PRISM at 小岩eM SEVEN

2004/03/30(tue) PRISM at 小岩eM SEVEN

文:ZOFFY

一昨年デビュー25周年を迎えた、日本初の本格的フュージョン・バンドと言われるPRISM。
昨年は“Present 1”“Present 2”のリメイク・ベスト盤2枚、2年ぶりのオリジナル・アルバム【mju:】をリリース。
更にはポリドール時代の旧譜4作の再発。この春には、80年代後期から90年代初期の旧譜6作を再発と、
メンバー・チェンジ以来にわかに活動が活発なPRISMが、この3月、PRISM Spring Tour 2004“Next Step”と
銘打った全国20本に及ぶ一大ツアーを敢行しました。PRISMのライヴに通い始めて8年になる私にとっては、
これほどアクティヴな動きを見せてくれるPRISMは初めてであり、大いに注目していました。
そして、ツアーFinal Eveにあたる3月30日(火)、小岩eM SEVENにおいてKFC協賛ライヴが組まれました。
PRISMの出演は、建さん在籍時の2000年7月21日以来、3年8ヶ月ぶりです。

夕方からのあいにくの雨天をも吹き飛ばすような、白熱の演奏の始まり始まり〜。

1.Cycles of Life(木村万作)
【mju:】の1曲目を飾るこの曲で幕開け!
イントロ前の新澤さんの荘厳なオーケストレーションが、これまでよりも長めでぐっ
とドラマティックに奏でられ、さあ、今夜はどんなライヴが繰り広げられるか?と、期待感を煽るようです。
アキラさんのギターは、まさに驚異の超絶技巧!言い尽くされた表現ですが、そうとしか言いようがありません(笑)。
7/8ながら、このどっしりとした重厚なサウンドは堂々たるものです。

後半で8ビートにリズム・チェンジして加速するところが、何ともカッコイイんですよ!
この曲を初めて聴いた時、「PRISMはまだまだ進化し続けている!」と、確信しました。

2.Prime Directive(石黒彰)
同じく【mju:】に収録のナンバーです。
アキラさんとはW.I.N.Sの同僚であり、古くからセッションで演奏されていた石黒さん作曲によるこの曲が、
PRISMのアルバムに収録され、晴れて作品化となりました。
サビのギターのメロディーが最高に熱い、私も大好きな曲です。
治郎さんのbソロも炸裂!

3.Shadow of the Jungle Gym(和田アキラ)
オリジナルは1983年の“永久機関”で、“Present 1”にリメイクで収録。
シュールなタイトルと、“PRI−BOSSA”とでも表現したくなるような曲調のミディアム・チューンで、
ファンの間でも人気の高い曲です。今回のライヴの演目でも再三出てきますが、
アキラさんの曲はアルペジオの存在感が非常に大きいものが多いのが特徴です。
バラッド、ミディアムで聴ける、万作さんのウィンド・チャイムも効果的です!

4.Network(岡田治郎)
これも【mju:】からのナンバーです。
PRISM加入以前は、先祖代々の○言により?○教上の理由により?曲を書かない、MC
はやらないという二つを頑なに押し通していた(?)治郎さんが、PRISMに参加するや、
曲は書くはステージでもよくしゃべるは・・・・(笑)。
新生PRISM初ライヴでこの曲を初めて聴いた時、私はビックリ仰天しものです。
難易度の高いユニゾンなどは、非常にPRISMらしいナンバーです。

5.Memory of the Moment(和田アキラ)
オリジナルは1981年の“Community Illusion”で、“Present 2”にリメイクで収録。
“4”から間髪を入れず、万作さんのハイハット・カウントを挟んでメドレーで演奏されました。
Cメロで、当時のメンバー中村哲さんのsaxを思わせるホーンのシミュレート音を、
新澤さんが繰り出すのがうれしいところです。
個人的には、もうちょいテンポが速い方が好きだなぁ(笑)。

−休憩−

6.つづれおり(新澤健一郎)
2ndセットは、【mju:】に収録されているこの曲でスタート! 
最初CDでこの曲を聴いた時は、「やけにジャズ・ファンク風だなぁ。」と、
少々違和感がありましたが、そんなことは今や雲散霧消し、ライヴではすっかり定着した感があります。
新澤さんがギターを生かすために書いたという、入魂の一曲です。

7.Beneath the Sea(和田アキラ)
オリジナルは1978年の“Second Thoughts/Second Move”で、“Present 1”にリメイクで収録。
この壮大な組曲こそ、究極のPRISMサウンドです!
数あるPRISMのオリジナルの中でも、私が最も好きな曲です。
最初のテーマの後のbソロのバックで、新澤さんが弾く白玉がいいのです!
最近のライヴでは、アキラさんが前半部、後半部のgソロの終りに、かつてのフレーズを取り入れるようになったのが、
オールド・ファンにはたまらないところでしょう。私はオールド・ファンじゃないですけどね(笑)。
この曲や“5”を、新澤さんのmoog入りでやったら絶対にはまる!と、思っていたので、
一昨年あたりからライヴのレパートリーに加わった時は、小躍りしたものです。
この曲は、最近はまたかなりテンポが走り気味ですね〜(笑)。

