R&R Fragments

前に戻る /  R&R TOP  / 次も読む


自爆シリーズG

第18回
Re:
' I Shall Be Released '
From:
mack
Dated:
'01/07/27


Tさんの笑顔に騙されて某音楽サークルに入部した僕であったが、
毎週水曜日と土曜日にある活動日に部室(他のサークルと共同で使っていた)に
行ってみるとそこでは色々なセッションや先輩バンドの練習などが繰り広げられていて、
新しい何かが始まる、という思いで少し武者震いしたりもした。

自慢のグレポール (といってもその頃にはヘッドにはこの頃流行の ' ESP 'のステッカーが貼られていた-笑
を抱えて自分もセッションに参加したが、なにぶん満足に弾ける曲が
' Highway Star ' と ' Smoke On The Water ' くらいしか、無い。

ので、新人だけでバンドを作りいわば「顔見世」的にその部室で先輩を観衆として演奏するというときには
マイケルシェンカーの ' Desert Song '
を新たにコピーしたりした。

しかしそのサークルではハードロッカー(苦笑)は少数派だった。

一部のヒトを除いては、割とAORとかブラコンとかアメリカンポップスとか竹内まりあとか

ケッ

ドライブしながらナオンこますときにBGMにする音楽が主流だった

註:あくまで18歳当時の筆者の感想です、苦情のお便りはご勘弁下さい

そして フュージョン・・・カシオペアの ' Asayake 'が大流行していた。
16というリズムに触れたのはこれが初めてであり、
C葉から出てきたばかりの少年にとってはかなりカルチャーショックであった。

まぁ、そういう時代だったのだ。

しかし同じ頃に日本のロックシーンも熱く燃えていて、例えばルースターズなどが新しい波として
台頭し始めていたのだが、その頃の僕はガチガチの舶来嗜好に凝り固まっていて

「本場のモンしか聴けっかよ」

と (嫌な奴だなぁ・・・全く・・・by 15年後の自分
クロスオーバー繋がりでジェフベックを聴きこんだりしていた。とはいっても、一朝一夕にコピーできるような
シロモノではなく、正直 自分のアイデンティティに疑問を覚え始めていた。

「このまま、このサークルにいていいのだろうか?」

さて新人の大半はそんな疑問を覚えることもなく時代に迎合する、もしくは
そのなかで妥協しつつもやっていく術を覚えるのだったが、どこにも異端児というのはいるものだ。

僕が髭と一緒に(登校した)初日に勧誘してしまった、ノリマツ(仮名)だ。

彼はもともとはフォーク野郎で長渕剛に傾倒していたが、
長渕が「これからロック」宣言をTVでしたとかでそれに倣ってわけもわからず

「俺はロックンローラー!」

と吠えていた。かなり特徴的なオトコであったのだが、
僕の拙い文章で彼のことを少しでもみなさんにお伝えできるだろうか?

 

--------ノリマツ(仮名)のプロフィール-------

a. 顔がゴジラに似ていたこの画像のゴジラをオオカミカットにしてストラトを持たせてみて下さい

b. 大学入学して初めてエレキを買ったが、
どこにシールドをつなぐのか判っていなかった

c. 大学入学して初めてタバコを始めたが、
ライターで火をつけてやっても「吸わなかった」ので
いつまでたっても火がつかなかった

d. 大学入学して初めての飲み会で
カルーアミルク」を飲んでひっくり返っていた

e. 大学入学して初めての合コンに参加したが、長渕の話を延々1時間独演した彼は
まるで殺人級の歌唱力でリサイタルを催す、「ジャイアン」のようだった

f. 武蔵小杉にあった彼にアパートに遊びにいくと
(実家の静岡から送ってくるという米を炊いて)夕食をご馳走してくれるのだが
オカズは「ご飯ですよ」だけだった

g. それにしてもゴジラに似ていた、今にも火を噴きそうだった

h. ' Desert Song 'では彼をボーカルに迎えたのだが、
グラハムボネットの歌メロを完全に無視した彼のアバンギャルドな歌唱はかなり「パンク」だった

i. でも岡田有希子のファンだったりした(笑)

j. 酒を飲んでY談をして彼に話を振ると本気で怒った。キャラを自覚していない。

----------------- ここまで ----------------

という訳で(どんなわけじゃい) mackはしばらくこのゴジラ君とつるむことになる。

彼は既に大学ノートに何曲かオリジナルを書きためているという話だし、何よりやる気があった。

高校生じゃないのだ!こらからはオリジナルで勝負なのだ!ロックをやるのだ!
カシオペアに対する反感から僕とノリマツ(仮名)は意気投合したかに見えた。

よし、それじゃ、一緒に曲でも作るか!とノリマツのアパートに出かける。
とりあえず缶コーヒーとマイルドセブンで一服し、おもむろにノリマツ(仮名)がさしだす創作ノートに目を通す。

彼が昨晩寝ないで作ったという力作の詩だ・・・・
筆圧が強いらしいノリマツは Bの鉛筆を使って、太い字で彼の情熱を吐き出していた
(以下抜粋)

 

俺は鎖につながれてる
俺の足には鉛の玉

俺の住まいは見張られてる
俺の寝床は監獄のなか

(中略)

HEY LADY, ARE YOU READY ?
HEY LADY, ARE YOU READY ?

逃げ出せ、自由な世界へ
逃げ出せ、俺と一緒に逃げ出そう

 

・・・地元の静岡で何かヤバイ橋渡ったんですか?
つか、LADY、ARE YOU READYって韻踏んでるの?!(爆)


註:もう15年ほど前のことなので細かいところは歌詞違うかもしれません-でも大枠はこうでした

ガチガチの舶来嗜好に凝り固まって」いた僕がノリマツ(仮)の感性を却下し、
彼が宅録くんになったのは夏を前にした7月のことだった。短い蜜月であった(笑)

 

時を同じくして、新人コンサートのためのリハーサルも始まっており・・・


シークレットポリスマンズ・コンサート → エリック・クラプトン、ポリス時代のスティングなど、ブリティッシュ・ロックの雄が集結した'80年代を代表するロックコンサートの模様。エリック・クラプトンとジェフ・ベックの競演、ピート・タウンゼントの弾き語りなど、貴重な映像を満載しており、I Shall Be Released は、同コンサートの最終曲、全員で演奏されスティングがボーカルをとった
何故か課題曲 ' Cottonfields ' でベースを弾く mackの姿があった
(断れなかったのねん)
# ベースは誰かから Aria Pro II を借りて使っていた・・・

そして自由曲 ' I Shall Be Released ' では始めてのレゲエのリズムに苦闘しつつ
ソロでは6連符を連発する、mackの姿があった。
# ギターはマツカワ(仮名)から借りた Bill Lawrenceのストラトを弾いていた
< 似合わねー(笑)

註: I Shall Be Released は、ご存知のように THE BANDがオリジナル。わりと宗教色の強い曲ですが、ここではレゲエバージョンで演奏されています

 

(多分、続く)


Do Me !
Copyright : Mack@Sons' 2001- All Rights Reserved