【back to top page】

ギターインストのアレンジ

アコギ・インスト・ソロ

ここでの内容は個人的な感想であり、

機能や効能を示すものでありません。


【C,G,Am,Em】

ギターのインスト曲を弾きたいと思ったら、まずはギタリストが出している楽譜とCDを入手し、それを練習するのが一番。

しかし、この曲は自分のアレンジで弾いてみたい、という場合もある。ここでは自分でアレンジするやり方を考えてみる。

 

まず用意するのは歌詞がある曲であればコード譜(歌詞とコードが書かれている楽譜)。メロディーだけの曲の場合にも、コード進行が分かる譜面がほしい。入手できなかった場合は、自分の耳を信じてアレンジを進める。

 

ギターアレンジを始めるにあたって一番重要なのが、キーを決めるということ。最初はスタンダードチューニングでのアレンジから検討を始め、それで左手が押えられない部分が出てきた時には、ドロップDとか、さらには別の変則チューニングを検討することもありえるが、まずはスタンダードチューニングから。

 

ギターインストでは、メイジャーの曲ではCあるいはGのキーで、マイナーの曲ではAmあるいはEmのキーで演奏することが多い。五線譜で#も♭も付かないキーがCとAm、#が1つだけ付くのがGとEmである。これらのキーの曲では開放弦を含んだローコードを使う割合が多いので、他のキーと比べて演奏しやすい。

 

CにするかGにするか、あるいはAmにするかEmにするかは、その曲のメロディーラインとベースラインを一緒に弾いてみて、弾きやすい方を選ぶ。

 

※ ここでのキーは実質的なキーのことではなく、カポをつけた場合など、ギター演奏上でのキーのこと。

 

【メロディーとベース】

もっともシンプルなインストは、各小節の頭にベース音を1つ入れて、メロディーを弾くというもの。曲によっては、あるいは曲の一部に限っては、これで十分なインストになる場合もある。

 

メロディーは1〜3弦あたりを使って弾くことが多い。そしてベース音は普通は4〜6弦を使う。

 

メロディーラインは高い音で伸びのある音が聞きやすい。そうした条件に合うのがスチール弦のギターの場合、プレーン弦の1・2弦。ガットギターの場合は1〜3弦がナイロンのプレーン弦で、音は丸みがあって優しく暖かい。これらプレーン弦を中心にメロディーラインを構成すると聞きやすい。

 

ベースは1オクターブ確保の意味からも、低音側の4〜6弦をよく使うことになる。

 

キーをCあるいはG,あるいはAmあるいはEmにした時、厄介なのがFのコードが出てきた場合。

メロディーがうまく1〜4フレットに収まっていれば良いが、1弦の5フットとか7フレットにメロディーが出てきた場合には、Fのベース音とのフレット差が大きくなり、押えられなくなる。4弦3フレットにもFの音があるがベース音としては高くなり過ぎ、曲の進行に合わないことが多い。

 

そうした場合に使うのがドロップD・チューニング。6弦のみ1音(半音2つ)下げ、スタンダードチューニングではEであるのをDにまで下げる。1音下げたということは、押える時には1音上(半音2つ上)を押えるということになり、Fのベース音が6弦1フレットから3フレットに上がってくる。そうすればメロディーとベース音とのフレット差は小さくなるので、押えやすくなる。

 

(手が小さくて、)1弦7フレットにメロディーが出てきて、6弦3フレットのベース音を入れるのは難しいと言う場合には、6弦をさらに1音(半音2つ)下げて、Cにするということも考えられる。この場合、5弦を使うベースが押えにくくなるので、5弦を1音(半音2つ)下げてAをGにするということも考えられる。この時のチューニングは6弦側から、CGDGBEとなる。

あるいはドロップDで、1弦を1音(半音2つ)上げ、DADGBFということも考えられないではない。弦をスタンダードから上のチューニングにするのは弦が切れないか、ネックの悪影響はないかと多少抵抗があるが、1弦2弦を1音程度上げるだけなら、特に心配は不要。

