第十九章 〜 スタート 〜
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そうして僕ら世界ズは初めての練習を始めた。練習って言うのが恥ずかしいくらいの練習だったけど。いつきと磯野さんと一緒にドラムをやって、僕は本を見ながら分からないことはいつきを呼んで説明してもらった。ギターって本当に難しい。左手で抑えて右手で弾くんだけど、左手の指がまず動かない。抑えてもうまく鳴らない。弾くたんびに向こうの方でいつきが笑ってる。何度もひざの本が落ちたり拾ったり、課題曲なんて夢のような遠い道のりに思えた。でも、磯野さんは、驚くほど上達するのが早かった。2時間も無いくらいの練習だったけど、8ビートとかいうのは、ゆっくりだけど、出来る様になってた。すごいかっこよかった。