Diary -June (2) 2001-

日記才人

バックナンバーはこちら

30 Jun 2001
Saturday



 午前8時起床。朝食はオムレツ(具はピーマン+タマネギ+あらびきソーセージ)、お味噌汁(茄子+ワカメ)、ご飯(納豆+刻みキャベツ+梅干のほぐし身)。

 午前中は大手町は三井物産本社ビルのファミリーセールに出向く。もちろん物産にファミリーなどいないが、持つべきモノはコネクション。しかし真の目的はセールではなく、10羽のカルガモ親子の観察にある。あいにく今日は小雨模様だったが、親子そろって一斉に毛繕いする可愛い様子に出会えた。なぜかカルガモ親子は一斉に同じ行動をとる傾向があるらしく、10羽そろって水に頭を突っ込んでお尻をプリプリ振る様子もしばしば見られるそうだ。小さい毛玉のようだった子カルガモもすっかり大きくなっていて、皇居のお堀を渡って行く日も近いのかもしれない。

 お昼は神田駅まで散策して、適当な居酒屋昼定食メニューを食す。ある意味屈辱的なランチセレクションとも言えるが、世の東西を問わず、空腹こそは最高の調味料。好き嫌いのない自分の胃腸にプチサンクス。

 午後は両国に足を延ばす。江戸東京博物館の入場券を入手していたためだが、駅改札を出たところに忽然と姿を現した "LONDON PUB RAILWAY TAVERN" の文字に思いきりコース変更を余儀なくされる。JR両国駅下でバスペールエールを¥380で飲めるとあらば踏み込まずにはいられない。店内内装もなかなかいい感じだったが、元はサンディーヌだったんだって。果肉入りバナナソフトクリームなんかも売っていて、なかなか美味しかった。

 江戸東京博物館自体はバブル後遺症の建造物なのであまり多くを語らずにおく。あのポンピドゥーセンターのしょぼい模倣のようなエスカレーターは何とかならないものか。両国の景観を著しく損なっているような気がしてならない。

 今日最後の目的地は水道橋。東京ドームにて巨人vs広島の観戦だ。…だが、ドーム到着が17時半とあっては、内野自由席がすべて埋まっていても文句は言えない。立見席にて1回の裏表まで見て、名残惜しくも球場を後にする。尊敬するキヨさんのテーマ曲、長渕剛の「とんぼ」も一緒に歌えたしね。それにしても入来祐作はダウンタウンの松ちゃんに似ている。

 帰宅後、巨人戦をテレビで見ながら、お土産の餃子チャーハン弁当を食す。餃子の王将・水道橋店のテイクアウト。このお店の餃子はやっぱり大好き。肉団子もいかにも安そうな脂身の多いひき肉とパン粉がたっぷり。ドリンクはキリンの夏期限定醸造発泡酒、『常夏(生) エクストラドライ』。今日初めて試してみたのだが、なかなか美味かった。満足満足。

 満足…といえば、今夜も帰り道に黒猫クロちゃんに会えた。普段いる場所にいなかったので諦めて歩いていくと、10メートルほど離れた空き地にお座りしているクロちゃんを発見。呼ぶと「ニャ〜ン」とお返事。相変わらずとても可愛いおばあちゃんネコなのでした。



29 Jun 2001
Friday

 いよいよ夏本番。日増しに暑さが厳しくなってきました。こうなると、どこか涼しいところ、例えば北海道なんかに出かけたくなってしまいます。

 北海道。それは単に高緯度にある涼しい地というばかりではありません。見渡す限りの大地、澄みきった空気、どこまでも青い大空、限りなく美味しい農畜水産物の数々…

 そして女の子も可愛い。
 いやこれは偏見かもしれません。そうした土地に魅せられた自分の目が、道行く北海道の女の子たちを可愛く映し出しているだけなのかも。でも彼女たちの色白の肌と素朴そうな瞳を見るにつけ、僕の推測は確信に変わるのです。…やっぱり間違いなく偏見です。


 さて北海道といえば広大な農場

 昔社会科で習いませんでしたか。根釧台地のパイロットファーム。今はどうなってるんでしょうか? それはさておき十勝の農場です。たとえばリンク自由というこのサイトを見てみましょうか。いきなり「農産物こう作ってます」、インパクト大です。大根・ゴボウ・じゃがいも・小麦・ビート・小豆といた作物の作り方について、1年間の流れをきれいな写真入りで追いかけてあります。私の実家はある意味北海道とは対極にありますが、祖父はやはりお米を作り、牛を飼っておりましたので親近感ありありです。子供の頃、稲刈りの手伝いをした思い出は今でも鮮明に残ってます。

