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コード理論によらない

主要なコード(chord)の名前と命名規則

ここでの内容は個人的な感想であり、

機能や効能を示すものでありません。


 

固定ドの表

  C#   Eb     F#   G#   Bb     C#   Eb     F#   G#  
C   D   E F   G   A   B C   D   E F   G   A
ファ ファ

 

 

コード名の最初の大文字はコードのルート音を固定ドでの英語の音名で示したもので、固定ドでのCをドとするドレミ音階に一致している。

ドレミ・・・(CDE・・・)の位置、ピアノの白鍵の位置にある音を日本では幹音と呼ぶ。

ピアノの黒鍵の位置にある音を派生音と呼び、半音と呼ぶのが一般的で、その音名は黒鍵の左右の白鍵の幹音の音名に#や♭を使って表現される。 ギターのコード譜ではEbとBbに限って♭を付け、他には#を付けて表している場合が多い。(上表上段)。

 

コードは英語で書けば Chord 、日本語では和音ということ。

ギター演奏で言うコードには、一般的な意味での和音を意味してコードと言っている場合と、ギター専用のギターコード(ギターコードダイアグラムあるいはギターコードポジション)のことを言っている場合、あるいはそのチャンポンで言っている場合がある。

 

移動ドの表

1   2   3 4   5   6   7 8   9   10 11   12   13
ファ ファ

 

(移動ドでの)ドレミファソラシド・・・の音階で、ドをルートの音とし、それを 1 として順番に番号を振ったのが上記の表。

ここでのドレミ・・・の位置、1 2 3・・・の位置の音を 長(major)の音、その半音下の音を 短(minor)の音と呼ぶ。ファとドについては半音下の音がすでにミとシの長の音になっている。

英語では、1番目のを Root、 2番目の音をSecond(2nd)、3番目をThird(3rd)、4番目をFourth(4th)、5番目をFifth(5th)・・・と呼び、日本では1番目を主音あるいはルート、2番目を2度、3番目を3度・・・と呼んでいる。

 

コードのルート音がCの場合では、固定ドのCからドレミ・・・を割り振ればよいが、例えばルート音がA#の場合であれば、固定ドでのA#の音をルート(root、1度)としてドレミ・・・を割り振っていく。この関係を表などに示そうとすると大変面倒であるが、ギターの場合、A#が何弦何フレット(例えば、5弦 1フレット)と分かっていたら、そこから始まるドレミ・・・ を手探りで見つけていけばよい。さらにはこの時、ドレミ・・・と唱えるのではなく、123・・と唱えれば、以降で説明するコードの音の構成から、コードが見つけやすくなる。

 


 

【メイジャーコードとマイナーコードは3度に注目】

コードの3度の音に注目し、長3(major 3rd)を含むものをメイジャーコード、短3(minor 3rd)を含むものをマイナーコードと呼んでいる。 (単体ではなく、メイジャーな属性を持ったコード群(言わば、メイジャー属のコード)、マイナーな属性を持ったコード群 (言わば、マイナー属のコード)。

メイジャーコード、マイナーコードの内の代表的な3和音のコードの構成は、ルートを1として、

C : 1-3-5

Cm : 1-b3-5

といった表示で表現できる。(ここではルート音がCであるコード名を使って説明している。ルート音が別の音名に変わっても構成は変わらない。以降、同じ。)

※小文字の b は♭記号の代用。

 

よく使うコードに C F G があり、これを シー、エフ、ジーと呼ぶのが普通であるが、正確を期す場合には シー・メイジャー エフ・メイジャー ジー・メイジャーというように、後ろにメイジャーを付けて呼ぶこともある。

対してマイナーのコード Am Dm Em などは表記上、小文字のmをつけ、エーマイナー デーマイナー イーマイナーなど、最初から後ろにマイナーを付けて呼んでいる。

 

【triad(トライアド) コード】

音楽では3和音のことを Triad と言い、明示的に区別するために、次のコード名に Triad を付けて呼ぶことがある。

C : 1-3-5 > C major triad

Cm : 1-b3-5 > C minor triad

Caug : 1-3-#5 > C augumented triad

Cdim : 1-b3-b5 > C diminished triad

※3和音であっても sus2、sus4コードを ○○ triad と呼んでいるのは見かけない。

 

【3度が変化】

Major Triad、Minor Triadコードの3度が2度とか4度に移動した和音があり、Suspendと呼ばれてい る。メイジャーコードあるいはマイナーコードを識別する3度の音が含まれていないので、メイジャーコードでもマイナーコードでもないコードということになりそうである。

