Diary -July 2002-
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31 Jul 2002 Wednesday |
ゆりかもめの駅で爆破事件を起こした少年は、以前からロケットに興味があったという。こういう優れた才能にロケット開発をやらせればH2Aロケットのような無様な失敗も減るだろうに…とお考えの皆さんこんばんは。ひょっとして、だから日本はダメなんだ、とか思ってますか? 前半の議論には大いに興味がありますが、「だから日本は…」 となった瞬間、個人的にはかなりどうでもよくなる。要するに国家という枠は僕にとって大き過ぎてほとんど実感が湧かないのです。ダメな国に住んでいるという実感があればさっさと別の国に引っ越せばよろしい。永住権だって札束を積めばどうにでもなる。そんなことぐらいオトナの貴方なら十分承知のはず。この世界は貨幣がモノを言う資本主義社会にして英語が事実上の世界共通語。この期に及んで「お金がない」とか「英語がしゃべれない」とか言うの禁止です。英語を学ぶ機会なら義務教育を含めこれまでいくらでもあった。お金を貯める機会だってこれまでいくらでもあった。それらをしてこなかった人だけが、この国と運命を共にする。彼らにとっては「国家」というシステムは今も大きな意味を持つのでしょう。一蓮托生、まさに一緒に沈む船であるならば当然のこと。 なぜ少年はロケットに興味を持っていたのか。ロケットを作ってこの国から脱出したいなんていう崇高な理念があったのならカッコいいかもしれないけれど、まさにその瞬間に彼は「だから日本は…」の仲間入りをしてしまう。ただ彼には英語を学ぶ時間もお金を貯める時間もまだ十分になかった訳で、だからこそ爆発物を研究してロケット実験をしていたのかもしれない。とすればやはり、いろいろな意味で、惜しい才能を失った。 *** 要するに英語や財産形成の勉強はしっかりすると良いよ。 僕はロケットでどこまでも飛びながら、余生は本でも読んで暮らしたい。 P.S. 後藤真希と保田圭がモーニング娘。から脱退することが発表されました。後藤に何かを感じたことはなかったのでどうでもよろしいが、保田圭の脱退は正直痛い。単に個人のキャラクター云々の問題を超えて、モー娘。というユニット自体に与える影響が極めて大きいような気がする。そんなことどうでも良いのだが、余生に何を書こうが僕の自由なのであります。とすればやはり、いろいろな意味で、惜しい女性を失った。 |
28 Jul 2002 Sunday |
最近心をよぎったこと。 ●読書について。 最近は文庫本も結構高い。ちょっと厚いやつは700円とか800円とか平気でつけやがる。それでも、やっぱり本ってのは相対的に見ると安価なメディアだろう。あれだけの情報量を他の手段で手に入れようと思ったら数百円ではすまない。もちろん音楽(CD)や映画(DVDとか)も優れた娯楽だけれど、そのモバイル度と楽しみ方の自由度において、本を凌ぐものをちょっと思いつかない。どこにでも持って行けて、たとえば電車の中とか公園とかビルの屋上とか、普段と違うところで読書するのも楽しい。 だいたい、CDやDVDの悪いところは作り手の時間軸に支配されてしまうってことだ。5分の曲は、もっと聴いていたくても/或いは聴くに耐えないウザさでも、5分間しか付き合えない/或いは5分間も付き合わねばならない。映画だって同じこと。そこへ行くと本は自由だ。1ページを10秒で読み飛ばそうと、言葉の一つ一つをじっくり味わいながら10分かけて読もうとまったく構わない。行間に勝手なイメージを膨らませることも可能だし、眠くなったらパタンと本を閉じてしばらくお昼寝し、起きてから何事もなかったように続きを読むことも可能だ。要するに読み手が主導権を握れる場面が多い。 そんなこんなで、最近またいろいろと本を読みたい気分です。とりあえず、文庫の 「ハイ・フィデリティ」 を古本屋で200円で買ってきました。