 そしてまた、このサイトの日記も素晴らしいです。まさに一行日記を極めたその描写に、過剰な装飾後に満ち溢れた当サイトは完膚なきまでに打ちのめされます。曰く、

6月8日…馬鈴薯培土
 馬鈴薯の培土作業を行う。

6月11日時々小雨…親睦会
 今日は農作業はせず組合の親睦会に参加する。

6月23日夏日…ゴボウカルチ
 今日は一日暑い。ゴボウにカルチ入れを行う。

 どうでしょう。シンプル過ぎる描写がその裏に隠れた作業の厳しさを想像させます。行間を読むとはまさにこのこと。ご苦労がしのばれるとともに、収穫時の喜びもまた絶大なものであろうと思わせてくれるのです。(ところでカルチって何よ?)

 ですから、あえて東京から北海道へ「お婿に行きたい!」というこの青年の切実な叫びも、実にリアルに感じ取れるのではないでしょうか。WINTER WONDERLAND にお立ち寄りいただいている道産子の皆様、どうかどうか彼のことを大切にしていただきたいものです…




しかし彼が某サークルの大切な後輩であることは、
もちろんここだけの秘密です



 …いやマジでいい青年なんです。いたずらメール禁止ね。



28 Jun 2001
Thursday

「オトナになったら何になりたい?」

 オトナたち自身が問いかけるそんな邪悪な質問には、心の中でずっとこう答え続けてきた。「スナフキンにきまってるじゃないか」

***

 「ムーミン」シリーズを創作したフィンランドの作家、トーベ・ヤンソンさんが亡くなった。享年86歳。このムーミンのシリーズが、子供からオトナまで、世界中で愛されたのはなぜだろう。

 外見はカバみたいだけれど、原作を読むと「ムーミントロール」とあるから、troll すなわち小鬼なのかな? でも、特にアニメ版での曲線を帯びた丸っこい体型と、無邪気で時に真っ直ぐ過ぎるムーミンのキャラクターは、とても人懐っこいものがある。彼を取り巻く登場キャラも魅力的。ノンノン、スノーク、スニフ、ミイ、ヘムレンさん。もちろんムーミンパパとムーミンママも、僕にとっては理想の夫婦だ。そうそう、ニョロニョロなんかも忘れられないよね。

 でも一番憧れたのは、スナフキン

 アニメの第1話か第2話に登場して、ムーミン谷の川のほとりでテントを張るスナフキンにムーミンがキミ、誰?と語りかける。「どこから来たの?」「あっち」「どこへ行くの?」「こっち」 スナフキンのセリフは、いつでも簡潔過ぎるくらい簡潔で、それでいて核心を突いたものばかり。いろいろと悩み、相談してくるムーミンに、スナフキンはいつだってポジティブで的確なアドバイスをあげていたっけ。見かけはパイプをふかしていたり、川に釣り糸を垂れていたりしたけれど…

 ムーミンの中でも「自分らしく生きること」というメッセージが、繰り返し登場していたような気がする。子供たちにとって、何よりも心強いそのメッセージは、実はオトナになった僕らこそがいつも心の片隅に置いとかなくちゃいけないもの。スナフキンの優しい声が聞こえてくる。「さあムーミン、自分で考えてごらん」



27 Jun 2001
Wednesday

 ウェブサイト作ってて一番面白いのは、見ず知らずのあちこちの皆さんと知り合いになれること。ネット上でちょこっとコトバを交わす関係が果たして知り合いと呼べるかどうか?はさておき、昨日まで間違いなく知らなかった相手から、メールをいただいたり、掲示板に書きこみをいただいたりすると、何だかとてつもなく不思議な気持ちになります。

 星の数ほどあるウェブサイトの中から、リンクを辿ってたまたまこの WINTER WONDERLAND に立ち寄ってくださり、ちょこっと声までかけていただいた。この偶然の確率の低さを思うと、気が遠くなるくらい。知らないお方の音楽の聴き方や、モノの考え方を読ませていただくのはいつも新鮮ですし、サイト作って良かったなぁ、と思います。だから自分も時間が許す限りあちこちのページで書きこみしていくつもり。

