第二十章 〜 ライト&シャドウ 〜
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「俺さ、腹減ったから焼きそば買ってくる。ちょっとここで待っててよ。並んでるからちょっと遅くなる。カンナはどうする?」
『 私、晩御飯食べてきた 』
「そっか、じゃぁちょっと行ってくる。待ってて。」
そういうといつきは踊りの人たちを掻き分けながら出店の中へ潜って行った。髪留めを渡そうとしたけど、いきなり渡すのも変だし、何を話せばいいのか、悩んでいると、横にカンナが見える。踊りの方をずっと見ていた。僕らは神社の鳥居に寄りかかりながらそれを見ていた。
「お祭りってすごいよね、音も大きいし、こんな町でもこれだけ人が来るんだもん。そうだ、何か買ってこようかな・・・。あ、杏飴食べない?買ってくるよ。お父さんからお金もらってきたからカンナの分も買ってくる。お金いいからね。」