Bob Dylan / Planet Waves <1974> |
おすすめ度 ★★★☆ |
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66年にThe Hawksを率いてRock界に衝撃を与えながら行った大規模なツアーを最後に、Dylanは様々な理由によりツアーから遠ざかって来た。 そんな彼が既にThe Bandと改名しRock界に確固たる地位を築いた旧友を再び率いて約8年ぶりとなる全米ツアーに出る事を決意する。 本作はツアーを控えた彼らが、たった3日間で録音したオフィシャル盤では初の共演アルバムであると同時に、70年代のDylanが再びその鋭気を取り戻し積極的な活動を始めるキッカケとなった作品だ。 まるでDylanがThe Bandのメンバーであるかのように一気に仕上げた本作は、ヒット性のある楽曲こそ不足しているものの粒揃いの出来上がりに彼らの息の合った演奏が華を添える。 特にDylanの独特のメロディーと絡むRobbieのワイルドなギターは冴えを見せ、間違いなく本作のハイライトとなっている。 発表後見事に全米No.1を記録したアルバムを引っさげ、勢いに乗って彼らはツアーに出ることとなる。
〜特にお気に入りな曲達〜 アルバムの冒頭はOn A Night Like Thisだ。どこまでも楽し気なナンバーで旧友達が集まった事への嬉しさを素直に表現した軽快なカントリーソング。 Garthが奏でるアコーディオンが特にそれを端的に表現し、Robbieのギターも土臭いドラムもDylanの歌いっぷりも全てがご機嫌だ。心躍るオープニング。 一転してダークな雰囲気に包まれるGoing, Going, Goingは、ピッキングハーモニクスを多用したRobbieのギターが独壇場的に響く。Dylanの歌いまわしも彼ならではといった感じでお気に入りだな。 Tough MamaはDylanの個性が浮き出たRockナンバーで、ココでもBandにしか出せない様なグルーヴに耳が傾く。特に全体を包むGarthのキーボード、それに反するように不器用に転がるRichardのピアノが聴き所だ。 美しきラヴソングHazelもバックの味わい深い演奏が魅力。朗々と歌い上げるDylanにも心が奪われるが、それを際立たせる土臭い演奏とDylan自身によるハーモニカが最高だ。 続くSomething There Is About YouもDylan独特の歌いまわしにRobbieのエフェクトをかけたギターが絡む秀作。この辺の味わいが自然に出てくるThe Bandのセンスに惚れてしまいます。 2バージョン収録されたForever Youngは、間違いなく本作のハイライトだ。前半は味わい深いアコースティックバージョンで、祈りを込めて歌うかのようなDylanに只々心奪われる。 後半のエレクトリックバージョンはファンキーなカントリーロックといったニュアンスで、彼らの勢いを感じる事ができる。どちらも素晴らしい出来だが.....個人的にはアコースティックバージョンの方に軍配かな。 カントリー調のYou Angel Youは何だかとっても可愛い感じのラヴソング。ウキウキした感じがこっちにも伝わってくるナイスなナンバーだ。 ここでもRobbieのギターは終始ご機嫌。それにGarthのキーボードとRichardのピアノが絡んでくるんだからしょうがない。降参です。
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1 . On A Night Like This
彼らのツアーは |
(2002.2.13 再監修)
〜関連アーティスト/アルバムの簡単な紹介〜
Bob Dylan / The Band 「Before The Flood」
DylanがThe Bandを率いて行った8年ぶりの全米ツアーの記録。
内容はそれぞれDylanが13曲、The Bandで8曲の
ナンバーを演奏。それぞれの持ち味が凝縮された名盤だ。
また、The Bandをバックにすることで不思議と発生する
Dylanの中の緊張感はココでも健在。
彼等から湧き出る独特のグルーヴは、
現在のアメリカンロックの中でも脈々と受け継がれている。
個人的には「これぞアメリカンロック!」っと自身を持って言える
グルーヴがこのアルバムには存在していると確信してます。
最高。
順路1:Dylanコース
Bob Dylan / Blood On Tracks へ!
順路2:Bandコース(工事中)
The Band / Nothern Light-Southern Crossへ!
〜関連アーティスト/アルバムへのリンク〜
The Band / Music From Big Pink
The Bandの歴史はココからです