Derek And The Dominos
Live At The Fillmore <1994> (1970)

おすすめ度★★★★★☆


1stアルバム「Layla And 〜」のレコーディングを終えたDerek & The Dominosは、初めてのそして結果として最後になってしまうアメリカツアーに出る。

表面上はClapton初のリーダー作「Eric Clapton」のツアーであったが、Dominosのお披露目ツアー的なニュアンスが強く、事実レパートリーもまだ未発の「Layla And 〜」からの選曲が半分以上を占める結果となっている。

本作はそのツアー中の70年10月23日、24日のFillmore Eastでの演奏を収録した物で、以前に出ていた「in Concert」からの未発表テイクも含むリィシュー盤である。

スタジオ盤である「Layla 〜」をDuane Allmanの助けも借りエモーショナルに仕上げたDominosだったが、ここで聴かれるLiveパフォーマンスはとてもファンキーな肌触りになっており、Clapton自身もギタリストが一人と言う事もあってか、弾きまくり状態である。

この時の演奏に関しては、よく本などで「Claptonのギターが冗長である」という評価が見られるが、個人的にはそれよりもガッチリと組まれたリズム隊に乗って自由に演奏を楽しんでいるかの様なClaptonが目に浮かぶようで心地良い。

ドッシリとしたファンキーなリズム隊にBobby Whitlockとのゴスペルタッチなヴォーカルスタイル、そして何よりClaptonのギターが緊張感の伴っていたCream時代とは違うリラックスした雰囲気で縦横無尽に鳴り響く....

そう、このLiveでの最大の魅力は、その表情豊かなClaptonのギターでしょう。時に歓喜を伴い、時に泣き叫ぶかの如く響く彼のギターから耳が離せません。

しかしClaptonはこの後Dominosのあまりに早すぎる解散、度重なる親友の死という衝撃に見回れ、遂にドラック漬けの毎日を送るようになるのである。

こんなに素晴らしい音楽を奏でていた彼が再びシーンに復帰するまでは、3年余りの時間と、共に歩んできたミュージシャン仲間達の素晴らしい友情が必要となっていたのです......

 

 

〜特にお気に入りな曲達〜
(っていっぱいあってすんません^^;)

はっきり言って、このアルバムは全部好き。やる気のある時はぶっ通しで聴きます。意識はモウロウとなりますけどねぇ....

LiveはGot To Get Better In A Little WhileでCoolにスタート。ミディアムテンポのファンキーな曲です。Claptonによる最高のカッティングにワウを使ったソロ、Carlのうなるベース、Gordonの重いドラムス、BobbyのR&Rなピアノ....最初からチビリそうになりますね。

ちなみに最後はClaptonがエンディングのタイミングをミスってますが、それも堪らなくカッチョ良く聴こえるのは僕だけじゃないハズ。実はあそこが一番エキサイティングだったりします。

そして間髪入れずに始まるWhy Does Love Got To Be So Sad?。ワウワウペダルを多用した長いソロからのイントロに入る瞬間は、何度聴いても鳥肌モン。(バックの演奏もファンキーです)

さらにそれからのスピードに乗ったソロ!そしてエンディングはドラマチックにスローダウン....っと、ホント、この2曲で僕はあちらの世界に飛んで行きます。

実はこの流れは本来のLiveのモノではなかったのですね。ブート聴いて分かりました。しかし、この頭2曲の組み合わせはナイスっです!これ聴いただけで30分弱.....既に全面降伏状態です。

抜群のタイミングで収録されているブルースナンバーKey To The Highwayも出色の出来です。緩急の差と言いますかアクセントのつけ方が素晴らしいです。好テイク。

Blues Powerもいきなりイントロでイキそうになる。そして最初のショートソロへの入り方.....最高です。これからメドレー式でなだれ込むHave You Ever Loved A WomanもFredy King全開って感じでイイです。ここではClaptonの青いヴォーカルも堪能しましょう。

そしてポップなBottle Of Red Wineは、楽し気に響くBobbyのコーラスとオルガンが最高。このLiveにおいては比較的コンパクト(?)にまとめられたClaptonのソロもエエし、Carlのベースのグルーヴと言ったらないです。