***

 ところで以前から気になっていた表現。「リンクをはる」。

 「貼る」とお書きになる方が多いような気がしているのですが、「張る」も見かけます。敢えて「はる」のままご利用の方もいらっしゃいます。これはあくまで私見ですけれど、リンクは「張る」ものではないかと。「貼る」の方は、「バナーを貼る」から来た誤用のような気もします。バナーなら物理的にも文句なく「貼(りつけ)る」なんですけどね。

 まったく個人的なイメージをもう少し押し進めると、linkage (=結合、連鎖、連係、つながり) って、糸電話の糸みたいな気がするのです。それぞれのページが紙コップにあたります。ふたつの紙コップをつなぎ、声が辿っていけるようにする糸。それはまさに無数にあるホームページ同士を結ぶ/つなぐため、無数に張られた linkage。リンクが網目の如く張りめぐらされ、クモの巣すなわち WEB と化したインターネット空間。

 そんなクモの巣空間に捕らわれた僕らのBGMは、もちろん Dream Theater の "Caught In A Web"。明日もきっと、どこかで誰かと新しく出会うのでしょう。そんなひとつひとつの出会いを大切にしていきたいな。


 …あ、そうか。「リンクする」って言えばいいんだ。そもそも「リンクをはる」ってコトバ自体が誤用なのかも? この辺詳しいお方いらっしゃったらフォローいただきたく m(__)m
 
***

 6/26付けで、こちらのサイトで紹介していただきました。どうもありがとうございます。
 (ちょっと照れました)



26 Jun 2001
Tuesday

 まあ、シャレとしては悪くないっすよね。「小泉 vs. 巨泉」

 「セミリタイア」なる人生の選択を提示して、あくせく働く世の一般人たちに「誰でも出来るんなら世話ねえよ」と言わしめるだけでは物足りなかったか大橋巨泉。まあ、参院選でしかも民主党から出馬ってあたりが巨泉らしいところ。出馬。倍率ドン、さらに倍。

 選挙期間中も帰国せず、カナダ在住のままビデオやポスターによる選挙運動を行うとの事。まさしくリモートコントロール、ヴァーチャルエレクション。街頭で絶叫演説する小泉氏とは違うよってことか。最後ははらたいらさんに全部、ってことか。男性にも更年期障害ってあるんですね。

 でも正直言って、巨泉の気持ちはすごくよく分かる。「小泉さんの改革は自民党ではできない。自民圧勝なら日本は沈没だ」と語る彼、日本沈没ってのは小松左京のSF小説のタイトルだったりして、そこに古さを感じはするものの、小泉人気=自民への投票に直結している世間の方々には自分も大いに疑問を感じている。

 巨泉はさらに「熱病のような小泉フィーバーを冷静に考え直すため一石を投じたい」と語るのだけれど、何ら成果を挙げていない小泉氏を猫も杓子も持ち上げる今の世論に危険なものを感じてしまうのは僕も同じ。むしろ思考停止している結果としての高支持率なんじゃないかと思えてならない。

 いつだって民主主義は衆愚政治への最短コースだから。

***

 そんな記事の下にひときわ燦然と光り輝く記事見出し。
 「16歳ではなく被害者は44歳」

 昨日夕刻、世田谷区の路上で女性が男に押さえつけられ髪を切られた事件、被害者は16歳の高校1年生ではなく、近くに住む無職女性(44)だった。彼女はセーラー服にルーズソックス姿で、世田谷署の事情聴取に「高校1年生の16歳」と説明していたそうで。

 …どうやら本格的に暑くなってきたらしい。



25 Jun 2001
Monday

 全国約200万人の皆様まだお楽しみ中でしょうか>小泉内閣メールマガジン

 しかしまあ、携帯非対応というのはひどいお話で、i-mode非対応というのが正確。feel H"なら何ら問題なく10,000文字受信できるわけで、それを登録段階でハナから排除するシステムはいけません。ドメイン名だけでは2,500文字までしか受信できない普通の H" と区別できないんだけどさ。

 でも小泉先生、つまり「切れてもいいから途中まででも携帯で読みたい」っていうニーズはこの際無視!ってことですね。これぞすなわち弱者切り捨ての精神、「聖域なき構造改革」「最大多数の最大幸福」が行きつく先はこういうことか!と痛感する瞬間。(ちょい飛躍しすぎ)

