The Beach Boys / Friends <1968> |
おすすめ度★★★☆ |
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BeatlesのSgt.Peper's 〜に対抗するべく企画された「Smile」の製作が暗礁に乗り上げてからのBeach Boysは、正に「何をしても上手くいかない」状態が続く。 ヒットチャートから見放され、さらに所属していたキャピトルへの不信感は決定的なものとなっていた。さらにツアーもBeatlesと共にハマったマハリシという伝道師との関係から、観客から背を向けられ1週間でキャンセル。 もう踏んだり蹴ったり。しかしこんなどん底とも言える状況が、62年デビュー以来初めて音楽とじっくり向き合える状況を作ったというから世の中分からないもの。 ここでの彼らの音楽からはどん底に落ち込んだショックよりも、むしろハードなスケジュールから解き放たれた開放感の方が感じ取れてしまう。 特にBrianの好調振りは目を見張るものがあり、当時の彼らの回りに様々なトラブルが転がっていたとはこのアルバムから想像する事は難しい。 さらに本作ではWilson3兄弟の次男D.Wilsonが初めて楽曲提供を行い、勿論リードヴォーカルも担当している。これがまたイイ! どれも粒揃いで美しい楽曲に加えて、ほとんどのトラックが3分弱というあっさりさ。これはいつでもどこでも気軽に聴ける携帯型アルバムです。ちなみにトータル時間でも30分無いです。
〜特にお気に入りな曲達〜 オープニングのMeant For Youは、素晴らしい美しさを持ったナンバー。40秒弱の時間にここまでの心を吹き込んだ彼らの才能に改めて感動してしまう。 しかし、実はこれ、Mike Loveがマハリシの所から帰って来て初めて作った曲らしい。つまり介入ソングになっちゃうんだけど......そんな事は気にしない!僕らをFriendsの世界に誘う最高のオープニングナンバーだ。 続くFriendsは、タイトル通り「いつまでも友人同士で」というナンバー。目立たないけど低音部におけるハーモニカがコーラスに妙なアクセントを加えてて面白い。 Wake The Worldはベースラインのアレンジが素晴らしく、Beatles後期の様な仕上がりだ。前曲同様個人的な友情の事を歌っている。美しいです。 Be Here In The Morningは、様々な楽器を取り入れながらこの上なく美しいポップソングに仕上げている。エフェクトをかけたヴォーカルも楽曲にとても自然に溶け込んでいる。Brianのセンスが光る。 Brianが妻の出産を控えた心境を歌うWhen A Man Needs A Womanは、これまた素晴らしいナンバー。何といってもBrianの声自体がとても表現豊かで、聴いてるとトロ〜ンと浸りたくなる。 前述のDenisの作品がLittle Birdだ。ソウルフルな彼のヴォーカルに浸りながらも、その後ろで鳴り響く様々なアレンジに幻惑される。美しい曲です。また次のBe Stillでもその声に埋まる事ができますね。 Busy Doin' Nothin'はBrianが実際の生活の事をつづったかの様な、ホノボノとしたボサノバアレンジ。外部ミュージシャンを起用した実質的なソロナンバーだ。各楽器の配置が見事で終始のんびりとした雰囲気を香らせる、名曲です。 Diamond Headはスティールギターやウクレレといった楽器と効果音によって作り上げたインスト。この曲にウクレレが使われている為か、全体のノンビリとした雰囲気も手伝ってこのアルバムとPaul McCartneyの「Ram」が重なるの僕だけかなぁ? |
1 . Meant For You
裏ジャケの写真を眺めながら |
(1999.12.12 再更新)
順路は未定です
70年代のBeach Boysって聴いてみたい〜!
〜関連アーティスト / アルバムへのリンク〜
Paul McCartney / Ram
Paulが制作したホノボノ作品の極み!