Tell The Truthは後半のアドリブ部分でのClaptonのスライドに注目である。Nobody Knows You When You're Down And Outも好テイク。Liveとは思えないその完成された演奏ぶりに脱帽である。Claptonのヴォーカルも含めて、素晴らしいサザンソウルバラードを展開している。

Roll It Overはアルバム未収録のナンバー。イントロでキマってしまう程のカッチョ良さに加えてジワジワと盛り上げてくる。Claptonのギターのカッチョ良さを再確認!Bobbyのオルガンもイイです。ちょっとGeorge Harrisonの影響が見え隠れするナンバーですね。

Presence Of The Loadは後年のLiveテイクに比べると、ちょっとサラっと流した印象を受けてしまうが、ここでもBobbyの粘っこいコーラスがハマっている。Little Wingはスタジオ盤と比べてJimi Henndrix度が色濃くなっている。

そしてClaptonのギターとBobbyのオルガンが暴れまわるLet It Rainは最高でしょう!中盤からのGordonのドラムソロは時代を感じますが、なかなか聴き応えのある演奏です。そして!そこからのClaptonとの掛け合い!

実は最初のむちゃむちゃカッコ良いフレーズからだんだんネタ切れになって行くのですが、ご愛敬でしょう。しかし、そこからヴォーカルが入る瞬間は鳥肌モンですぜぃ。

最後はCrossroads。Cream時代の最高のカヴァーテイクには劣るものの、ここでのテイクも好きです。かなりピュアなブルース寄りの演奏になってます。


あら?やっぱし全部書いちゃいました。まぁ、このアルバムに関しては「特に」は無しです。疲れた時はヘッドホンを使って、最大音量で全部聴いちゃいましょう!


Dominos1.gif (16510 バイト)

Disk 1
1 . Got To Get Better
            In A Little While
2 . Why Does Love Got  
             To Be So Sad?
3 . Key To The Highway
4 . Blues Power
5 . Have You Ever        
           Loved A Woman
6 . Bottle Of Red Wine

Disk 2
1 . Tell The Truth
2 . Nobody Knows You  
       When You're Down
                       And Out
3 . Roll It Over
4 . Presence Of The Load
5 . Little Wing
6 . Let It Rain
7 . Crossroads

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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う〜ん、Claptonになりたい...

(2000.1.16 再監修)

 

 

 

 

〜ちょっと禁断のブート話〜
Derek And The Dominos / Fillmore Double Night

何と!正規盤のリィシューで喜んでいると、ブートで完全盤が出ました!
70年10月23日、24日のセカンドセットが完全収録ですよ、すっご〜いです。

内容の方は、もちろんダブっている曲は存在する訳ですが
「日によって演奏の質が変わる」っというClaptonの逸話通り、「アレンジが違う!」と
言っても過言ではないテイクもしばしば....特にWhy Does Love Got 〜は全く違いますね。
まぁ、この曲に関しては「in Concert」でも確認可能なのですが.....

さらに音質は「正規盤よりイイ」なんて大袈裟な触れ込みまで登場してました。
これに関しては僕の推測でしかないのですが、多分ミックス前の音源を
使用していると思われます。

ですから、ClaptonのヴォーカルがBobby Whitlockのオルガンに
包まれる事もありありです。しかし、それが結果的に臨場感をUPさせてたりして
事実、個人的にはこっちの音質の方が好き。

また、入れ替えられていた曲順もそのままに聴けるのも嬉しい。
っという事で結構高価なブートですが、Dominosファンなら必ず満足の必須アイテムなのです!

でも実はこれ聴いて最初に思ったのは「いやぁ、正規盤って上手く編集してるなぁ」
って事でした。音質はもちろんの事、曲順から選曲、ダブり曲の選び方まで、
ほぼ完璧だと思いました。完全盤ブートを聴いて、正規盤を見直したのはこれが初めてでしたね。

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順路はこちら
Eric Clapton Session Works へ

Session1.gif (6980 バイト)

 

 

 

 

〜関連アーティスト/アルバムへリンク〜

George Harrison / Concert For Bamgladese
ドラック漬けのClaptonが唯一公の場に出てきたのは、このLiveだけ

Bang1.gif (7915 バイト)

 

 

 

 

Eric Clapton / Eric Clapton
Clapton、初のリーダー作!

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