらツインリード時代は未収録のようだ。ちなみにDisk3のLive At USはボーナスCDで、これを目当てに輸入盤を購入してしまったが、大した事なかった....

リードギターは途中で交代しているが、Keith Relfのしょぼいヴォーカルは終始健在で、なかなか味があってイイ。60'sっぽくてこれがまたイイのだ。しかしタマに出てくる聖歌趣味は困りモノ。デジタル技術を駆使して思わずワンタッチで飛ばしたくなる。

CDの方は特に前半部分のストレートなビートスタイル全開のパートが素直に聴ける。11辺りで最初の飛ばしが入るかな....?そしてメインの15!お気に入りの19、そして何とビックリ!のDylanのカヴァーの22等が聴き所か...

Dylanのカヴァーは意外だけど、Little Games辺りではNilsonのカヴァー何かもやってるんだから彼らの選曲センスに納得。ちなみにジャケットはJimmy Pageがベースを持ってる所が見所。

それにつけても彼らの最大の不幸は、イギリス屈指のギタリストを歴代に備えながら、優れたソングライターがいなかった事だろう。

この事が致命的となって、どんどんオリジナル指向になるRockシーンから取り残される事になってしまう。

しかしそれが幸いして、15の様な優れたカヴァーや24みたいなパクリ根性も見事に芽生えてくる。ここらは特にJimmy PageがLed Zepplinにそのまま持ち込むノリである。

そ〜んな風に聴いてると、20のイントロがYou Shook Meだったり、15のパワーコードがDazed And Confusedだったりして微笑ましい。

さらに16はJeff Beck GroupでRod Stewartヴォーカルで再録しており、そのRockな出来栄えにKeith Relfの立場が無い。うー、結局バックグランド的.....

 

〜特にお気に入りな曲達〜
(っていっぱいあってすんません^^;)

やっぱりYardbirdsと言えばI Ain't Got Youみたいなスカスカの乗りのブルースナンバーが好感度満点。間奏のハープとギターなんて60年代だなぁっと微笑ましい。

I'm Not Talkingもイントロの乗りが最高。このパブバンド的な乗りがイイのだ。Jeff Beckのギターも流石に冴えてる!

Heart Full Of Soulは好きなナンバー。アルバム未収録なんですよね、これも。インド的ニュアンスを上手くRock的にしてると思う。こんな曲なんてKeith Relfにしか歌えそうに無い....かなぁ?

Smokestack Lightningはブルース的なリフとRelfのハープ、そして今にも脱線しそうなヴォーカルが魅力。そしてTrain Kept A Rollin'だ。BBCセッションっぽくナレーションから入るのもイイ。やっぱりこの曲は別格的にカッチョ良いぞぉ!

Over Under Sideways Downも好きなナンバーだ。妙にガチャガチャしたリズムギターも、途中の中東趣味もキマッている。やっぱ彼らはこんな感じで素直に演奏してる方が魅力的だ。

そして The Sun Is ShiningはYou Shook Meだ、完全に。珍しくカッチョ良く響くKeith君のヴォーカルも堪能できる。

Page時代ではLittle Gamesは好きだ、何だか。ポップな味わいを聴かせるKeithとバックで暴れるハードなギターが珍しく溶け込んでいる。

Think About Itもなかなかハマっている。まだまだこの時期、PageはYardbirdsとしての方向性を模索していたのだろうか....?

多分Little Games録音直後と思うが、この後のUSツアーのブートなど聴いてるとRelf君が可哀相な程のZeppぶりを発揮して、完全にバンドとしての方向性が失われている。

Pageは頭の中のアイデアを優先しだしてしまったのだろう。彼にとって、Yardbirdsが存在価値をなくしていくのである...


Yard1.gif (20778 バイト)

Dick 1
(BBC Sessions 65〜67)

1 . I Ain't Got You
2 . For Your Love
3 . I'm Not Talking
4 . I Wish You Would
5 . Heart Full Of Soul
6 . I've Been Wrong
7 . Too Much Monkey Business
8 . Love Me Like I Love You
9 . I'm A Man
10 . Evil Hearted You
11 . Still I'm Sad
12 . Hang On Sloopy
13 . Smokestack Lightning
14 . Mr. You're A Better Man    
                               Than I
15 . Train Kept A Rollin'
16 . Shapes Of Things
17 . Dust My Blues
18 . Scratch My Back?
19 . Over Under Sideways Down
20 . The Sun Is Shining
21 . Shapes Of Things
22 . Most Likely You'll Go        
                     Your Way
23 . Little Games
24 . Drinking Muddy Water
25 . Think About It
26 . Goodnight Sweet Josephine
27 . My Baby

Disk 2
(Live At Stockholm '67)

Disk 3
(Live At US '66)



 

 

 

 

 

 

 

Yard2.gif (5166 バイト)

Beck時代のYardbirdsが
色んな意味で全盛期でしょね.

(1999.12.26 再更新)

 

 

 

 

 

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