***

 ちなみに私はまだメルマガ登録しておりません。ていうか今後もその予定なし。

 というのは、多少遅れはするものの、小泉首相サイトに全文掲載されるので、それを読めばとりあえず事足りるので… 内容的にはあんなものかなと思いますが、あれを世界最大級のメルマガとしてギネスブックに登録されたりしたらお恥ずかしかったりしないんだろうか。「いったいどんな内容のメルマガなんだ?」と興味を持った欧米のネットワーカーが多数登録し、翻訳ソフトを介してその中身を読んで慄然。「おいおい日本人のメルマガ人気のレベルって、この程度かよ…」「逝ってよし」「萎え」などの感想がAOLのメール網を飛び交った日にゃ、"You've got mail." が邦題 「ユー・ガット・メール」 で公開された恥も再燃だねこりゃ。リメンバー・パール・ハーバー。(めちゃめちゃ飛躍しすぎ)

 まあ、無用なメールトラフィックを増やしてネット混雑やメールサーバー容量増を招かないためにも、もう読まないよって方は登録解除をお忘れなく。トラフィックの無駄は確実に地球をダメにします。

***

 さてこれだけ人気が出てくると、きっと出てくるぞと期待してたパロディサイト、おいらんはーと(『花魁魂』)。いやもう、激しく笑わせてもらいましたぜ。小泉氏にも読ませたいださネタ満載、これならネタ捕獲用メルマガとして自分も毎週読んでやってもいいかなぁ…




 しかし、

 …そっちの方がよっぽどトラフィックの無駄
 である可能性大。




24 Jun 2001
Sunday

 朝目覚める。涼しい風の中、歩いて1分の中学校の体育館に出かけて都議選投票。早朝から続々と投票者が訪れていた。結果は自民党圧勝に終わってしまうことだろう。それでも、まずは投票率が上がることには意義がある。

 その中学校近くを流れる仙川。カモがたくさん泳いでいる。春先から親ガモ+子ガモの群がいっぱい見られてとても和む光景だったのだが、今や子ガモもずいぶん大きくなってしまった。それでも、一羽が水に頭を突っ込んでエサを探し出すと、全員すぐ真似をして水面にちょこちょこ動くお尻が並ぶ姿はとても可愛い。

 さらにその先に広がる祖師谷公園。広場では犬の散歩をさせる飼い主多数。と、茂みに動くものが。近づいてみると、それはまたしても黒猫なのだった。クロちゃんと同じく、基本的に全身黒毛で、手足の先と鼻先だけが真っ白。毛並みよく、赤い首輪をしていて、飼い猫であることは間違いないのだけれど、公園の茂みに潜り込んで小枝に身体をこすり付けて遊んでいるようだ。

 しばらくすると茂みから出てきて、ニャ〜ンと鳴きながら僕の足元にも身体を寄せてくる。猫って本当に人間の心を捉える術を心得ているイキモノ。

***

 「二足の草鞋を履く」というフレーズが、そもそもはネガティブなことわざであったことを知る。江戸時代、博徒が十手持を兼ねることを指して、そんな矛盾したことは出来ない、という否定的な意味だったとのこと。ちょっと賢くなりながら、ズッキーニとエノキダケをバターで炒めて食す日曜日。



23 Jun 2001
Saturday

 今、猛烈に物欲と闘っている。

 その対象は、Panasonic の新 feel H" 端末、KX-HS110。パナの端末らしからぬシャープなスタイル。H"シリーズ初?の鮮烈な赤ボディ。クロームシルバーの方も店頭でモックアップを見る限り、表面が鏡面仕上げでとにかくスタイリッシュなのだ。

 サウンドマーケット機能にはほとんど興味がない。確かにケータイでCD並みの音質が再生できれば、どこにでも持ち歩くものだけに便利かもしれない。ただ、1曲あたりの料金も高いし、64kbpsではダウンロード時間もかかりすぎる。それよりむしろFM/AMチューナー内蔵端末の方がずっと嬉しいんだけど。出ないかなぁ。

 もし feel H" に機種変するなら、当然 Treva も買いだろう。先日衝動買いした CASIO LV-10 を下回る10万画素デジカメではあるが、500円玉大・わずか10gで、端末に挿してどこでも写真を撮れるというのは大きい。画像は当然ショボショボだけれど、逆にそれだからこその味わいもある。出来の悪いモノほど可愛かったりするのだよ。(こんな画像掲示板もあるくらい)

***

 デビュー当時の安物イメージが付きまとい、いつまでたっても劣勢を挽回できないPHS業界。都市部ではこれほど使い安く、快適かつ高音質な携帯端末はないというのに…

 と思っていたら、気になるニュース登場。「PHSのネット速度10倍に、総務省が来年にも解禁」 10倍ていうたらアナタ、1Mbpsですよ。動画もサクサク、次世代携帯も怖くないってなもんです。起死回生の一撃となりうるかどうか。



22 Jun 2001
Friday

 「ウソつきは泥棒の始まり」。それは子供の頃から言われてきたコトバ。
 でも本当だろうか? 僕はずっとこのコトバに納得できなかった。だって何も盗んでいないじゃん。でしょ?


