小説

著:やまももけんじ

『 方舟がキミを運ぶね 』

第十九章 スタート

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第十九章 〜 スタート 〜
P.4 

「せいたろう、磯野さん、おはよっす。」

「・・・おはよう」

「なんだよ、せいたろう元気ないじゃん。あっ、磯野さんの教科書届いたんだ、良かったじゃん。これでいつきと机並べなくてもよくなるもんな。はは」

「お、おい、変なこと言うなよ。」

「そうそう、お爺ちゃんに聞いたらさ、今日の放課後、音楽室使っていいって言ってたから行こうぜ。二人とも平気?」

「僕はいいけど・・・」

遅くまでは無理ですけど、いけます

内心ホッとした。磯野さんがもう一緒にしてくれないかって心配してたから。その日は、授業も頭に入らなかった。一緒に机をつけることの無いことで、僕は話すタイミングが分からなかった。結局、お昼休みになるまで二人で話すことは無かった。

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