あと、文春新書の 「地名の世界地図」& 「人名の世界地図」。これは古今東西の有名な地名や人名の語源を探りながら、いろいろな謎を解き明かすというもので、結構面白いです。他にも面白い本があったらBBSで教えてくださいませ。 ●セックスについて やや唐突ですが。 はっきりした理由があって 「するのは嫌いだ」、という人がいても全然気になりませんが、ある程度分別のつくようになった(肉体的&精神的)大人であれば、普通にセックスを楽しむことは何らおかしいことではないです。むしろ楽しむべきだ。ここでは1対1で向かい合う、オーソドックスなスタイルのものを指しています。ヘンな道具や役割分担はなし。身体と身体、あるのはそれだけ。ある意味究極のコミュニケーションではないか。自分だけ気持ち良くなるのは簡単なようでいてそうではなく、お互いに相手のことを思いやりながらすることによって、より大きな快感に至ることができるのは皆さんご存知のとおり。すごく不思議で素晴らしい共同作業だと思う。 ところで日本語はこうした話題にどうにも適していない言語で、適切な語彙が決定的に不足しています。恐らくこの種の話題を普通に議論することが想定されていない。秘め事として語る隠語は豊富なのかもしれませんが、それってすごくつまんない。そこへいくと例えば英語では "make love" という便利なイディオムがあって、ラヴソングの歌詞なんかにもさらりと登場します。「愛を造る」、と書いてセックス。読んで字の如し、まさにそれは2人で愛を造る行為なわけで。そういう言語と、それを用いる文化圏に生まれた人々がちょっとだけ羨ましくもある。人生なんて、要するに楽しんでナンボのもの。Making love も含めてみんな大いに楽しむがよろし。 |
21 Jul 2002 Sunday |
ここで唐突にスター・ウォーズネタに戻りますと、ご存知のお方も多いでしょうがジェダイの騎士の 「ジェダイ」 ってのは 「時代劇」 の 「時代」 から作られた造語です。時代劇における悪代官との闘い、勧善懲悪のストーリィを愛し、黒澤 明 監督に心酔するジョージ・ルーカスならではですね。そう思って映画を見れば、「フォース」という概念や、妙に精神性を重視する師弟関係などなど、東洋的な設定が目に付いてくるはず。だいたい、光線銃を撃ってくる帝国軍兵士たちに対して、ライトセイバーでチャンバラを挑もうってあたりが恐ろしく時代劇。シリーズ全作、クライマックスシーンはいつだって剣 vs 剣の真「剣」勝負。斬るか斬られるか、殺るか殺られるか。剣士が男性ばっかりなのもしょうがない。ルーカスの観た数々の時代劇フィルムには女性剣士などいなかったはずだから。 ついでにもう少し言うと、高度な科学技術や宇宙船を見てると見落としがちですが、スター・ウォーズは未来の宇宙戦争なんかじゃなくて、むしろ大昔の戦争記録。映画のオープニングで 「A Long time ago, in a galaxy far, far away...」 という有名なフレーズが登場します。これは日本の昔話における 「むかーしむかし、あるところに…」 にかなり近い設定。 そう、スター・ウォーズは昔話である。これはひどく重要なポイントでしょう。なぜか? なぜならば、アメリカには昔話が存在しないからです。いや、「存在しなかった」 というべきか。少なくともスター・ウォーズが登場するまでは。 たかだか数百年の歴史しかない新興国家アメリカ合衆国においては、数千年あるいはそれ以上の歴史を誇る欧州大陸や中国のような伝統がありません。国民全体が共有する懐かしい思い出、拠って立つべき共通の精神的基盤が欠如している(正確に言うと「まだできていない」)。「ふるさと」 みたいな概念もやや弱いわけですが、それを無理やり作ってしまったのがウォルト・ディズニーで、ディズニーランドはアメリカ人にとってそこに行けば何故か懐かしい郷愁に浸ることができる、老若男女一緒に楽しむことができるスペースとして存在しています。つまりそこは人工的なアメリカ人の 「故郷」。 