Csus4 : 1-4-5

Csus2 : 1-2-5

Csus2sus4 : 1-2-4-5

である。

 

【3度を含まない】

Major Triad、Minor Triadコードの 3度が変化せず、そのまま抜けた、1度と5度だけで構成されるコードをパワーコードと呼ぶ場合があり、ロック演奏ではよく使われている。

C5 : 1-5

メイジャーコードあるいはマイナーコードを識別する3度の音が含まれていないので、メイジャーコードでもマイナーコードでもないコードということになるかと思う。

 

【7度が加わる】

セブンスは Major Triad、Minor Triadなどのコードに7thの音が加わったものだが、この7thという呼び名が少し込み入っている。

7thはこのページの一番上の表のように、普通には長7の音と思いがちだが、コードでいう7thは長7の半音下の日本では短7、構成音で書けばb7の音で ある。

英語で単に書けば minor 7th ということになりそうだが、実際には dominant(優勢・支配的) 7th と呼ばれ、それを略して 7th と表記、呼ばれている。

一方、長7が加わったものは表記では maj7 と書かれ、major 7th の音 (長7)が加わったものである。Cmaj7 Fmaj7 など。

 

あるいは、

C7sus4 : 1-4-5-b7

といったコードがあり、コード名の呼び方は、

C dominant 7th suspended 4th

である。

 

【表記・呼称の省略】

これらを細かく書いていくと

C ・・・ C major triad (略して) ・・・> C major (略して)・・・> C

Cm ・・・ C minor triad (略して)  ・・・> C minor

C7  ・・・ C major minor 7th (実際には)・・・> C major dominant 7th (略して)・・・> C 7th

Cm7 ・・・ C minor minor 7th (実際には)・・・> C minor dominant 7th (略して)・・・> C minor 7th

Cmaj7 ・・・ C major major 7th (略して)・・・> C major 7th

Cmmaj7 ・・・ C minor major 7th

となる。

ドミナントセブンス > セブンス(C7ほか): 1-3-5-b7

メイジャーセブンス(Cmaj7ほか): 1-3-5-7

マイナードミナントセブンス > マイナーセブンス(Cm7ほか): 1-b3-5-b7

マイナーメイジャーセブンス(Cmmaj7ほか): 1-b3-5-7

 

【7度が加わったものの発展形(テンションコード)】

dominant 7th(短7)、maijor 7th(長7) には次の構成になる発展形がある。

C7 : 1-3-5-b7

C9 : 1-3-5-b7-9

C11 : 1-3-5-b7-9-11

C13 : 1-3-5-b7-9-11-13

Cmaj7 : 1-3-5-7

Cmaj9 : 1-3-5-7-9

Cmaj11 : 1-3-5-7-9-11

Cmaj13 : 1-3-5-7-9-11-13

注意するのは、例えばC9は、C7に9度の音が加わった重和音であり、Cに9度が加わったものではないということ。

 

上記ではメイジャーコードについて例を書いたが、マイナーコードについても同様に

Cm7 : 1-b3-5-b7

Cm9 : 1-b3-5-b7-9

Cm11 : 1-b3-5-b7-9-11

Cm13 : 1-b3-5-b7-9-11-13

Cmmaj7 : 1-b3-5-7

Cmmaj9 : 1-b3-5-7-9

がある。

 

【6度が加わる】

Major Triad、Minor Triadコードにmajor 6th(長6)が加わって

C6 : 1-3-5-6

Cm6 : 1-b3-5-6

の構成音をもつ。こちらは7度の場合とは違い発展形を持たない。Cadd6 というように、下記の addition を使って表記することもある。

 

【5度が変化】

Major Triad コードの5度が♭に変化した場合は

♭5 : 1-3-b5 > Altered(変化した) ・・・ Calt など

と呼ばれる。

メイジャーコードの♭5の場合、Altered の他に、Major diminish という呼ばれ方をすることもあるが、下記マイナーコードでの♭5との混同が起きないように注意が必要。7thコードが1-3-b5-b7と変化したものはdominant 7th b5コードと呼ばれる。

 

Major Triad コードの5度が#に変化した場合は

#5 : 1-3-#5 > Augument(増加した) ・・・ Caug など

と呼ばれる。

メイジャーコードの#5の場合、実際には♭6の音であるが、5度の音は1度(ルート音)に続いて重要な音であり、それが半音上に変化したということでAugumentと称しているのかと思われる。Caug、Caug7という表記で使われるが、あくまでもメ イジャーコードであり、マイナーでの#5には使われない。

