第二十章 〜 ライト&シャドウ 〜
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~第二十章 ライト&シャドウ~
「あっという間の夏休みだー!これでようやく思いっきり音楽室使えるな。あっついけど楽しみだよ。俺らの使える日って、もうメモした?」
「したよ、僕、部活なんて初めてだしなんか、休みの日に学校にくるなんてドキドキするよ。」
「なっ、俺もそう。なんか青春!って感じするよな。夏休み中に歌詞とかメロディーとかなんか出来たらいいんだけどさ。カンナも考えておいてよ。特に歌詞とかいいんじゃないかなって思うんだ。世界ズって考えたのもカンナだし、言葉の才能あるよ。なぁ。」
「うん、僕もそう思う。カンナが作ったほうがいいと思う。」
『 一応考えてみる。いつき君もせいたろう君も考えてね。 』
相変わらずカンナは話すことは無かったけど、僕らのことを名前で呼ぶようになった。「君」は付くけど名前で呼ばれることが嬉しかった。仲良くなった証拠だし、カンナと一緒にいる時間が楽しかった。丁寧な言葉もやめて欲しいっていつきが言ってくれたお陰で、言葉も、より友達らしくなった。でも、家でお父さんと何があったのか、今も起こっているのか、それを聞くことは出来なかった。ずっと話したいとは思っていたけど。