 杉並区の幼稚園で女性教諭(23)が50歳くらいの女に刃物で切りつけられ怪我をした事件は、狂言だった。幼稚園に提出する全児童の指導育成記録の作成が間に合わず提出できなかったので、騒ぎを起こして締め切りを延ばそうとしてとっさに自分を切り付けたという。要するに、ウソをついたわけだ。泥棒の始まりである。


 さて泥棒というからには、彼女はいったい僕らから何を盗んでいったのだろう?

***

 警視庁高井戸署の調べでは、事件発生から約1時間後、現場近くの路上で犯人に似た女が目撃されていた。調べでは、犯人に似た女は高千穂幼稚園から約200メートル南東に離れた通称「方南通り」の横断歩道で、通勤中の女性会社員に目撃されていた。年齢は50歳ぐらい、エンジのワンピースを着て、つえと灰色の袋を持つなど特徴が一致していたという。

 存在しない女が目撃され、虚構が実体を持って歩き出すとき。


 …僕らは確かに、狂言女に何かを盗まれた。そう、何かとても大事なものを。



21 Jun 2001
Thursday

 オジサンたちと飲むのは疲れます。

 疲れるなーと思っていたら、何を勘違いしたのか、X参事(とりあえずこの席で一番エライ)が
 「これから毎月こういう飲み会をやりましょう」
 と高らかに宣言。おいおいそりゃマズイでしょ。
 しかしそれを受けて、横にいたY副参事がすかさず
 「いいですね! 来月はさっそく私の係が幹事をやりましょう! 若い人にお店を探してもらって…」
 などと機嫌を取り始めたのには閉口しました。しかしそれが現実。実際そんなもんです。ゴマは擦れる時にたくさん擦っておくにこしたことはないのです。

 ところで、私とオーストラリアの女の子はたまたま Beatles ネタで盛り上がってました。

 「もう John Lennon が死んでから20年以上経つんですよね…」

 などと話していたら、横から突如として某X参事が話題に参入し、次のようにのたまったのにはフリーズしてしまいました。

 「(間延びした声で)あ〜あ、あの『レオン』とか出てる人でしょう」


 ていうかそれジャン・レノやろ! と突っ込む気力もなく、女の子と目を合わせて何事もなかったようにネタを合わせてあげる自分。しかし先方はなぜか途中で突然ジョン・レノンの話であったことに自ら気付いてしまい、照れ隠しなのか、高校時代のネタを展開し始める。

 「僕はぁ、四国の田舎の生まれなんだけれどね、うん」

 以下、高校生のころ、ビートルズの初来日公演を観に行こうと学校を休もうとした同級生がいたという話をひどく回りくどく語り出す。これはひょっとして何か大きなオチがあるのか?と一瞬期待させます。

 「でも休みを取ろうとしたら先生たちに怒られて行けなくてねぇ… うん、彼は本当に悔しがってたよ、うん


 おいおいそれで終わりかい! それじゃ全然ヤマなしオチなしイミなしだろ〜、と突っ込む気力もなく、消耗し尽くしたオジサン対応。そんな心を癒すのは、やっぱりいつものクロちゃんなのだった。にゃ〜ん。



20 Jun 2001
Wednesday

 金曜日に年休を取る人が多い。そうすると、金・土・日の3連休になる。この場合、1日早く週末が訪れる感覚で、翌週の始まりは平常通りということだ。個人的には、日曜午後の虚しさが増幅されるだけのような気もする。

 月曜日に年休を取るのを好む人もいる。月曜朝の出勤の憂鬱さを先送りできるというメリットはある。でも火曜日には結局行かなくちゃならない。ある意味後ろ向きなモラトリアムにすぎない。