 

【おかず】

メロディーとベース音だけでは物足りないので、いろいろと飾りを入れていくことになる。

 

●和音。曲のコード進行に合わせて和音を加えるが、コード進行が分かっていればそこでのコードを押えるのが手っ取り早い。だからといってそのギターコードを全て鳴らさないといけないわけではなく、メロディーとベースが弾ける範囲で、適宜、弾きやすい和音を足していけばよい。

 

●ベース。まずは単純に各小節の頭に全音符でベースを入れておけばよいが、拍子の途中でリズム感を出すためのベースを入れたり、小節から次の小節に移行する時の移行音のベースを入れるといった飾り付けができる。

 

●ハンマリング・プリング・スライドなどを使う。

 

●メロディーの3度上とか3度下のハーモニーを入れる。

 

●メロディーに合わせ、コード進行をより細かく分けていく。1小節に1つのコードだったのを、あくまでメロディーに合わせてであるが、幾つかに分けていく。

 

●調を変えること。転調・変調など。

 

●リズム感を強く出すため、何拍目かを弦を叩いたり、ギターのボディーを叩くなど。あるいは変則チューニングを使うなど。

 

【和音の省略】

ギター2台でのインストであれば、一人がメロディーラインを弾き、もう一人がギターコードを押えてアルペジオを弾けば、それでひとまずインストが演奏できる。これを一人でこなす場合、同じようにギターコードを押えてアルペジオを弾きながら、メロディーもベースも入れられれば、それに越したことはないが、難しい。

 

そこでまずはコードを押えた状態でメロディーとベースを弾いてみて、その合間合間にコードの和音を入れていくということをする。コードを押えていない指を利用しながらメロディーが弾ければよいが、それができない時にはコードを押えている指を移動してメロディーを弾く。

 

こうした通常のギターコードを基底としてのやり方は、よほど曲がマッチしていないと、このやり方だけで通すのは難しい。

 

そこでするのが、ギターコードの分解とフォームの再構成。

 

コードは3和音・4和音・5和音・・・で構成されおり、まずは音の構成を確認。

メイジャーであれば、ルート音を1として、1−3−5で構成。

マイナーであれば、1−b3−5、メイジャーの7thであれば、1−3−5−b7、メイジャーのメイジャー7thであれば1−3−5−7という具合で構成されている。 [和音構成表]

 

通常のコードを押えてのメロディー・ベースが弾きにくい小節を、1つあるいは幾つかに分け、まずはメロディーとベースだけを弾いてみて、そのポジション近くで無理なく押えられる位置にあるコードの構成音を探す。構成が頭に入っていない場合には、ローコードを押えてみて、それぞれの和音の別ポジションを探していくのでもいい。

 

4和音以上のコードの場合、別ポジションの場所はとても多くなり、選び出すのに手間がかかるようになる。そんな場合には、ネットでコードの構成音のポジション図で調べるのがいいかもしれない。例えば、「GuitarChord'sNoteSCLIP」など。この表にベースとメロディーのポジションを重ねてみて、左手の指運びを考えながら和音のポジションを選んでいけばいい。

 

【具体的には】

ギターソロは、メロディーとベースと和音、そして飾りという4つの要素を持つ。

最初の3要素は曲を聞いたりコード譜を手に入れることでできるとして、飾りという要素はどうやれば良いか。

・・・それは、その人の(広い意味での)音楽センスということに尽きるかと思う。その人が今まで聞いてきた音楽で養われた音楽のセンスを、どうアレンジに取り込んでいくかということになる。

 

【ピアノ譜】

ここまでに書いた内容は、主にメロディーとコードを中心にしたアレンジについて書いてきた。

こうしたやり方とは別に、ピアノ譜があれば、それを土台にしてアレンジを進めるやり方もできる。ピアノ譜が読める、あるいは読めない人の場合は読み解く努力ができる人であるという条件が付くが。