小説

著:やまももけんじ

『 方舟がキミを運ぶね 』

~第二十二章 オリジナル~

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~第二十二章 オリジナル~
P.9 

『方舟が君を運ぶね』

あの白い方舟が君を遠くに運ぶね
僕は山の頂でそれを見ている 一人見ている

町に降りた大きな舟 なんの木で作られているんだろう
見たことの無い綺麗な年輪
ふれると微かに震えてる まるであの時の君みたい
空が割れて大地が砕けて世界の終わりがやってくる
全てを乗せて、全てを奪って、
舟は世界の終わりの向こう側へ飛んでいく

遠くの空で君と目が合った 君と対になったあの人へ 
どうかどうか君を響かせて と願って僕は世界に飲み込まれてく
空に消えてく君に掛ける言葉を僕は知らない

あの白い方舟が君を運ぶね
僕は山の頂でそれを見ている 一人きりで 一人きりで


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