では 「昔話」 はどうなったか。かつて遠い宇宙で行われた戦争物語。欲望に目がくらみ、悪いことばかり企む帝国軍を、反乱軍の戦士たちがジェダイの騎士の精神的援助(フォース)を得て打ちのめす寓話 「スター・ウォーズ」 シリーズがアメリカ人たちの心をがっちり捉えたのは想像するに難くありません。主人公の青年の成長物語を絡めて、これまた老若男女誰でも楽しめる相当に分かりやすい構成、その瞬間にスター・ウォーズはアメリカ人が共有する 「昔話」 の座を確保してしまったのです。 しかしそれは偶然ではない。ジョージ・ルーカスの仕掛けを細かく観察していくと、これは実に周到に用意された企画であったことが分かります。そのひとつは先日書いたジェダイの騎士のブリティッシュ・アクセントであって、英国人俳優の教えに従って成長していく主人公の青年(マーク・ハミル)がどこからどう見ても頼りない米国人青年であることも決して偶然ではない。英国と米国の歴史的な関係や、時代劇に象徴される日本/東洋の精神性の関係性を読み解こうとする人もいるでしょう。初期3部作の制作年次を考えると、帝国軍の姿にソ連の影を見出すこともできるでしょう。また、チューバッカのようなウーキーや、その他多数の宇宙人やアンドロイドたち。様々な存在が共存して宇宙を構成している姿に、人種や民族や宗教がバラバラなままで民主主義と資本主義だけをキーワードに国家を運営していこうとする米国の壮大な試みを重ね合わせることも可能です。特に2作目以降ハン・ソロの親友として重要な役を演ずるランド・カルリシアンが黒人であることにはかなり大きな意味がある。(そして1作目には目立った黒人俳優が出ていないことにも逆の意味で大きな意味がある。ダース・ベイダーの声役のジェームズ・アール・ジョーンズの姿は最後まで画面に出てくることはない) *** でもそんな小難しいこと考えなくても、普遍的なラヴストーリィとしても楽しめるのがスター・ウォーズ。最新作の「エピソード2」だって、アナキン・スカイウォーカーとパドメの恋愛モノとしての評価がかなり高いみたいだし。クラシック3部作にしたって、ルークとレイアが兄妹と分かった瞬間にハン・ソロとレイアの恋愛成就。深読みできると同時にこれだけ分かりやすい作り故の大ヒット。 なーんて書いていたら、まさにネットでこんな記事を発見ですよ。 ハリソン・フォードが恋人公開ハリソン・フォード(60)がロス市内で行われた主演映画「K−19」のワールドプレミア上映会に、恋人で女優のキャリスタ・フロックハート(37)を連れて登場した。同映画は米ソ冷戦時代に放射能漏れ事故に直面したソ連の原子力潜水艦乗組員たちの姿を描くパニックアクション大作で、フォードは製作総指揮も務めた。記念すべきツーショット初公開の場として情熱を注いだ映画のお披露目会場を選んだ。映画の日本公開は12月14日。2人はマン・ブルーイン・シアター正面入り口に手をつないで現れた。報道陣の前を笑顔を見せながらゆっくりと歩いた。フロックハートはテレビドラマ「アリー・マイ・ラブ」でブレークした人気女優で、日本でもおなじみ。フォードは01年10月に18年連れ添った脚本家メリッサ・マジソンさんと離婚し、直後の今年1月から23歳年下のフロックハートとの交際がスタートした。公の場にそろって姿を見せたのは今回が初めて。米誌に「結婚間近」と報じられたばかりで、アツアツぶりから年内ゴールインの可能性も出てきた。 おいハン・ソロ、お前ってヤツは…STAR WARS シリーズと Ally McBeal シリーズを同じくらいにこよなく愛する自分、ハリソン・フォードとキャリスタ・フロックハートがそれぞれ大好きな男優・女優である自分にとって、果たして喜ぶべきなのかどうか、微妙に複雑な気持ち。とりあえずはお幸せに。 …キャリスタにレイア姫のコスプレさせたりするんじゃねえぞゴルァ(笑) |
20 Jul 2002 Saturday |
