< エクアドル >

<楽器の写真>

これはエクアドルの『バンドリン』です。これもマンドリンの仲間なのでしょうか?3弦5コース15弦で、マンドリンよりひとまわり大きいフラットボディです。ピックで弾きます。(吉原氏所蔵)

<ガイド>

 エクアドルは赤道直下に位置し、ペルーとコロンビアに挟まれた小さな国ですが、音楽的には「ロンダドール」と呼ばれるこの国独特の横笛や、今や南米中に広まった「サンフアニート」というリズムなどがよく知られており、日本にもファンの多い国です。

 マンドリンだけでなく、ティプレ、バンドゥーリア、バンドリンなどもよく使われます。エクアドルもコロンビア同様、現地で独自の発展を遂げた弦楽器の種類が沢山あるようです。

 エクアドルのマンドリンも、調弦はヨーロッパのものと同じ。ただ、弦が柔らかく、テンションも低めで、ヨーロッパのものと比べるとしなやかな音がします。

<お勧めCD>

(タイトル)  BANDOLINAS CANTAN AL ECUADOR  

(演奏者)   Estudiantina Quito

(出版元)   Discos Granja

(CD入手先)  Disco Andino

* この情報は 石和氏より頂きました。多謝!

<CDレビュー>

 スペインの流れを汲む南米風弦楽アンサンブルである「エストゥディアンティーナ」は、南米各地で見られますが、エクアドルでも1970年くらいまでは、国中の各地にエストゥディアンティーナ楽団が存在していました。

 残念なことに現在ではほとんど姿を消してしまっており、この「エストゥディアンティーナ・キト」は、エクアドルでは、今でも活動を続けているほとんど唯一の楽団です。

 1967年に結成され、バンドリン、バンドリーナ、ギター、レキント、ギタロンといった構成で演奏されています。

 このCDでは「パシージョ」「サン・フアニート」をはじめ、「パサ・カージェ」などエクアドルではお馴染みのリズムの曲が中心になってますが、笛を使った従来のフォルクローレとは一味違った、南米植民地の頃の面影を残した、優雅な演奏を聴かせてくれます。