小説

著:やまももけんじ

『 方舟がキミを運ぶね 』

第二十一章 サマートライアングル

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第二十一章 〜 サマートライアングル 〜
P.1 

~第二十一章 サマートライアングル~

その年の夏休みはすごい早さで過ぎて行った。
お母さんもお父さんも驚いてた。僕が一つのことをこんなにするのは初めてだったから。

僕は毎日ギターを弾いた。
初心者向けの曲はまだゆっくり・・・間違えながらだけど、少しずつ、本当に少しずつだけど、出きるようになってきた。少しでもギターを弾けるようになると、いつきがどれだけベースを頑張っていたかってよく分かる。

音楽室からは大きな音でベースの気持ちいい音が響く。方舟とは違う低い音。でもなぜかいつきっぽい綺麗な音に思える。

そしてカンナもいつきのピストルズに合わせてドラムを叩いた。
少しぎこちないけど、僕から見ると、二人が、お互いに合わせて演奏しているのがよく分かった。カンナが少し遅れるといつきがそれにちゃんと合わせて、二人がバンドをやってるっていうのがかっこよかった。

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