舞台美術用語マ〜モ行
[マ]
【間】
俳優の科(しぐさ)、白(せりふ)などの行動と次の行動との間の「間合い(まあい)」の事をいい
ます。その「間合い」の取り方で緊張感に起伏が生まれます。「間に合う」「間が抜ける」など
は、これから出た言葉。

【前舞台】forestage
舞台の緞帳あるいはプロセニアムより前方の部分のことをいいます。

【捲く】
舞台の進行時間が予定より早くなること。

【幕】
演技のない時に舞台の前に垂らす布。または、演技の一段落。
舞台で使用されるいろいろな用途の布製の幕類の総称です。舞台機構・設備の一部で、吊物
として使われる「緞帳」「中割幕」「袖幕」などや、舞台装置の一部として使われる「背景幕」「段
幕」などがあります。

【幕間】
劇場で一幕終わって、次の幕が開くまでの間。芝居の休憩時間。

【幕開き】(まくあき)
芝居で演技の始まること。開幕。

【幕内】
いわゆる舞台裏全般の総称で、そこに働く人をいう事もあります。楽屋を表す「幕の内(まくの
うち)」という言葉から来ています。
役者、大小道具、衣装、床山、照明、音響関係、楽屋従業員など、舞台生産に従事する人々
や機構を慣習として幕内と呼ぶ。
 
【幕切れ】(まくぎれ)
芝居の一段落がついて幕となること。

【間口】width
「奥行」に対して横幅を表す言葉。舞台開口部のこと。
セットや物を正面から見た横幅。間数。
劇場や会館は、だいたい8〜10間の間口

【幕前】
緞帳の前の部分をいいます。「幕前芝居」などといって、幕奥の舞台転換の時間をつなぐため
の小場面のシーンなどに使われたりします

【幕外】
お芝居の最後、幕が引かれた後に役者さんが花道に残って演技をしながら引っ込むことがあ
る。これを幕外の引込みと言う。必然、残された役者さんに観客の目が集中することになる。

【幕溜り】
上手チョボ床(→ちょぼ)と舞台額縁との間、下手おはやしべやと額縁との間をいう。引幕が開
けられたとき幕がたまっているからこの名がある。幕尻ともいう。 

【間仕切り】
一つの空間を仕切ったり、部屋と部屋の簡易的な仕切や目隠しをする用品の総称。

【マスキング】masking
客席の観客の視線から舞台が「見切れ」ないように処理すること、またはそのための物をいい
ます。例えば「一文字幕」、「袖幕」、「袖パネル」、「かがみ」などのことです。

【マスキングテープ】
パネルとパネルの隙間を埋め経師紙をその上の張ります。

【松羽目】
能舞台から派生した様式の舞台。老松を描いたパネル・バック幕状のもの。
竹を描いたものは竹羽目。

【マチネ】
昼の公演のこと。

【マニラロープ】(Manila rope)
マニラ麻で造った綱。耐水性・耐久性に富むので、船舶用として重要。
会館、劇場の綱元の引き綱ロープで使用しています。

【丸物】
張り物や切り出しなどの平目に対して立体的な作りの道具を総称して「丸物」とよびます 。

【回る】
回り舞台による舞台転換のこと。明転を指す場合もあります。

【回り舞台}】revolving stage
舞台機構の一つで、舞台床を円形に切り抜き、それを回転して場面転換に用いたり、象徴的
な演出効果を得たりするためのものです。同心円の二重のもの(蛇の目)や並列に二つに並
べたもの(双子)などのバリエーションがあり、組み立て仮設のものもあります。18世紀中頃大
阪角座の歌舞伎芝居で初めて用いられたと言われる舞台機構で、この床の上に二場面また
は三場面の舞台装置を飾り、これを手動で回転させて素速く場面を転換しました。現在は電動
によるものがほとんどですが、古い歌舞伎舞台で手動の機構が残されている所もあります。
「盆」と呼ぶこともあります。