今日の小さな幸せ。 土用丑の日とくればもちろん、ウナギを食べなくちゃ。炊きたての熱い白ご飯の上に、スーパーで買ってきたウナギの蒲焼を乗っけてタレをかけ、山椒を振ります。おっとその前に、蒲焼はグリルで軽く炙るとよろしい。ジューシーにしてアツアツの、美味しさ倍増蒲焼になります。すぐに食べたいのが人情ですけれど、こと料理に関してはちょっとだけ手をかけた方が良い。その分間違いなく美味しさが増すから。恋愛も似たようなものかもしれません。 *** 料理ネタを続けると、先日作ってみたこんな料理はなかなか良かった。語るほどのものでもありませんが、まず挽き肉をフライパンで十分に炒めます。聞くと、挽き肉というものはすべからくしっかり炒める必要があるらしい。つまり、通常の肉に比べて空気に触れる面積が大きいため、細菌が繁殖するのも早い。という訳でよく炒めた挽き肉に、刻んだ茄子をたくさん入れましょう。茄子は地味ですがいぶし銀の存在感を誇るお野菜です。夏場には特によろしい。そして、この上にトマト缶を空ける。どぶどぶどぶ。後はこいつをグツグツ似こむだけ。味付けは塩胡椒の他に、ソースの類で少し辛めにしてあげるといいんじゃないかな。トマトというやつは想像以上に水っぽいので、何か濃い目の調味料でピリッとさせてあげないとどうにも味が締まらないのです。 トマトの甘酸っぱさと、茄子の懐かしさを取り巻く挽き肉炒めの微妙な味わい。このまま食べても美味しいし、白身魚やシャケを焼いてその上にかけちゃってもいいかもしれない。肉 meets 魚、細かいこと言わないで。何ならワインも赤と白両方用意しちゃって。 その他スパゲティのソースを作るのにも便利だし、トマト缶はなかなか活躍してくれる。そんなわけでキッチンに数缶常備しているアイテムだったりします。一見何でもないような、トマト缶が備わっているだけの小さなキッチン、それが今日の小さな幸せをもたらしてくれる。人生って思ってたよりどうやらずっと単純。 |
18 Jul 2002 Thursday |
「レコードマップ」という本をご存知でしょうか? 文字通り、日本全国のレコード・CD屋さんの所在地マップであり、それぞれのお店の特徴や品揃え、価格帯などに関する豊富な情報が詰まっている、レコード/CDコレクターにとってのバイブル的な書籍です。 自分自身、この本に掲載されている情報を基に、1枚でも多くの音盤を1円でも安く買う(あるいは1円でも高く売る)ために、新宿や渋谷のレコード屋を毎日毎晩歩き回った90年代を思い出します。僕の部屋を通り過ぎていった千枚以上のCDたちと過ごした幸福な時間は素晴らしい想い出ですし、ひとつひとつのお店で1枚1枚CDを探す過程で身体に刻み込まれた「探し物が見つかりそうな穴場」「中古市場価格の相場」「各店舗の在庫の回転状況」などの感覚は、他の手段では得ることのできない貴重な財産となっています。 かつてほど頻繁にレコード屋を巡回しなくなった自分ではありますが、相変わらずレコード屋、特に中古レコード屋は大好きです。そこにはいつも「出会い」と「別れ」がある。足繁く通うことで報われることもあれば、たまたま入ったお店で宝の山に巡り合うこともある。タッチの差で前の人に買われてしまった後ということもある。人生の喜びと儚さと無常とが複雑に入り組んだ摩訶不思議なドラマティック空間、それがレコード屋さん。 上のようなストーリィに少しでもピンとくるものがあるお方なら、今の僕の気持ちを分かっていただけると思います。学陽書房から出版されている「レコードマップ」を作っているのは本の出版社という会社ですが、実は先日そこのご担当者からメールをいただきまして、秋頃発売予定の来年度版レコードマップで組む予定の「読み甲斐のあるwebsite」(仮題)という特集にて当 WINTER WONDERLAND も紹介させていただきたい、とのことでした。まだまだ至らぬ部分ばかりのサイトではありますが、かつてお世話になった書籍への掲載のお誘いに対する驚きと喜びから、もちろん2つ返事で快諾してしまいました。