Caug7コードは、1-3-#5-b7であり、7thコード1-3-5-b7の5度が#5に変化したものでもあるから、C7augと表記しても良さそうなものであるが、慣例表記ではC7#5あるいはCaug7と表記され、C7augとは表記されていない。

 

Minor Triad コードの5度が♭に変化した場合は

♭5 : 1-b3-b5 > Diminished(減少した)

Cdimと表記される。あくまでもマイナーコードであり、メイジャーコードの♭5には使われない。マイナーコードであるが、Cmdimとは表記しないので注意。

またCdim7の7度の音に注意が必要。これまでの7thというのはdominant 7thであり、♭7の音であるが、dim7の場合の7thは、♭♭7 = maijor 6thである。

Cdim7 : 1-b3-b5-6(bb7)

 

dim7と間違えやすいものに m7b5 コード(マイナー・セブン・フラット・ファイブ・コード)がある。これの構成音は

Cm7b5 : 1-b3-b5-b7

である。

 

Minor Triad コードの5度が#に変化した場合は

マイナーコードの#5の場合は

Cm#5 : 1-b3-#5

Cm#5 と表記し、そのまま、Cm#5コード(シー・マイナー・シャープ・ファイブ・コード)という呼ばれ方をしているようである。

 

【色々な音が加わる】

ときどき出てくるものに Cadd9 というのがあり、これはMajor Triad コードに9thを加えたもので、dominant 7th あるいは major 7th は含まれていない。

Cadd9 ・・・> C added 9th : 1-3-5-9

Cmadd9 ・・・> Cm added 9th : 1-b3-5-9

※ C9あるいはCm9とは異なる。

 

add を説明すると、addはaddition(加える)の略で、 これまでに出てきたようなコード名が付けられているコードに何らかの音を加えることを言っているが、add9はルートから9番目の音を加えるということで、もしこれが9番目の半音下であればadded♭9、半音上であればadded #9とな る。

Cadd9 : 1-3-5-9

Cadd♭9 : 1-3-5-b9

Cadd#9 : 1-3-5-#9

 

加える音が2つ以上の場合、以下のような構成音を使うことがあるかどうかは分からないが、一例として

Cadd9add11 : 1-3-5-9-11

Cadd11add13 : 1-3-5-11-13

とaddを続けて書く。あるいは

Cmaj7add11 : 1-3-5-7-11

など。

 

ギターコードの場合、これらの規則とは別の視点からの表記として使われていることがある。

例えばCmaj13の構成音は 1-3-5-7-9-11-13 で、ドレミで書けばドミソシレファラとなり、並び替えすればドレミファソラシとなり、ドレミの7音全てを使った7重和音であることが分か る。これより少ない重和音の場合にも、ドレミでダブルものはない。

しかしギターの場合、Cadd12などが出てくる場合がある。Cadd12の構成音は 1-3-5-12 であり、ドミソソとなり、ソがダブっている。これは例えば、ギターコードでのローコードCについて、ルート音(5弦3フレット)を 1 とする、12番目の音であるソ(1弦3フレット)の音を加えたコードフォームで押えることを意味し ている。Gadd12であれば、ローコードGでのルート音(6弦3フレット)から数えて12番目の2弦3フレットの音を加えるということになる。

 

【+ - 記号】

表記上、5度が変化したものを

Calt, Cdim = b5 > -5

Caug = #5 > +5

のように + - 記号を使って書かれることがある。

Calt = C-5 : 1-3-b5

Caug = C+5 : 1-3-#5

Cdim = Cm-5 : 1-b3-b5 < Cmb5

Cm+5 = Cm+5 : 1-b3-#5 < Cm#5

これらのコードに dominant 7th が加わる場合は、

Calt7 = C7-5 = C7b5 : 1-3-b5

Caug7 = C7+5 = C7#5 : 1-3-#5

Cdim7 = Cm7-5 = Cm7b5 : 1-b3-b5

Cm7+5 = Cm7+5 = Cm7#5 : 1-b3-#5

というように + - よりも b # を使う場合が多いようである。

 

あるいは addition の場合では、add♭を -(マイナス)記号、add#は +(プラス)記号で

Cadd♭9 > C-9

Cadd#9 > C+9

のように書くこともある。それは表記上でのことであり、あくまで - はadded♭、+ はadded #である。

この場合、+(プラス)記号を addition の略と間違って解釈すると構成音が違ってくるので注意。add数字 は、数字の長(major)の音を加えることを意味している。

