Van Halen


BEST OF VOLUME I


1996 Warner Bros. Records
1. Eruption
2. Ain't Talkin' 'Bout Love
3. Runnin' With The Devil
4. Dance The Night Away
5. And The Cradle Will Rock...
6. Unchained
7. Jump
8. Panama
9. Why Can't This Be Love
10. Dreams
11. When It's Love
12. Poundcake
13. Right Now
14. Can't Stop Loving You
15. Humans Being
16. Can't Get That Stuff No More
17. Me Wise Magic


 アメリカン・ハードロックといえば、やっぱりヴァン・ヘイレン。リアルタイムで聴き始めたのは "1984" アルバム以降ですが、当時毎週欠かさずチェックしていた小林克哉さんの『ベストヒットUSA』で "You Really Got Me" などの古い映像を見るにつけ、その豪快なロックぶりにのめりこんでいったものです。

 チャート少年だったので、"I Can't Drive 55" のヒットはもちろん知っていましたが、その Sammy Hagar が加入したときには驚いたものです。そもそも、Sammy が Montrose にいたことや、そのデビュー盤がVHの1st同様 Ted Templeman 制作で、いずれもロック史上に残る名盤だなんて、ちっとも知らなかった。Dave 派と Sammy 派の論争も懐かしいものがありますが、正直言ってどちらもそれぞれの魅力に溢れているので、決めることなんてできないっす。ついでに言うと、VH最大の魅力は Alex Van Halen のあのパタパタした異様なドラムサウンドと、歴代のどのヴォーカリストより上手とされる Michael Anthony のコーラスではないかという説もありますが、それはさて置き。

 これは96年にリリースされた待望のベスト盤ですが、注意点しなくてはならないのは「グレイテストヒッツとしては不十分である」ということ。つまりチャートヒットは全然網羅しきれてないよってことです。デビューから18年かかって初めてのベスト盤ですからやむなしとはいえ、デビュー曲 "You Really Got Me"(US#36/78) や、"(Oh) Pretty Woman" (US#12/82), "Dancing In The Street" (US#38/82) といったヒット曲たちを、単純にカヴァー曲だからって理由で落とすのはあんまりでしょ。他にも "I'll Wait" (US#13/84), "Love Walks In" (US#22/86), "Finish What Ya Started" (US#13/88) その他のトップ40ヒットも軒並み欠落。ここはタイトルからして "VOLUME II" に期待してねってことなんでしょうね。

 となると聴きどころはどうしても新曲の16&17。特に本作発表直前に Sammy が飛び出したため "Diamond" Dave Lee Roth を呼び戻しての新録となると、俄然期待が高まるわけです。出来はまずまず。Dave は低迷期を経ての復活だったこともあり、レンジは多少狭くなったかもしれません。それでも彼の声が聴けるだけで昔からのヴァン・ヘイレンファンにとっては感涙もの。サミー・ヘイガー時代のカラッとしたポップな曲調とは異なり、ややブルージィな展開もそそります。このメンバーでぜひライヴを観たい!…と思ったのも束の間、諸般の事情により再びデイヴとエディは仲違いしてしまい、後任には元Extreme のゲイリー・シェローンを迎えることになったのでした。結局アルバム1枚でクビ、その後はエディの体調不良もあってしばらくアルバムリリースが滞ることになります。

 さて、旧曲について言えば Bernie Grundman Studio の Chris Bellman がリマスタリングしていて、音質が相当向上してます。初期 Warner Bros.盤のショボいCD音に嫌気がさしてるお方なら、そのためだけに買っても損はないでしょう。


お気に入りベスト3
1. Why Can't This Be Love
2. Panama
3. Ain't Talkin' 'Bout Love

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