どちらかというと驚きの方が大きかったです。正直言って。 日常生活の中で時間を見つけながらサイトを運営する作業は、当初考えていたのに比べて遥かに地味で孤独なものでした。それでもこうして読んでくださるお方がいらっしゃるからこそ、少しずつでも文章を紡いでいこうと思うことができます。今日もまた感謝しながら、たとえ遅くなろうとも丁寧な文章を書くよう心がけたいと改めて思いました。いよいよ佳境に入った My All Time Favourites を始め、まだまだコンテンツは充実していきます。どうぞ長い目で楽しみに見守っていてくださいませ。 |
14 Jul 2002 Sunday |
「料理しながら皿を洗うってヘンですよ」 「ていうか私たち女の子を莫迦にしてるんですか。料理しながら同時に皿を片付けるなんて、言わば口説きながら同時にどうやって別れるか考えてるようなものなんじゃないですか」 「winterさんの良識を疑います。中古CDを漁ってる間にも、どこの中古屋に売り飛ばせば最も高く売れるか考えていたんですね」 昨日の日記に非難轟々、すっかりいけ好かないナンパ中古CD転売野郎になってしまいました。…ウソです。メイルなんて来てません。むしろ募集中。正しく反応していただいた cota さんには感謝です。カナダのロックバンド、ラヴァーボーイの82年全米29位のヒット曲 「それ行け! ウィークエンド」 はある意味誤訳。原題("Working For The Weekend")を含むコーラス部分を歌ってこそ意味がある。 ♪ Everybody's working for the weekend Everybody wants a little romance Everybody's goin' off the deep end Everybody needs a second chance, oh そう、自営業でもない限り、僕らは週末のために働いている。 *** でもってその週末ですが、思いがけずスター・ウォーズ三昧。 まず第一に、先週だったかな、渋谷のHMV改装記念CD大セールに行ったところ、なんと STAR WARS TRILOGY ("A New Hope", "The Empire Strikes Back", "Return of The Jedi") のサントラが各300円で山積み。もちろん96年再公開の「特別編」仕様で、未発表テイク多数収録の各2枚組×3作=6ディスク。基本的にジョン・ウィリアムスは天才作曲家だと思っていて、同時代に生きていることは奇跡に近いと感じているくらいに好きな人なのです。とはいえ、普段クラシックを聴く訳ではない自分がオーケストラものCDをこんなにまとめて買ったのは初めてだし、今後もしばらくなさそう。CDレビュウはトップページなどで別途やる予定です。 さらに、先週金曜日の夜は待ちに待った STAR WARS Episode I : The Phantom Menace がついにテレビ放映とあって、しっかり録画して観たですよ。詳細な感想は別の機会に譲ろうと思うけれど、率直に言って悪くなかった。クラシックなSWファンがニヤリとできる瞬間もたくさんある。アナキン・スカイウォーカーのレースシーンも迫力あった。ただ、ダース・モールがあんなにあっさり死んでいいのかなと。あと、彼もアミダラ女王もややフェイスペインティング過多な気がしますがどうですかまあいいです無視してくださいクラシック3部作ファンの繰り言ですから。 そんな心情を見透かしたように昨晩は "The Empire Strikes Back" をテレビ放映ですよ。2ヶ月くらい前に「ジェダイの復讐」をやったばかりで、この前後感覚のなさには参りますが、いずれにせよ観ちゃいます。もうそれぞれ何回ずつ観たかもよく分からないくらい。「帝国の逆襲」はクラシック3部作の中では比較的地味な印象があって、それは全体的に氷の惑星ホスだとかヨーダとルークの長い修行シーンだとか、ルークとダース・ベイダーの親子戦闘シーンだとか、暗い映像が多いからかもしれない。