ZZ Top
THE BEST OF ZZ TOP
1977 London/Warner Bros. |
1. Tush (US#20/75) 2. Waitin' For The Bus 3. Jesus Just Left Chicago 4. Francine (US#69/72) 5. Just Got Paid 6. La Grange (US#41/74) 7. Blue Jean Blues 8. Backdoor Love Affair 9. Beer Drinkers and Hell Raisers 10. Heard It On The X |
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ウルトラ・ハード・サザン・ブギー。これ最強。 ZZ Top との出会いはもちろんアルバム "ELIMINATOR" からの "Gimme All Your Lovin"(US#37/83) ということになります。もちろんテクノロジーとサザン・ブルースを融合した80年代の諸作も大好きですが、彼らのアルバムを遡り始めてガツーンとハマってしまったのが、初期のゴリゴリのブルース時代。このベスト盤はそんな70年代の代表曲を押さえた手頃な1枚。 本作収録曲の出典となっている London Records 時代の5枚のアルバムは以下のとおり。 US#-/71 "ZZ TOP'S FIRST ALBUM" (8) US#104/72 "RIO GRANDE MUD" (4, 5) US#8/74 "TRES HOMBRES" (2, 3, 6, 9) US#10/75 "FANDANGO!" (7, 10) US#17/77 "TEJAS" (1) チャートファンのためについでに整理しておくと、ヒット曲は "Francine"(US#69/72)、"La Grange"(US#41/74)、"Tush"(US#20/75) の3曲を収録。"La Grange" と "Tush" については92年発売の18曲入り "GREATEST HITS" にも収められていますから、このディスクの聴きどころはむしろその他の曲たち。これがもう膝までズブズブなのですよ。ブルースに。 ところが、ビリー・ギボンズ(Vo, G) + ダスティ・ヒル(Vo, Bs) + フランク・ベアード (Ds) の3人は決してブルースだけを聴いていたわけではなかった。ここがポイントです。デビュー当時の彼らは、意外にもディープ・パープルやモット・ザ・フープルの前座まで務めたブリティッシュ・ロック好き。泥臭く強靭なサザン・ブルースと洗練された英国ハードロックの融合。テキサス一帯を1軒1軒つぶしていくクラブ・サーキットを通して独特の音に昇華された ZZ Top 印ブギー。ライヴで叩き上げた足腰の強さは、ここに収録の10曲からも十分に感じ取れます。73年1月からのローリング・ストーンズの全米ツアー前座をこなし、驚異的なライヴ・アクトとして認知された彼らのパフォーマンスを聴いてみたいお方には、上にも挙げた75年の "FANDANGO!" アルバムをオススメ。B面がライヴ収録なのですが、どうして片面だけなのかと悔しくなること請け合いの凄まじさ。 ZZ Top といえば長いヒゲがトレードマーク。 このベスト盤をリリースした頃の写真もやっぱり長いヒゲ。しかしその長いヒゲの根っこ部分、すなわち生えたばかりの部位が、その後伸びつづけて80年代の彼らのヒゲの最先端の部分に達するわけで。 だからこのベスト盤は、80年代のピコピコ ZZ Top が好きな人にこそ聴いてほしい。なぜなら、80年代の彼らの最先端のサウンドも、装飾音を排除して根っこをたどればここにあるブルース/ブギーに行き着くことがわかるはずだから。それはまさしく、彼らのヒゲの成長と同じことなのです。 お気に入りベスト3 1. Tush (やはり完成度はピカイチ。女の子のお尻を追っかけるテキサス魂) 2. Heard It On The X (テキサスの荒野を砂埃をあげて疾走) 3. Beer Drinkers and Hell Raisers (ビリーとダスティのヴォーカル掛け合いがクール! ギターソロも◎) |