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今まさにその質問をしたいと思ってたところなんです。最近になって、ニューヨークの音楽シーンが久々に活気づいている様子が日本にも伝えられています。ストロークス、ヤー・ヤー・ヤーズ、レディオ4、ラプチャー、インターポール、A.R.E.ウェポンズなどが話題となっていますが、あなた自身は同じニューヨーカーとして、このムーヴメントをどう見ていますか?

Ian:ニューヨーク・シーンが盛り上がっているのは僕も知ってるよ。だけど、なぜか僕らはその一部には入ってないね(笑)。なんでか知らないけどさ(笑)。君が今挙げたようなバンドのライヴは観てるよ。インターポール、レデイオ4なんかとは一緒に仕事した事もあるし。ああいった類いのバンドはどんどん増えていて、シーンも盛り上がっている。ただ僕らはその中に入ってない(笑)。彼らに共通するのは、スタイルを重視しているところだね。インターポール、レディオ4、ストロークスなんかは究極的にスタイルを確立しているバンドだと思う。

スタイルを重視している、というのは?

Ian:つまり、自分達のルックス、立ち振るまい、イメージを作り上げているってことさ。イメージ重視なんだ。僕らはそうじゃない。僕らはロックをベースにしたポップをやってるけど、こういう音楽をやってるバンドは今のニューヨークにはあまりいないんだ。だから僕らは現在のニューヨークの主流からは外れていると思う。あえてニューヨーク・シーンで近いバンドを挙げるとしたらウォークメンかな? でも、ウォークメンもニューヨーク・シーンからは外れているからなぁ……。

意識的にシーンからは離れていようと思っているのですか?

Ian:ん〜、そうかもね。でもストロークスはすごく良いバンドだと思うし、ヤー・ヤー・ヤーズのアルバムも好きだし……。インターポールもクールだよ。ただ、どのバンドも良い曲を書いてはいるんだけど、どれも数曲で飽きちゃうんだ。だって、同じような曲ばかりだから。うーん、僕の言いたいこと、分かるかな? ディスコ・パンクをやってるバンドはどの曲も同じようなディスコ・パンクでさ、最初の2〜3曲は楽しめるんだけど、延々と同じドラム・ビートの曲が続くだろ? 彼らは見かけにも気を使い、やたらとクールに決めている。まぁ、それは構わないんだけど、アルバム全体の45分間、ずーっと同じサウンドが続くなんて、僕にはエキサイト出来ないよ。なんだろうねえ……。とはいえ、彼らの方が、世の中の他のヤツらよりもずっとマシな事をしてるとは思うけど。

そうですね。さて、元バーニング・エアラインズのマイク・ハービンのレーベル、シルヴァースリーと契約することになった経緯について教えてください。

Ian:バーニング・エアラインズとツアーを廻ったことがあるんだけど、その時に、たまたま自分達の曲をレコーディングしたテープを持っていて、それをマイクにあげたんだ。で、それを聴いたマイクはすぐに「君達のレコードをリリースしたい」って言ってきてくれたんだよ。ちょうど僕らも自分達の作品をリリース出来る場を探していたんだけど、契約やら何やらの話にやたらと時間がかかっててさ。でも彼は、「今すぐに君達の作品をリリースしたい」って言ってくれた。だから彼に任せたんだ。

将来的なことはどうでしょう? また次もシルヴァースリーからリリースする予定なんですか?

Ian:さぁ、どうなるだろう? とりあえずは様子を見て考えるって感じだよ。彼らとはいい関係を保っているけど、今はとにかくデビュー・アルバムの反応を見ているところ。ちょうどジェフがイギリスから帰ってきたところで、イギリスでももっとプレイしたいし。それから日本にも行きたいし、オーストラリアにも行きたい。もっともっとツアーをやらないとね。今はこのアルバムのことで頭がいっぱいだよ。それからレコーディングももっとしなきゃって思うしね。おっと、そうしたらリリースを控えたアルバムが2枚になっちゃうな(笑)。

(笑)ところで、今日は9月11日ですが、ニューヨークの街の様子はどうですか?

Ian:どうなんだろう? 今日はずっとウォルターとレコーディングしてたから、街の様子は分からないなぁ(笑)。

では、最近のニューヨークの様子を教えてください。

Ian:ニューヨークはアメージングな街さ。今ではノーマルな状態に戻ってる。もちろん無意識的にはトラウマがあるんだけど。

ここ10〜15年を振り返って、ニューヨークは住み良い街になったと感じますか?

Ian:いや、反対に住みにくくなってきたね。僕はこの街で育ったんだけど……。今はブルックリンの閑静な土地に住んでいるからマシだけど、過去最高に複雑になってきている。街の喧噪もうるさいし、高層ビルが建ちまくってるし、人の出入りも激しいし……。誰もが時間に追われた生活をしてる。クレイジーだよ。ストリートを歩いていると、気がつかないうちに何時間も歩き続けていたりするんだ。というのも、あまりにも街のインフォメーションが多すぎて、頭に入れなきゃって思うことが山のようにあるからね。まるでラジオみたいに永遠に続くインフォメーションだよ。

街から出たいっていう欲求も出てきます?

Ian:ああ、常にね。ツアーに出て違う土地に行けるのはとてもいい機会だよ。僕のお気に入りの場所は、モホービ砂漠なんだ。あそこには何もないからね(笑)。何百マイル走り抜けても、人ゴミもないし、ビルもないし、広告もないんだから、最高だよ。

では最後に、カルディアとしての今後の予定について教えてください。

Ian:まず、この後1カ月くらいはニューヨークでやらなきゃならない事が山積みになっている。それから10月後半から11月〜12月はアメリカ・ツアー。1月中には日本とオーストラリアにツアーに行きたいと思ってるよ。それから戻って、またアメリカ・ツアーだね。

もう完成しているという次のアルバムのリリース予定は?

Ian:ああ、早く出せるといいね。ツアーがどうなるかにもよるけど。とりあえず、ファースト・アルバムがリリースされる前にセカンドを作り終えてるっていうのは、気が楽だよ。ツアーの合間を見て何週間か休みを取ってレコーディングを敢行するような状況にならなくて済むからさ。とはいえ、家にいる時には常にレコーディングをしているんだけど(笑)。こうやって録りためておけば、コンスタントに作品をリリース出来る。何かを中断して、オフを作ってレコーディングっていうスケジュールを組まなくていいしね。最近のバンドの悪いところは、新しい作品をリリースするのにやたらと時間がかかってることだと思う。ツアーを1年したら、次は8カ月も休みを取ってレコーディングするって感じじゃない? それからリリースされるまでにまた1年、みたいな感じでさ。誰が3年も待てるかっていうんだ。たった10曲のためにそんなに時間を使うなんて全く不可解だね。僕らはコンスタントに新しい作品を出していきたいと思ってる。常に新しい作品をね。僕らの場合、新作を今日リリースすることだって可能なんだ。クールだろ? でも70年代のバンドは当たり前のようにそうやってたんだから。レッド・ツェッペリンなんて1年に2枚のアルバムをリリースしてた。それが今でもクラシックとして聴き継がれているんだから、すごいよね。今なんて、みんな2年とかかけてアルバムを出すけど、それで12曲全部ゴミみたいな曲だったりするんだから(笑)。2年もかけるんだったらもう少しマトモなものを作れよって感じだよ(笑)。

ごもっともです。ぜひ、あなた方のライヴを見たいので、今回の日本盤リリースを機に、絶対に来日してください。

Ian:うん。とにかく1月中には日本に行きたいと思ってる。たくさんショウをやりたいね。日本でプレイ出来るのは光栄だよ。


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