また、前作以上に「次に続きまっせ」的な伏線張りにあくせくしてしまった結果かもしれない。それでもやっぱり見どころたくさん。 エピソード I と「帝国の逆襲」を原語で観ていて気付いたことがあった。それは、ジェダイの騎士に脈々と流れるクイーンズ・イングリッシュの系譜。要するにオビ・ワン・ケノービですが、クラシック3部作で御大(故)アレック・ギネスに演じさせていたのにはきっと訳がある。つまり誇り高き存在、敬意を抱かれる存在たるジェダイの騎士たちは格調高きブリティッシュ・アクセントでしゃべらねばならない。軽薄なヤンキー英語であってはならない。とジョージ・ルーカスが考えたのかどうか分かりませんが、アメリカ人から見るとそういう部分もあるんじゃないでしょうかねー。それで新作ではオビ・ワンをユアン・マクレガーが演じているのか。そう言えばダース・ベイダーの声(声だけです。中身は別の俳優)担当のジェームズ・アール・ジョーンズはミシシッピ出身のブラックですが、彼が発する深みのあるベイダー声もまた、どことなくクイーンズ・イングリッシュを思わせる格調高い発音なのでした。 エピソード II がテレビ放映されるまでにはもう数年かかりそうですね〜。 |
13 Jul 2002 Saturday |
台風一過、暑くなってきました。台風そのものはまだまだやってくるのでしょうが、いよいよ夏本番です。昨日は今年初めてクーラーを稼動。夜中から明け方にかけては自然の風が入ってくるのでよいのですが、帰宅直後はやはり一気に部屋を冷やしたい。こう暑いと、ただでさえぼんやりしてるのにますます仕事のうっかりミスも多くなってユーウツ。ま、過ぎたことはしょうがない、次から気をつけていきまっしょい。 しかし、サラリーマンってのは週末ゆっくりするために働いているようなもんですが、その週末がこう早く過ぎ去ってはかないません。洗濯機を回したり(2回くらい)、洗濯物を干したり、布団を干したり、掃除機をかけたり、ゴミを出したり、たまったお皿を洗ったり、買い物に行ったり人に会ったりしていると、あっというまに土曜日曜が終わってしまう。Time flies とはこのことで、時間にはまさに羽根がついており、ちょっと目を離すとすぐさまどこかに飛んで行ってしまうのです。 ところで上の列挙事項の中に不正確な点がありました。「たまったお皿を洗ったり」。 というのは、あまりお皿をためないようにしているからです。もともと皿洗いがちっとも苦でないというのもありますが、要するにお皿やグラスや鍋やフライパンは、使い終わったらため込まずにどんどん洗う。もっというと、料理しながら、ボウルや計量スプーンや一時退避用大皿などの出番が終わる度に、料理の片手間にどんどん洗ってしまう。作りながら同時に片付けもやってしまう、これ台所の整理整頓の基本みたい。ため込んじゃったお皿の山を見るとユーウツになりますからね…。もっとも、つけ置き洗いが効果的なものについては多少つけておいたりします。 *** 帰りに立ち寄った古本屋で、ずっと気になっていたのになぜか反抗して読まずにいた岡 真史の詩集 『ぼくは12歳』 を買い、一気に読みとおしてさらに繰り返しページをめくる日々。ちくま文庫から出ている新版で、巻末に両親と読者の書簡やりとりなどが付加されています。痛いほどにみずみずしい言葉の数々と、彼なりに貫いた短い命。彼の命の終わらせ方を「美学」で片付けてよいかどうかはともかく、考えさせられることは確かです。彼のご両親はこの詩集を出版するにあたり、若者の自殺に与える影響をプラスマイナス随分考えたようですが、結論から言うと、この本を読んで自分も死のう!と思うことはほとんど有り得ないんじゃないかと思う。これほど美しく散られると、もはや並の散りかたでは対抗できないから。 それより問題なのは、岡 真史くん自身は本当に公表されることを望んで詩を書いていたのかどうかという点でしょう。