~第二十二章 オリジナル~
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その日はなぜか、始業式を終えるまで、いつきは顔を出さなかった。隣りの教室を見ても友達と一緒に話しているのでこちらから話しかけられなかった。そして始業式が終わって、教室で帰る支度をしていると、いつきが真剣な顔で入ってくる。
「時は来た。世界ズ、集合!俺の家で今日は打ち合わせと歌詞見せあいしないと。」
「あっ・・・うん・・・」
いよいよだ・・・真剣ないつきを見ていると、自分が完成していないって言い出せなかった。帰り道でもいつきは一言も話さない。カンナと僕は少し後ろを歩きながら声をかけられずにいた。そういえば方舟にカンナが入るのはこれが初めてだ。
「そうだ、カンナ知らないだろうけど、方舟に入るのって面白いんだよ、暗号があってさ、それが不思議なんだ。いつきが言うから見ててね。」
「応答せよ、応答せよ、我を乗せてくれ。」
「アイテ ハ イマスカ」
「相手、欲しい。」
「イブ ガ マッテイマス ドウゾ」