washtubとの出会い |
WashTub Bassを初めて見たのは、25年前神戸のライブハウスでの事。
「なんじぁコリャ! こんなんアリ!」
ー初めてこいつを見た人は音を聞く迄これが楽器だとはきっと思わないだろう。そう、まさしくそれが問題なのだ。
ギターは弾かなくてもギターだが、楽器に見えない楽器はステージを離れると、ただの洗い桶なのだ。そして楽器を運んでる僕は、周りから見ればバケツを担いだ変なおじさんなのだ。
この瞬間くらいギターを担いでる奴を羨ましく思う事はない。
僕はこの直径56cm、高さ29cmのバケツをケースに入れず持ち歩く。
東京だろうが九州だろうが、JR、私鉄の区別なく裸で運んでいる。車内では当然、僕の周りには空間があく。これをラッキーと捉えるには5年かかる。
担いだままアベックを追い越す。一瞬アベックの会話が途切れる。次に起こる笑いを聞いてホッとする心境に達する迄は10年を要する。
若い頃は、いつかこの楽器がメジャーになったら周りの目も変わるだろうと思っていた。
あれから早や25年・・・
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