これはカフカの諸作についても言えることなのだけれど、本人不在の場面で見つけた人が勝手に 「これには価値があるから公開しよう」 と決めてよいものかどうか。文章や絵画は書かれた/描かれた時点で、誰か他人に読んでもらう/見てもらうことをある程度意図したハーフ・コミュニケーションである、という擬制も可能でしょう。でも、文章を他人に読んでもらうのも好きな一方で、自分のためだけに、自分の考えを整理してはっきりさせるためだけに、自分を楽しませるためだけに書く文章というのもあるような気がするのです。想定読者1名、自分だけのための文章。ある種のパーソナルな日記などはそういうものだろうし、それはきっとネット日記として読んでもあまり面白くない。 岡くんがインターネット時代に生きていたら。 多少は異なる生き方をしていたのかもしれませんね。それとも? |
7 Jul 2002 Sunday |
時節柄、ウィンブルドンの話題から。 男子決勝を見ながら書いてます。ヒューイットとナルバンディアンの試合ですが、どちらが勝っても初めてのウィンブルドン優勝ということで。オーストラリアとアルゼンチンという組み合わせもまた珍しいのではないのかな。パラパラと降ってくる雨で何度も中断しています。すぐに青空が広がるあたりがロンドンらしい。あちらでは滅多に傘をさしません。何故ならすぐに止むから。そして湿度の高い日本と違って、濡れてもすぐに乾くから。 だけど何といってもウィンブルドンで一番カッコいいのは、雨が降ってきたときにコートにカバーをかける若者たち。整列して一斉に走りながらコートとネットにカバーをかけていく。その整然とした動きこそがウィンブルドン。 *** 今日は大根三昧について考えてみたい。 大根三昧とは何か。それは独り暮しの自炊においてしばしば発生する現象。つまり、安さに負けて大根を一本丸ごと購入してしまうこと≒一人あたりの消費限度超過であるからして、料理のあらゆる局面で大根を利用せざるを得ない状況に追い込まれるわけです。そこで例えばある日の夕食が、大根を具にした味噌汁+大根サラダ+焼魚に大根おろし、といった状態になってしまうこと、これが大根三昧。 大根は好きな食材なので一向に構わないのですが、個人的に気になるのは葉っぱの部分。最近はスーパーでも葉っぱ部分がたくさんついてる大根はあまり見掛けません。とはいえ、10センチくらいついてる青葉の部分を丸ごと捨てちゃうのもどうかなーと。小さく刻み、ジャコと一緒にごま油でざっと炒めて豪快にご飯にかけて食べるとなかなか美味しいのです。せっかくの食材なら、できるだけぜーんぶ美味しく味わいたい。この一品が加わって、ますます大根三昧度が加速する週末。 *** くよくよするなよ。 スティーヴィーは歌った。Don't you worry 'bout a thing。 そうだね。前向きに行こう。明日からまた1週間。 |
6 Jul 2002 Saturday |
イギリスに行くと必ず買ってくるもの。紅茶? ノンノン。革製品? ハズレです。 答えは右のシミ取りクリーナー、VANISH(ヴァニッシュ)。"Ultimate Stain Remover" と名乗るだけあって効果は抜群。汚れのついた服に塗って洗濯機に放り込み、普通に洗濯するだけで信じられないほど劇的にシミが落ちちゃいます。白物に付いた醤油やケチャップもへっちゃら。もちろん色物にもダメージなしでシミだけを取り去ります。TESCO みたいなスーパーの日用品コーナーに普通に売ってる安い商品ですが、これ最強。まさにお勧め。今週は腕をケガしてプチ出血したのですが、ワイシャツに付いた血もキレイさっぱり消え去りました。 そんなわけで、上の導入文から以下2題ほど展開。 *** どうやらイギリスに行けそうな気配です。といっても出張、お仕事ですけれど。 今のところの予定は10月末から11月上旬に、ロンドンとベルリンを回って各都市で 「東京って素晴らしい街でっせ、おいでませ東京!」 みたいなイベントや観光業界向けセミナーをやる模様。