8.元寇(木村万作)
“Present 1”ラストに、新作として収録されたすごいタイトル(笑)のナンバーです。
これは何と言っても、作曲者・万作さんのdsソロにとどめを指します!この日はいつ
になく長めのソロでした。本当に私が今まで聴いてきたライヴの中でいちばん長かったですし、気合充分でした。
KFCの皆さんの声援に、「すっげーな、その掛け声・・・。」と、つぶやく場面も(爆!!)。
スナッピーをオフにしたり、タムでリム・ショットを放つなど、普段は聴けないアプローチも飛び出しました。
スプラッシュのカコーン!もおなじみですね(笑)。小力の強いドラミングは、いつ聴いてもパワフルです!
渾身のdsソロの後のkeybソロは、今回はMOTIFのピアノ音で奏でられましたが、これは初めて聴いた気がしました。

9.Wind(和田アキラ)
オリジナルは1982年の“Visions”で、“Present 2”にリメイクで収録。
シンプルなコードながら、こちらもアキラさんのアルペジオが印象的な、
長きにわたりライヴでも演奏され続けている人気ナンバーです。
最近のライヴでは、最初にbソロが挿入されるようになりました。これもいつもより長めでしたね〜。
万作さんのスネアも昔より軽めのタッチだし、二度目のテーマ前とエンディングで、
新澤さんが暴風音(?)を鳴らすなど、ここ最近でアレンジが大きく変貌を遂げたナンバーですね。
怒涛の2ndセットもこれにて終了です。

10(Enc.).Maze(岡田治郎)
2001年の“In the Last Resort”の1曲目に収録されています。
この絶妙の9/8がたまらないのです!
dsソロを挟み、エンディングに向かってどんどん昇りつめていく展開は迫力満点です。
フレッテッドながらもフレットレスのような(?!)しなやかな音色の治郎さんのbは、
これまで聴いた中でも白眉の出来映えだったと思いました。
治郎さんは、今回のライヴでは立ち位置がフロントだったせいもあり、
まるで治郎さんがバンド全体を引っ張っているような印象さえ受けました。
スラップも多用し、ライトハンドまで飛び出すなどノリノリで、KFCの皆さんも大絶賛でしたね。


KFCの皆さんの大声援も手伝って、eM SEVENのギグは大興奮のうちに幕を閉じました。
終演直後、友人が「ZOFFYさん(とは呼ばれてないですけどね。^^;)が薦める意味がわかった!」
と、言ってくれました。ありがたい言葉です!これだけのツアーでライヴ数をこなしてくると、
やはりバンド・サウンドもどんどん良くなっていったという感じですね。
一昨年の入院で体調が心配されたアキラさんも元気いっぱいで、完全復活したという声を何度も耳にしましたし、
私も同感です。そして今回特筆すべきことは、音響が素晴らしかったことです。
本当にいい音で聴くことができて大満足です。
今回のツアーで、メンバーは諸氏は物販にも大いに力を入れておりました(笑)。
PRISMのCD4枚に、WYSIWYGやNervioのCD、万作さんの教則DVD、そしてツアー限定Tシャツも販売されました。
万作さんがツアー中に張り替えたタムのヘッドにメンバー全員のサインを入れ、

物販購入者にあみだくじで当たるという、終演後のお楽しみ企画もありました。
サイン入りヘッドは、4会場で4点賞品になり、1名に当たるという具合でした。
あみだくじ企画千秋楽のこの日は、万作さんの使用済みスティックにアキラさんのピックも加わり、
3名が賞品を獲得できるサービスもありました。
私はTシャツを購入しましたが、惜しくもはずれでした〜(笑)。

私は、KFC協賛ライヴに出席するのはこれで8回目ですが、本当に毎回毎回すごく楽しいです。
KFCの皆さん、ありがとうございました!
Tシャツの誤植問題もありましたが(失笑)、メンバーの皆様、強行軍ツアー本当にお疲れ様でございました!
5/21の杉野講堂デビュー・ライヴ盤リリース、5/30のCROSSOVER JAPAN’04出演、
7/31のCLUB CITTAライヴと、今後も楽しみがいっぱいです。
ソリッドでテクニカルでエモーショナルなPRISMサウンドを、これからもずっと応援していきます!

文:ZOFFY

Guitar Akira Wada

Bass Jiro Okada

Drums Mansaku Kimura

Keyboads Ken'ichiro Shinzawa

Photo by KOH

| what's new | KFC news | about KFC | KFC report | KFC's bbs | LiVE LiVE LiVE | LiNK LiNK LiNK |