 じゃあ自分はどうするか?
 そう、水曜日にお休みをいただくのです。これにより、5日間のウィークデイは「2日+2日」に分断され、間に1日お休みが入ることになる。2日ずつのブロックはいずれも、「明日まで行けばお休み」+「今日まで行けばお休み」によって構成されており、「あと4日もある」「あと3日もある」などと比較して精神的負担が極めて軽いといえる。

 しかも週の真ん中でブレイクを取ることによる休養効果で、前半の2日も後半の2日も、体力的に充実したまま仕事に取り組むことができる。平日に休んで街を歩くのもまた、いい気分転換になるものだ。映画館なんかも空いてるし。この際、ぜひとも水曜日年休取得運動を広めていこうではありませんか。


 …などと高らかに宣言しているうちに、あっという間に1日が終わってしまった。誰に言い訳するでもなく、ただ静かに休養するのみなり。



19 Jun 2001
Tuesday


●昨日大事なことを書き忘れた。そう、『猫好きに悪人なし』 なのだ。これまでの人生でほぼ唯一、信じてもよい法則。あとで悪人と分かったら、その人はもともと猫好きじゃなかったのだ。それまで猫好きを装っていたさらにひどい人ってこと。ああ勝手な理屈バンザイ。

●小泉首相は語る。タウンミーティングの感想として、『「一流の田舎」というのは新しい発想でいいね』。都市と地方の問題に斬りこみ出すと、必ずこの問題に立ち至る。たまたま東京都に住む自分は都市再生みたいな方向でモノを考えることが多いのだけれど、地方分権を進めたときに本当の地方はどうなるか。岩手県の増田知事はこう言う。「岩手県は右肩上がりの夢は追い求めない。経済成長一辺倒じゃない社会、壮大な田舎をめざしている」。壮大な田舎、それもまたよし。

●前にも触れたことのあるヒューレット・パッカード社長のフィオリーナさん。メリーランド大のビジネススクール出だってのは知ってましたが、スタンフォードのロースクールにもいたとは知らなんだ。それもそのはず、進学するもわずか3ヶ月で退学してたのです。

 「自分の人生なのだから、望むようにできる。稲妻に打たれたように、そう思ったわ」

 けだし名言。I will choose freewill。

●「本当の愚者は歴史から何も学ばない者である」。出典不明ながら、今日の朝刊でもっとも心に残るフレーズだった。本当の愚者…



18 Jun 2001
Monday

 全国のクロちゃんファンの皆さまこんにちは。

 クロちゃんとは何であるか? それは6月10日の日記に詳しい。要するに近所の黒猫である。そしてこの度クロちゃんに関するさまざまな情報が入手された。それは先日の夜中、いつものようにその家の門付近できちんとお座りして僕が通過するのをじっと見つめてニャンニャン鳴いていた彼女に耐えきれず、ついにタブーを犯してしまったところから始まる。そのタブーとは?

 …エサをあげてしまったのです。

 だって撫でてみたら骨と皮みたいな状態で、とてもお腹空いてそうだったのです。上目遣いに擦り寄ってきてニャンニャン鳴くクロちゃんにどうして抵抗できましょうか。そんなわけで帰宅後、カニかまを3本ほど冷蔵庫から取り出しチャリで猛リターン。プレーンヨーグルトの蓋をお皿にしてほぐしたカニかまを並べると、クロちゃん大喜びでガツガツ食べます。おお、はしたないレイディ。

 …とそこへ、僕らの真後ろに立つ人影あり!
 慌てて立ち上がり振り向くと、そこにはおばさんが。「うちのネコなんですけど…」

 お腹空かせてるのかと思いましてとか、野良ちゃんかと思ってとかいろいろ弁解したのですが、今考えるとすごく失礼な弁解ですね(笑)。しかしおばさまは優しく許してくださり、クロちゃんについていろいろ話してくださいました。そこで得られた新事実を一挙公開。

(1) 名前は「チビたん」である。
 いきなり非クロちゃんなんですけど。なんでも、最初はオスかと思って「チビ太」と呼んでいたのだが、あとでメス猫と分かり「チビたん」にマイナーチェンジしたという。

(2) 何と20歳である。
 人間換算ではない。本当に1980年代初頭生まれなんである。Olivia Newton-John の "Physical" もビックリ。人間に直すと100歳近い高齢なのではないか。最初は捨て/野良猫だったらしい。

