Easy Blog








← Prev | 1 | 2 | 3 | Next →

一方“フォーエヴァー・グロウイング・センティピーデス(永遠に成長するムカデ)”や“フィッシュ・イン・ア・ウーム(子宮の中の魚)”などは、超現実的な(SF的な?)内容になっていますが、この発想はどんなところから思い浮かんだものなのでしょう?

Todd:“フォーエヴァー・グロウイング・センティピーデス”は「ポップ・アート的なラヴ・ストーリーかつサイケデリック」っていうようなイメージなんだけど、“フィッシュ・イン・ア・ウーム”に関しては現実にあった話で……

Dapose:かなりカラフルな実話だけどね。

Todd:そうだね、ちょっとグロくて、シュールで……毎日のちょっとした出来事が非常に美しくもなれば、ものすごく醜くもなる、そんなマジカルな自然の力について歌っているんだ……。実際、小さい頃から僕の首におできがあって、そこからへんな白い液体が出るんだ(と言っておできを見せる)。ほら、なんか出てるでしょ!

ほんとだ!

Todd:だろ!(笑)これが、この曲の話なんだ。

そして、1曲目“ゲット・セデュースド”における、メディアとセレブリティと一般人の間に存在するおかしな関係性についての告発や、最終曲“バトル・ヒム・フォー・チルドレン”での生徒の視点を通しての社会批判/反抗の意思表明は、過去のフェイントの表現にも実は潜んでいた要素がより直接的なメッセージ性を感じさせるものとなって表れているような気がします。このことについては曲を書いている段階から、自分たち自身でも自覚的だったでしょうか?

Todd:この曲は、宗教だったり、何が人にとって正しいのかっていう……

Dapose:社会や文化が本当に正しい事を伝えているのかっていうことを伝えたいというようなことかな。

Todd:一方的な思想だけを植えつけられているけれど、それは本当に正しいのか?って疑問を投げかけたかったんだ。

トッドは、1ヵ月ほど前の電話インタビューで「概して、以前よりも色んなことに興味を持つようになったし、学びたいと思うようになった。人類が何をしようとしてるのか、どこから来てどこに行こうとしてるのかみたいなこととか、過去、未来、科学、テクノロジー、言語、とにかくそういったすべてが、前とは比べ物にならないほど興味深いものに感じられるんだ。だからこれは、たぶん30年の人生で初のことだけど、ある意味僕はそっち系のマニアになったんだよ」と語っていました。何かそうなるキッカケがあったのですか?

Todd:僕は変化を常に探している。ただ、誰にとっても今を生きるってことは探索の途中なんだと思うけどね。自分自身のことをもっと追求したり、人生という道のりの上に僕達はいるわけなんだし。

Dapose:多くの人々は自分の弱さを隠すために「それについてはもう知っている、あれに関してはもう経験した」って虚勢を張るけど、僕達はそうはなりたくないね。常に知らないことがいっぱいあって、もっといろんなことを経験したいと渇望する側でいたい。何に対しても心を閉じたくないんだ。

Todd:僕は長年スケートボードだけをやっていて、それだけがあればいいと思っていたし、本当にスケートボードしかなかったんだ。だけど、スケートボードを失った時、初めて音楽に出会えたし、いろんな物事を勉強する喜びを知ったんだ。

Dapose:今こうしてバンドをやっていると、世界中を旅しながらライヴをやって、終わったと思ったら昼夜を問わずスタジオに引きこもる生活をして、そうなると九時五時の生活をしている友人達とはやっぱり色んな面で交われない時もある。だけど、僕達みたいな生活も、「人生の楽しい部分や幸せを探し続けているプロセスなんだ」という部分では、他の誰とも変らないはずだよ。

それがフェイントの基本的な表現姿勢なのですね。

Dapose:間違いなく、常に新しいサウンドに飢えてるよ。

Todd:今までも、そしてこれからも新しいサウンドに飢え続けると思うよ。僕達は常に成長していく生き物だし、バンドにはそんな生き物が5人もいるんだから、状況や時に応じて方向を常にシフトし続けなくてはいけない。同じサウンドのままでい続けるなんて不可能だし、そこにあぐらをかくつもりもないね。

わかりました。では最後に、おふたりの最近のお気に入りを、ジャンルを問わず古いのでも新しいのでも何でもいいので教えてください。

Todd:KILLSはよく聴いてる。

Dapose:僕はジョン・ウィースの「ソフトパンク」ていうアルバムをよく聴いてるな。最近はそれをずっとリピートしてるよ。

Todd:最近は新しいものを探しているんだけど、なかなか見つからなくて……だけどそれって実はとてもいいことで、「自分は今どんなものを聴きたいんだろう?」っていうところから曲のアイデアが浮かんできたりするから、新しいバンドを探しながら、意識の半分は曲のアイデアを練っているような感じなんだ(笑)。とはいえ、最近のフランスのヘッドバンガーみたいなやつはいろいろ聴いてるよ。特に踊れないようなビートのほどいいね。

ありがとうございました。今夜のライヴ楽しみにしてます。そして、ぜひまたすぐ日本に来てくださいね。

Dapose:こちらこそありがとう!

Todd:もちろん、またすぐ来るよ!

Follow Links:

← Prev | 1 | 2 | 3 | Next →

Special Issue | Interviews | Articles | Disc Reviews
Core BBS | Easy Blog | Links

© 2009 HARDLISTENING. all rights reserved.