【マンボウ】
フォークリフトやハンドリフトで一気にすくえるようにするために道具や資材の下に入れる枕木
材。通常は2寸角か3寸角の木材。ばた角ともいう。

[ミ]
【見切り】
舞台裏(奥)を隠すために出す張り物または切り出しのこと。別名「つきだし」。

【見切れ】wing flat
舞台袖や、上部の吊りもの等、客席から見えてはいけないものが見える事。

【見切幕】=東西幕
袖幕類のうち、舞台の間口が広すぎて、通常の袖幕だけでは左右の端の観客席から 舞台袖
が見えてしまうような場合、舞台の手前から奥に対して設けられる幕を東西幕 と呼びます。 

【見込み】thickness
出入口、窓などの張物に写実的に壁などの構造体の厚みを付けることを言います。またはこ
の厚みのことをいいます。

【水糸】
すみだし用の色のついた糸。チョークラインともいいます。

【水布】
主に歌舞伎舞台で、川・池などの水面を表す場合に敷かれる水色の地がすり状の布のことを
いいます。

【水引】
緞帳の直前にある一文字幕のこと。本来は舞台の開口高を調節するための物。

【導板】
仮設足場や重量物のタワー、養生板などに使用。サイズは4M×200、2M×200。

【三つ打ちロープ】
もっとも一般的なもの。ごく普通に見られる3本撚りのロープ。

【見せかけ】
「所作舞台」において所作台の客席側の面の木口を隠すための化粧框(かまち)のことをいい
ます。檜材で作られ、正面は体裁を整えるため斜めに作られています。

【ミラーマット】
高発泡ポリエチレンシートです。軟質でクッション性に富み、しかも、独立気泡体ですから断熱
性防水・防湿性に優れています。包装資材、建材用、農業資材、雑貨用など広範囲で使用さ
れています。

[メ]
【目板】
大道具の張物同士をつないで飾るとき、つなぎ目を目立たないようにするために、一方の張物
の端に取り付ける薄い板状の物のことをいいます。これは背後からの明りの漏れるのを防ぐ
機能を持っています。「刃」ともいいます。

【明転】(めいてん、あかてん)
舞台が明るいまま舞台転換をすることで、「いどころ換わり」や「回り舞台」による転換で使われ
ることが多く、舞台裏の「見切れ」などをぼかすために多少光量を落とす場合もあります。俗称
では「あかてん」といいます。

【目地】(メジ)
道具の設営時に元からある床の印や模様、床目のこと。

【目高】
目線の高さ。

【目違い】
木と木の継目が凸凹であること。

【目張り】
道具で隙間を埋めるためにテープや紙を張ること。

【面】
部材の角を削り取ってできる装飾用の形状を面または面形と言い、角を加工することを“面を
取る”または“面を付ける”と言う。

【面木】(めんぎ)
コーナー部分の面取りをするための材料。木製、プラスチック製がある。

【面取り】
面を取ること。木材などでは全て直角ではありません。必ず面取りして、ぶつかっても割れたり
怪我をしにくいようになっています。鉄骨やパイプをカットしたときも面取りします。

[モ]
【毛氈】(もうせん)
フェルトともいいます。羊毛や合成繊維で毛で織った布です。

【木支木】

【木台】(もくだい)
一辺が3寸で長さを1尺に切りそろえられた角材です。

【綟幕】(もじまく)gauze
 寒冷紗の様な目の荒い布でつくられた幕。紗幕ともいう。前後の照明の加減によって、夢幻的
な効果を出すことが出来ます。また、屋体の場面で座敷と座敷の境目をはっきりさせるためや
演技上必要な時に襖や障子などを立てると観客の邪魔になる場合に、紙の代わりに「もじまく」
を張ることがあります。それを「もじばり」といいます。

【綟張】(もじはり)
昔はあまり用いられなかったが、近年になってから亡霊などの道具に使う紗布を利用して像を
ぼかす手法である。
 
【モデックス】
クサビ結合式型枠・支保工システム。仮設足場、仮設スタンド、ステージに多目的に使用可
能。

【元滑車】
バトンを吊っている何本かのワイヤーの真上の簀の子に取り付けられた、それぞれの枝滑車
を経たワイヤーを束ねて、吊物機構にガイドする滑車のことをいいます。【木車】
木の滑車

【文字】
一文字幕。舞台上部を上手から下手へ横切っている幕。「カスミ」ともいう。

【揉み貼り】
パネルに経師貼りをするときに紙にしわを寄せて貼る手法。地獄貼りとも言う。

【モルトン幕】






  



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