(3) 大病を2度患っている。
 内臓の病気と、背中の毛が抜け落ちる病気で苦しんだことがある。

(4) 子供がいっぱいいたが、すべて先立たれて今はひとり。
 20年も生きる猫はそうはいません。子猫も12年も生きればまずまず長い方でしょう。

(5) 今は元気だが、肝臓・腎臓などはもう強くない。
 あちゃー。カニかまのような塩味ものはあげちゃいけなかったのに。


 …そんなわけで、驚くべき歴史を持ったネコ、クロちゃんとの出会いがますます楽しみな帰り道なのです。もっともっと長生きしてほしいな。



17 Jun 2001
Sunday

 NHK教育テレビで15:00〜『モンディアリート』を見る。2000年スイス/仏 合作。

 実は昨年の11月に東京国際映画祭コンペティション部門@渋谷オーチャードホールで既に見ているのだけれど、あんまり気に入ったので、こんなに早くテレビで見られてとっても嬉しい。でも日本では劇場公開を諦めたってことなのかな? 同じく映画祭に出た『キング・イズ・アライヴ』や『ジャニスのOL日記』も公開されたっていうのに、ちょっと残念。

 主演のムサ・マースクリ(ジョルジュ役)がいい。元サッカー選手の彼は、しかし故郷のマルセイユから訳あって「消された」存在だった。偶然知り合った少年アブドゥーの夢は2日後にマルセイユで行われるワールドカップの準決勝、ブラジルチームの試合を見ること。ジョルジュは彼の夢を叶えるため、少年を連れて旅に出る。

 その間の珍道中が飽きさせない。ロードムービーとして十分楽しめるさまざまな出来事を散りばめながら、単純に面白いだけではなくシリアスな部分もちゃんと用意してある。最も印象に残るのはやはり、アラブ系であるジョルジュが激しく人種差別を受けるシーンだろう。地中海を隔てて、フランス南部に多くのアラブ系フランス人が住んでいること、そして彼らが置かれている立場が痛烈に描かれる。

 もうひとつ色を添えるのは、最近大好きな女の子、エマ・ドゥ・コーヌちゃんが脇役で出ていること。この映画ではショートカットでスポーティな印象。感性に任せて生きる魅力的な女の子を演じる。

 いろいろあったが最後にはジョルジュが自分を取り戻し、過去と決別して家族とも再会。少年アブドゥーはキラキラした目をさらに輝かせながらスタジアムでブラジルを応援。そしてエマちゃんは行きずりの恋に終わらずジョルジュとアブドゥーの間に入って3人でラストシーンを迎える。見終わった後が、何だかとっても暖かくてホノボノ。明日から、また頑張ろうって気持ちにさせてくれた。



16 Jun 2001
Saturday

 小泉メールマガジンが100万部を突破する中、私の日常変革欲求は最高潮に達し、世田谷区上祖師谷から最も離れた土地のひとつに足を伸ばす。離れているといっても物理的な距離ではなくあくまで精神的なソレであって、その土地とはすなわち 『銀座』。

 まず肉のハナマサ直営店 FARM GRILL でバイキングを食す。食事の内容より、外国人客の多さと暑苦しいブライアン・アダムスBGMばかりが印象に残る。続いて銀座を散策。SEPHORA でフレグランスをチェキし、プランタン銀座で人に揉まれる。並木通りをブラつき、松屋松坂屋に顔を出す。

 だがこの日最大の癒しは伊東屋8Fにあった。ご存知文房具の総本山こと伊東屋。店内エレベータには古式ゆかしくエレベータガールをしっかりと配置。今どきこんなお店そうそうありません。そして8Fにひっそりと存在する伊東屋ティールーム。ここでポットサーブされる紅茶の香りの豊かさ、味の奥深さは実に驚くべきもので、もう秘密の隠れ家にしたい度100点満点。あまり知られていないのか、お客さまもまばらなのであります。ちなみに本日いただいたのはアールグレイティー(w/ミルク)@550円。それほど高くないでしょ?

 REGAL SHOES 銀座店経由で西武阪急を縦断し、最後は有楽町そごうの残骸、ビックカメラに突入。立錐の余地もない圧倒的な混雑ぶりに、そごう時代の閑散とした店内を思い出すこともできず。まさしく「有楽町で買いましょう」。何も買わなかったけれど、日常変革もできなかったけれど、日常にさざ波くらいは立てることができた週末。来週からは、多少復活できるような気がしてきました…




バックナンバーはこちら

MUSIC / BBS / HOME