小説

著:やまももけんじ

『 方舟がキミを運ぶね 』

第二十章 ライト&シャドウ

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第二十章 〜 ライト&シャドウ 〜
P.9 

「でもせいたろうに秘密って、何で?隠す必要ないじゃん!隠すほうが俺イヤだよ。せいたろうだって喜ぶよ。喜ばない訳ないじゃん!・・・いや自分から言うって・・・それは俺から言っちゃ駄目ってこと?なんで?・・・一緒に初めて演奏を披露した時?でもやった時って・・・来年かも知れないんだぞ?それまで俺、待つの?いや、カンナの気持ちが変わらないって言ってもさ・・・う、うん。そりゃいいけど・・・そりゃいいに決まってるよ。当たり前だろ?俺、カンナ好きだもん。ずっと待つよ。・・・うん。世界ズはもっと良くなると思う。」

・・・そっか。そうだよ。そりゃそうだよ。

僕なんか冴えなくて取り得も無い男がなに一人でやってたんだよ。そりゃそうだよ。誰が考えたってそりゃ僕な訳ないのに一人で何を浮かれてたんだろう。なに一人で。

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