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ただ、アメリカの強力な資本主義の中でインディペンデントな活動を貫いていくことは非常にタフなことだと思うのですが、それをやり続けるエネルギー源、力っていうのは何処から湧いてくるんでしょうか?

Joey:ん〜、他に選択肢がないんだよ。メジャーなレコード会社は数多くのバンドと契約するけど、それはコマーシャルというかメインストリームに乗ったバンドに限ったことだろ? そんな中、トム・ウェイツとかジョー・ストラマーはパンク・ロックのミュージシャンが経営するレーベルへと移籍していった。どのレーベルについて話しているか、わかるよね?(※エピタフ・レコードのこと)それが全てを物語っているような気がするね。つまり音楽が全てなんだ。自分が作り上げた音楽は、自分自身で最後まで責任を取らないといけない。ジョー・ストラマーとかトム・ウェイツといった人々は、自分がよりよく変わっていくための犠牲を厭わないのさ。自分が選んだ道に集中して、たとえそれが多大な利益に繋がらないとしても、少なくとも心から音楽を愛する人達と仕事をして、心から素晴らしい音楽を聴きたいと願う人々に曲を聴いてもらうコネクションを作り上げることが重要なんだよ。そうするためには、たとえミュージシャンであるとしても副業を持たなきゃならないかもしれない。でもそれはごく当たり前のことだし、自分のやりたい音楽を続けるために、2〜3の副業を抱えている人なんてザラにいるよ。今みたいな時代では、そうするしか他に方法はないからね。それを続けていくうちに、だんだんとクリエイティヴなことに費やす時間が増えて、たとえ割りのいい仕事だとしても副業を辞めなきゃならない時が来ることもある。それなりの成功を収めて、ツアーに出る機会が増えていくと、それまでとは全く違うシチュエーションに突入していくんだ。以前よりもクリエイティヴにならないといけないし、そうするためには確かにエネルギーもいるよね。でも、そうありたいという情熱があれば何とかなる。プレイしたいという情熱、音楽やアートをクリエイトしていきたいという情熱さえあれば、出口は自然と見つかるものなんだよ。

わかりました。さて、ジャイアント・サンドの新譜がもうすぐ日本で発売されます。カヴァー・アルバムになっていますが、ここにはあなたの選んだ曲っていうのはあるんですか?

Joey:ジャイアント・サンドでは、ハウ(・ゲルブ)がほとんどの決定権を握っているんだ。だからこそ僕達もジャイアント・サンドでプレイするのがエキサイティングなんだよ。ハウがエキサイティングなバス・ツアーのハンドルを握っているような感じだね。僕らキャレキシコもその車に同乗できるチャンスを貰えて嬉しいんだ。彼とプレイするのは楽しいし、僕らはすごくいいコンビネーションだと思ってる。というわけで、ジャイアント・サンドのカヴァー・アルバムに関しては、ハウが全曲の選択をしたよ。でもたぶん、実は彼の奥さんが強く影響しているんだろうけど(笑)。彼女はニック・ケイヴの大ファンだからね。この中で僕らはバッド・シーズの“レッド・ライト・ハンド”をカヴァーしたんだ。

ジャイアント・サンドとしての活動とキャレキシコとしての活動を平行して行なうことで、お互いに刺激になっているということなのでしょうか?

Joey:ああ、いい刺激になっているよ。ジョンと僕はジャイアント・サンドでプレイすることになって知り合ったんだ――確か、10年〜11年くらい前のことになるけど。それ以降、ジャイアント・サンドだけじゃなくて、ヴィクトリア・ウィリアムズとか別のアーティストのバック・ミュージシャンとしてリズム・セクションを一緒にプレイするようになった。お互いに連絡を取り合って、他のミュージシャンのためにスタジオやライヴで演奏するようになったんだ。そうやって様々なミュージシャンのバックを勤めることで、自分達の音楽、自分達のバンドを作り出すきっかけが生まれていったんだよね。うん、キャレキシコを見たりとか、一緒にプレイするミュージシャンも、僕らが通ってきた道と同じように、僕らから何らかの影響を受けてくれたらいいなと思う。それが音楽なんだから。常にお互いが影響しあっていくのさ。

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