一都民としては 「それってどうなのよ?」 感が非常に強い企画なのだけれど、そこはそれ、事務方が全力を尽くして説明した上で、それでもやるんだと社長・副社長がGOを出すからにはやるのです。行くのです。成果を挙げるのです。もちろんロンドンは大好きな街だし、ベルリンだってオリバー・カーン様の勇姿によりかなり好感度アップしつつあるドイツの首都。要するに個人的にはこれらの都市でお仕事できるのは大歓迎。行ってきます頑張ります、そして VANISH 買ってきます。忘れずに。 ちなみに出張にはもう1コースあって、アメリカ西海岸、シスコ&LAで同じようなイベント&セミナーをやるパターンもあります。実はまだどちらに駆り出されるか(あるいは両方?)分からないのだけれど、こっちに転んだら転んだで西海岸は初めてなので超楽しみ。問題は VANISH が買えるかどうか。それだけだ。 *** とはいっても VANISH が使えないこともあり。例えばスーツにこぼしちゃったビイル。そのことを思うと僕の心は金曜日の夜に遡って 「あそこでもう一度やり直せれば…」 と深く深く後悔するのです。 それは職場のワールドカップ打ち上げ&暑気払い飲み会。別にW杯でブラジル優勝おめでとうっていうんじゃなくて、自分の部署でいろいろとお仕事やってたのです。各国から訪れる外国人サポーターの皆様のための情報提供窓口の開設とか、24時間の通訳センター運営とか、各種の東京ガイドマップの作成などなど。まあそんなわけで盛り上がっておった訳ですが、そこで直属の課長(肝っ玉母ちゃん系)とちょっとトラブりまして。 どうも課長は最初の席配置がお気に召さなかったようで、しきりに 「席替えしてよ〜」 と訴えていたのですが、いつも部長課長の飲み相手として夜中まで付き合ってあげてることもあり、それなりにいい仕事してる自信もあり、何だか疲れていたせいもあり、たまには職場の同年代の仲間の席で飲みたかったこともありで、半ば無視して周りと楽しく飲んでましたところ、課長が突進してきて 「どけって言ってるじゃないのよ!」 と席に入り込み、その弾みで自分のスーツにビイルがザバっとかかってしまったというわけ。 今にして思えば、自分がさっと席を立って課長と入れ替わってあげておけばよかったのです。すべては初動ミス。でも実際には、周りの人が差し出してくれたおしぼりでスーツを拭きながら、かなりムッとしつつ席を移動したというわけ。それを見た課長は 「何よあんた。怒ってるの? 怒ってるわけ!?」 と追い討ち。「いやそんなことないですよ、大丈夫です」 と取り繕う自分の声がこれほど虚しく響くとは。結局この夜は課長と席が近づくことはなく、関係修復のチャンスを逸しました。2次会についていってお酌してあげるという手もあったのでしょうが、その時点ではあまりにも理不尽な怒られ方をしたと思ってたので、つい同年代グループに合流してしまったと。まあそっちも盛り上がったわけですが、自分はさっきの出来事が気になって上の空。結局ここでは自分が手を滑らせて再びスーツにお酒をこぼすという事態発生。完全にかぶり系の夜。 こんなスーツは仕方なくクリーニングに出すのみ。 できれば思い出のシミも VANISH でキレイさっぱり落とし去りたいところですが。 *** 世の中の大抵の出来事は、実は大したことないことばかり。 この件だって 「どうでもいいことで何を悩んでんだよ、気にしすぎだよ」 とか 「課長だってきっと悪かったと思ってるって、引っ込みがつかなかっただけだよ」 なんて思われるかもしれませんね。できればあの時点に戻ってやり直したいけれどそれは無理。とすればここは率直に謝って許してもらおう。一緒に仕事してる上司部下、くだらない感情のしこりほど不毛なものはないから。月曜日の朝イチが最後のチャンス、できるだけ元気良く、さっぱりと。 大したことないって。大抵のことは、何とかなる。何とかできるよ。 |
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