 

このように他のコードと混同が起きない場合には、あるいは混同を避けるために、+ - 記号が使われる場合がある。

 

【曲の調(曲のキー)】

曲の演奏ではよく、キーがCであるとかAmであるなどと言うが、C7とかCmaj7から始まる曲の場合にもキーはC(C major)ということになり、Am7あるいはAmmaj7で始まる場合にはキーはAm(A minor)ということになる。

ロックではパワーコードがよく使われており、主旋律の部分がパワーコードで始まっているような曲の場合には、メイジャーでもマイナーでもない曲ということになりそうである。

 

【記号を使った表記】

Cmaj7 Cmmaj7のmajor 7thのmajor部分は、略号として大文字のMを使ったり、△記号を使って表示することがある。

Cmaj7: CM7 C△7

Cmmaj7: CmM7 Cm△7

Cdim は CΦ(上下の横棒なし。○に縦棒)、あるいは右肩に○(C)で表すことも。

CmとかCm7のmをハイフン「-」で表し、C-、C-7で表すこともある。あるいはアンダーバー「 _ 」を使う。

 

Cadd9 のaddは書くのが面倒といえば面倒。C~'9 、C^9  といった表示はどうか。

 

 

【まとめ】

移動ドの表

1   2   3 4   5   6   7 8
ファ
min maj 5th

 

最も構成音が少ないコードは、ルートとmajor5との2音で構成(1-5)されるパワーコードである。

 

 

 

【資料】

 

主要和音 和音構成表 1/2

1   2     4   5             ○sus2sus4         Suspended 2nd 4th chord    
1   2         5             ○sus2         Suspended 2nd chord    
1         4   5             ○sus4         Suspended 4th chord    
1         4   5     b7       ○7sus4         Dominant 7th suspended 4th chord    
1             5             ○5         Power chord    
1       3       #5     7     ○maj7#5         Major 7th #5 chord    
1       3       #5   b7       ○7#5         Dominant 7th #5 chord = Augment 7th 
1       3       #5           ○+5 = ○#5 = ○aug Augmented triad = Augment = 増加
1       3   b5         7     ○maj7b5         Major 7th b5 chord    
1       3   b5       b7       ○7b5         Dominant 7th b5 chord = Altered 7th
1       3   b5               ○-5 = ○b5     Major diminish 5th chord = Altered = 変化した
1       3     5   6         ○6 = ○add6     Major 6th chord    
1       3     5       7     ○maj7         Major 7th chord    
1       3     5     b7       ○7         Dominant 7th chord = Dominant = 優勢,属音
1       3     5             ○major         Major chord = Major = 主な
1   2   3 4   5   6   7 8                  
ファ                  
1     b3       5             ○minor         Minor chord    
1     b3       5     b7       ○m7         Minor 7th chord    
1     b3       5       7     ○m maj7         Minor major 7th chord    
1     b3       5   6         ○m6         Minor 6th chord    
1     b3     b5               ○m-5 = ○mb5 = ○dim Diminished triad    
1     b3     b5     6         ○dim bb7     = ○dim7 Diminished 7th chord = Diminished = 減少
1     b3     b5       b7       ○m7 dim = ○m7b5     Half-diminished minor 7th chord    
1     b3         #5           ○m+5 = ○m#5     Cm+5=G#    
1     b3         #5   b7       ○m7#5         Minor 7th #5 chord = Minor = 副の

 

主要和音 和音構成表 2/2

1       3     5       7     9     11       13   maj13 Major 3th chord
1       3     5       7     9     11           maj11 Major 11th chord
1       3     5       7     9                 maj9 Major 9th chord
1       3     5       7                       maj7 Major 7th chord
1       3     5             9                 add9 Major add9 chord
1       3     5   6         9                 6aad9 Major 6add9 chord
1       3     5                               ○major  
1   2   3 4   5   6   7 8   9   10 11   12   13      
ファ ファ      
1     b3       5                               ○minor  
1     b3       5   6         9                 m6add9 Minor 6add9 chord
1     b3       5             9                 madd9 Minor add9 chord
1     b3       5     b7                         m7 Minor 7th chord
1     b3       5     b7       9                 m9 Minor 9th chord
1     b3       5     b7       9     11           m11 Minor 11th chord
1     b3       5     b7       9     11       13   m13 Minor 13th chord
1     b3       5       7     9                 m maj9 Minor major 9th chord